野呂エイシロウの「ケチの美学」第63回|MacFan

アラカルト ケチの美学

野呂エイシロウの「ケチの美学」第63回

文●野呂エイシロウ

人気放送作家が語るケチとアップルの交差点。

ケチだから真剣に祈る

毎日、早朝4時半に起床。ボクの1日は「祈り」と「願い」から始まる。

MacBookプロを起ち上げ、スケジュールとリマインダーのタスクを見ながら、100個近い祈りと願いを捧げる。「祈り」と「願い」がどう違うのか、正直ボクはわかってないのだが、とにかく自分自身に強く念じるのだ。

できる限り、具体的に念じる。「この仕事、何が何でも成功しますように」「先方が納得しますように」「担当者に喜んでもらえますように」「楽しい仕事になりますように」と懸命に祈るのだ。

この習慣は、ゴルフを始めてから身についた。ゴルフボールを打つ前には、いつも結構祈る。「ボールが真っすぐ飛びますように」「パターで入りますように」などなど。たぶん、1回のコースで100回は祈っていると思う。ゴルフクラブを振るたびに祈っていると言っても過言ではない。すると、どうだろうか? 少しはまともなゴルフができるようになる。

祈りの効果がどこまであるかはわからないが、ボクは一理あると思う。祈った、願った事柄について、その日、真剣に取り組んでいるのだ。そうすると、ケタ違いの集中力が生まれる。この原稿を書く前にも、もちろん祈った。誰かの記憶に残るコラムが書けますように、と。

ケチなので、少しでも成功したいのだ。今年、ボクはある一つの目標に向かって懸命に働いている。祈って成功するなら、安いものなのだ。

本物の戦争をボクは体験したことがないけれど、戦争映画などを観ていると、戦場の兵士は何度も祈りを捧げている。

そういえば30年ほど前、Macintosh IIciを使っていた頃はよく祈っていた。「ちゃんと起ち上がりますように」「クラッシュしませんように」など。ここ10年ぐらいはマメにMacやiPhoneを買い替えているおかげか、そういったトラブルに遭遇することは皆無になった。

ボクには特別な能力がない。最近も本を出せたが、奇跡に近い。運がいいだけだ。ケチだから、ちょっとしたチャンスを逃さないのである。

昨日も会食中に、たくさんのチャンスを見つけた。それを今、リマインダーに入力している。見つけたチャンスの芽に、絶えず水と肥料をやるのだ。常にチャンスを探し、祈る。スポーツ選手や戦士のように。

 

ボクの新刊『なぜか「好かれる人」と「嫌われる人」の習慣』(総合法令出版)は、iPad Proだけで執筆。感謝である。

 

 

EishiroNoro

放送作家、戦略的PRコンサルタント。毎日オールナイトニッポンを朝5時まで聴き、テレビの見過ぎで受験失敗し、人生いろいろあって放送作家に。「元気が出るテレビ」「鉄腕DASH」「NHK紅白歌合戦」「アンビリバボー」などを構成。テレビ番組も、CMやPRをヒットさせることも一緒。放送作家はヒットするためのコンサルタント業だ!と、戦略的PRコンサルタントに。偉そうなことを言った割には、『テレビで売り上げ100倍にする私の方法』(講談社)『プレスリリースはラブレター』(万来舎)が、ミリオンセラーにならず悩み中。