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【第2回】第2章 子どもを「心配」しているだけです

2017.02.01 | 星幸広

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 私は今、全国をまわり、年間約八〇回の講演活動をしています。多い順に紹介すると、まず、校長・教頭先生など管理職のための研修です。次に一般教職員の研修、就園・就学時の健康診断や入園・入学説明会での保護者への講演と続きます。また、子どもルームなどで登下校時の子どもの安全、そして安全安心まちづくりなどのテーマで行う自治会などでの講演も行っています。

 

■みんな同じ人間


 このような時に、先生方や保護者からさまざまな質問を受けます。
「学校で大変な問題が起きた」「子どもが難しい年頃で困っている」「学校や担任のやることが信じられない」などの相談が次から次へと寄せられます。それも年々歳々件数が増え、深刻化しています。悩みやトラブルを聞いていると、「学校と親」という、もっとも基本となる両者の間に、正しくつき合うためのルールがないのでは? と思ってしまいます。

 でも、そんなことはないはずです。先生もお父さんもお母さんも、みんな同じ人間です。そして子どもを何よりも大切に想っています。そのことを踏まえてきちんとスタートラインに立ち、お互いの立場や現状を考えてみましょう。それを正しく認識すれば、先生と保護者の信頼関係をどのように構築していけばいいのか、その方策が見えてきます。

 

■親はとにかく子どもが心配


 第三者から見ると、先生側から見たお父さんやお母さんと、現実のお父さんやお母さんとの間には、大きなギャップがあるように思えてなりません。先生方が感じているほど、保護者は学校を敵視していないのです。何か問題が起きたときに抗議に来る「親」を恐れるあまり、本当のお父さんやお母さんの姿が見えなくなっているだけです。

 保護者を正しく理解するには、学校に文句を言ってくる時の怒った顔ではなく、子どもの成長を喜ぶお父さんやお母さんの笑顔を思い浮かべましょう。そして、相談する人もなく、子どものことが心配で、苦しんでいる保護者の心情を思いやってください。

 

■揺るぎのない自信とブレない目を持つ


 数年前の新聞の記事に、小・中・高等学校、特別支援学校、幼稚園の教員を対象にしたアンケートの結果が掲載されていました。親からの無理難題が「増えている」との回答が八〇%、また親との対応に「難しさを感じる」は、九〇%でした。例えば、このような「親」が存在するのも事実です。

*担任をかえろと要求する
*毎日のように担任の自宅に電話をかけてくる
*自分の子どもの言うことだけを聞き、担任の言うことを聞かない
*学校外の出来事なのに、先生に解決を求めてくる
*複数(集団)で学校に圧力をかけてくる

 しかし、これは全体から見たら、ほんのごく少数の「親」です。声が大きいから大勢いるように見えますが、声の大きさに惑わされてはいけません。
 先生方は、自分のやっていることに、揺るぎのない自信とブレない目を持つ必要があります。その上で「親」と接し、その気持ちを理解するべきなのです。

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