真の第4世代移動通信システム「LTE-Advanced」を探る|MacFan

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次世代iPhoneとiPadに関わる無線通信の最新事情

真の第4世代移動通信システム「LTE-Advanced」を探る

文●今井隆

2012年9月に登場したiPhone 5で採用されたLTE(Long Term Evolution)に代わって、最新のiPhone 6s、iPhone 6sプラスでは新たにLTEアドバンストが採用されている。真の4G移動通信システムとされるLTEアドバンストとは何か、移動通信システムの向かうところはどこか、探ってみたい。

3Gから4Gへ

第2世代移動通信システムでは第1世代のアナログ方式からデジタル方式へと進化したが、世界各国・各地域で独自の方式が展開されており、各国で販売されていた端末に互換性がないのが実情だった。その反省から第3世代では、国際電気通信連合(ITU)が中心となって全世界でのローミングを実現すべく統一規格を目指して策定が行われた。3Gは、「IMT−2000(International Mobile Telecommunication 2000)」規格として1999年に制定され、地上波を扱う移動通信規格は5方式、衛星通信方式は6方式までに統合された。

これを受けてiPhoneも20 08年7月にリリースされた3G対応モデル「iPhone 3G」から日本を含む22地域で発売された。現在主流となっているLTE(Long Term Evolution)は、この3Gと同じ周波数帯を使用し、帯域幅の拡大や変調方式の見直しなどによって下り100Mbps以上、上り50Mbps以上のデータ転送速度と低遅延を目指した規格で、スマートフォンやタブレットの急速な普及によってニーズの高まった高速移動通信を実現するために策定された。ただし、LTEはあくまで3G技術の改良版であり、本格的な4G規格普及までの過渡的な仕様として3.9G、すなわち第3.9世代と呼ばれる。

これに対して4Gの本命とされているのが、「LTEアドバンスト(LTE-Advanced)」と「ワイマックス2(WiMAX2:Wireless MAN-Advanced)」で、このうちiPhone 6sやiPadエア2、iPadプロに採用されているのがLTEアドバンストだ。

 

 

第3世代移動通信システム(3G)に対応することでようやく世界進出を果たしたiPhone 3G。2007年に登場した初代iPhoneはクアッドバンドGSMのみの対応で、日本を含めてGSMを採用していない国では使用できなかった。




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