ウエスタンデジタルジャパン株式会社|MacFan

アラカルト アップルのミカタ

ウエスタンデジタルジャパン株式会社

なぜ、アップルのミカタをするのか? アップル製品を手厚くサポートするハード&ソフトウェアメーカーに、その理由を聞いてみよう!

サンダーボルトの市場が成熟した今こそハイパフォーマンスHDDの好機

Macに内蔵されるストレージはHDD(ハードディスク)からSSDへと移行しつつある。だが、その一方で外付けHDDの市場はこの数年活況を呈しており、各メーカーとも売上高は好調に推移している。HDDの出荷台数ベースで市場シェア40%以上を誇る業界のトップメーカー、ウエスタンデジタルジャパン(以下WD)の牛島学氏は、その理由についてこう語る。

「外付けHDDに対するニーズが年々高まっている理由は単純です。ユーザが所有するデータは増えこそすれ減ることはないからです。また、これは日本市場特有の現象かもしれませんが、Macユーザが外付けHDDを利用するアタッチレート(接続率)はウィンドウズのそれより格段に高いというデータがあります。Macユーザが写真や映像などのリッチコンテンツを活用している現れといえるでしょう」

Macユーザが外付けHDDを利用する目的の第一がタイムマシンなどを用いた「バックアップ」なのは至極当然だが、ユーザのニーズは実に多様であり、それに応える製品ラインアップを揃え、具体的に実現していくことがWDの使命だという。

「もちろん、バックアップは重要ですが、データの蓄積がゴールではありません。そこから二次活用、三次活用するためのスタートラインです。そのために現在Mac向け製品で力を入れているのが『サンダーボルト』に対応するラインアップの充実です」

その一例として挙げられたのは5月に発売された「マイパスポート・プロ(My Passport Pro)」。2.5インチのHDD2台をRAID0構成にすることでサンダーボルトの転送速度を最大限引き出せるという意欲的な製品だ。「写真や動画などスピードと容量の両方を高い水準で求めるクリエイティブ・プロの人たちから注目を集めています。SSDだけでは足りなかった容量やデータの安全性確保を実現しました。ケーブル1本で動くバスパワーに対応していて取り回しもよいのでオフィスワークの効率アップにもつながります」。

開発にあたっては認証を得るために転送速度や消費電力などアップルが定めるハードウェアの仕様をクリアするようテストが繰り返されたという。

「アップルとは製品本体のアルミの質感やパッケージのデザインにいたるまで日頃からやり取りを行いディスカッションしています。アップルストアに並べたときにもマッチする、シンプルな黄色いパッケージが目印なので、手にしていただければと思います」

 

牛島学(うしじま・まなぶ)

ウエスタンデジタルジャパン株式会社シニアマーケティングマネージャー。
http://www.wdc.com/jp/

 

RAID構成で実測200MB/秒を超える「My Passport Pro」(【価格】オープンプライス【実売価格】2TB:4万3800円/4TB:5万8800円ともに税別)は、ポータブルでありながらサンダーボルトの性能を引き出すことに成功した。サンダーボルトケーブルが本体側面のスリットに収納できるなど細かな配慮もうれしい。「サンダーボルト製品をリリースするならパフォーマンスは絶対、デュアルドライブしかないと考え、ようやくポータブルで実現できました。USB3.0からのステップアップとして多くのクリエイターから注目を集めています」

 

ウエスタンデジタル製品のパッケージは全世界共通で黄色に統一されている。「アップルとも話し合い店頭で映えるデザイン、ポップなイメージを伝えるためのブランディング戦略です。Macユーザは持ち物にこだわりがあるので、色や質感、利用シーンを想起させるビジュアルの利用は大事ですね」。

 

【取材後記】
牛島氏の外付けHDD活用術は、iPhotoやiTunesのライブラリなどのコンテンツを退避し、Mac本体は処理プロセスに特化するという運用方法だ。「Macは比較的短いスパンで買い換えますが、蓄積したコンテンツはサイクルしません。そうすることでMac本体の移行が簡単というメリットも得られます」。