2016.09.07
アニメの世界を実現すべく、視覚拡張デバイスの開発に挑んだ4人の筑波大生。それぞれの得意分野を活かし、ハンズフリーで操作可能な光学30倍ズームのウェアラブルデバイスを完成させた。この自信作を抱え今年7月に挑戦したのが、世界最大の学生ITコンテスト「イマジンカップ(Imagine Cup 2016)」だ。
アニメの世界を現実のものに
人間の視覚を進化させることができれば、どんなことが可能になるだろうか。近未来の世界を描いた人気SFアニメ「攻殻機動隊」の世界に魅了され、いまだ存在しない未来のテクノロジーへと想像をふくらませたかつての少年たち。
「自分たちも攻殻機動隊の世界に出てくるような近未来のデバイスを作ってみたい!」。そんな思いが出発点となって視覚拡張デバイスの開発に乗り出したのが、筑波大学教育院エンパワーメント情報学プログラムに所属する村田耕一さん、江國翔太さん、朝倉靖成さん、同大学院システム情報工学研究科知能機能システム専攻の上原皓さんだ。高校生の頃に夢中になった「攻殻機動隊」の世界を自分たちの手で再現できないか。同大学で生体制御やロボティクスなどを学ぶ仲間でチームを組んだ。
彼らを動かす直接的なきっかけになったのは、攻殻機動隊の世界を実現化するコンテスト「攻殻機動隊 REALISE PROJECT」(2015年)だ。同コンテストはアニメに登場する「義体」「電脳」「光学迷彩」などのテクノロジーを再現することで、ものづくりの可能性に挑戦する。筑波大の学生たちも憧れの世界を実現すべく、同コンテストへの応募を決意。それぞれの得意分野を活かして、人間の視覚機能を拡張できるウェラブルデバイス「バイオニックスコープ(Bionic Scope)」を開発した。