Command+Eye

「海軍よりも海賊になれ」ジョブズより受け継がれるアップルのDNA

アップル40周年の海賊旗に見るいまだ色あせない開拓精神

文●山下洋一

創業40周年を迎えたアップルはその日に、アップル本社キャンパスに「海賊旗」を掲揚した。33年前にMacintosh開発チームが、故スティーブ・ジョブズ氏の「海軍に入るくらいなら、海賊になったほうがいい」という言葉を表現するように手作りした旗のレプリカだ。

海賊旗は対抗文化の象徴

4月1日、創業40周年を迎えたアップルの本社キャンパスに海賊旗が翻った。かつてMacintosh部門が拠点としていたビルの屋上に立てられた海賊旗のレプリカである。この旗の掲揚は、同社が今も「海賊旗を掲げられる企業」であることを内外に示している。

歴史を紐解くと、今日のMacに至るMacintosh開発は、リサ(Lisa)プロジェクトから追い出されたスティーブ・ジョブズ氏が、当時ジェフ・ラスキン氏が進めていたプロジェクトをのっとる形で始まった。チームは社内の主流から外れた者の寄せ集めだ。1983年1月、ライバルであるリサが発表された直後の重苦しい雰囲気のミーティングで、ジョブズ氏の言葉がチームメンバーを奮い立たせた。その1つが「リアルアーティストシップ」、アーティストが作品を生み出すように開発に取り組むモノ作りの誇り。そしてもう1つが、「海軍に入るくらいなら、海賊になったほうがいい」である。常識や規律に捉われるよりも、自分で舵を握り、自らの船で時代を築いていこうという気概である。

同年8月、80人以上が関わる部門に成長したMacintosh開発は「バンドレー3」という大きなビルに拠点を移した。そのときに、チームが大きくなっても開発の志を失わないようチームメンバーが海賊旗を手作りし、そして新しいビルに入る前日の深夜、ビルに忍び込んで屋上に旗を立てた。




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