第三章・対決
俗世から切り取られた暗黒の闇が音もなく浮かぶ。薄暗い控室で四十を超える血生臭い眼が俺たち三人を串刺しにしていた。意外にもジムのように広く埃っぽい空間。ダークスーツの男たちがずらりと並び、奥には目つきだけは黒服たちと変わらず、資料を片手に金を数えている男も数人いる。
天見は中央の真っ赤な椅子に深く座り、長くてたくましい脚を組んだまま、俺たちを無言で見下ろしている。ステージ上で着ていたスーツは脱ぎ、薄いピンク色のワイシャツの胸元からは、ボディビルダーのような筋肉を豪華な金色のネックレスが照らしていた。
天見は薄気味悪く笑っている。