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昭和流行語グラフィティ 第三巻

【第03回】昭和46年(1971)

2016.02.17 | 現代言語セミナー

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昭和46年(1971)

三里塚農民の叫びも空しく、この年ついに成田空港予定地は第一次強制執行された。愛媛大の研究により魚や鳥の体内にPCBが蓄積されていることが判明、イタイイタイ病は住民側の勝訴となり、公害問題への関心が高まっていった。

 

愛とは決して後悔しないこと

3月に封切されたアメリカ映画『ある愛の詩』のキャッチフレーズから映画のヒットと共に流行した言葉。

 

これにて一件落着

日本テレビ『遠山の金さん捕物帳』で、遠山金四郎役の中村梅之助が、最後に決める台詞。物事を締める時に「これにて一件落着」と使った。

 

がんばらなくちゃ

中外製薬「新グロモント」のCMから流行したことば。

 

ラブ・ピース

アメリカで流行したベトナム反戦のシンボルマーク「ラブ・ピース」が日本に上陸。子供たちの間で、大人気となり、胸に黄色いスマイル・バッジをつけて歩く若者も多かった。

 

日本株式会社

アメリカで開催された「日米財界人会議」において、アメリカの財界人が、“政府と財界が一体となって利益を追求するさまは、まるで株式会社のようだ”と日本を批判し、「日本株式会社」のことばが広まった。

 

アンノン族

『anan』『non-no』といった女性雑誌が紹介した観光地を雑誌を小脇に抱えて訪れる女性たちを「アンノン族」という。

 

ニアミス

7月30日、岩手県雫石上空で全日本旅客機と自衛隊機が衝突、乗客162人が全員死亡するという事故がおこった。原因は自衛隊機が定期航空路に侵入したためで、この事故を機に異常接近「ニアミス」は一般化し、男女関係においてあまりに接近し過ぎて衝突する、などの意味でも用いられるようになった。

 

脱サラ

脱サラリーマンの略で、会社勤めをやめ、独力で事業を起こすことをいう。
これと同時に、脱○○という言い方が流行した。

 

ピース

井上順がテレビ番組の司会などの際に、手でVサインを作り「ピース、ピース」とやり、流行したもの。

 

大久保清

3月から5月にかけて、若い女性の連続殺人事件がおこり、5月14日、大久保清(当時36歳)が犯人として逮捕された。大久保は若い女性を誘惑するためにベレー帽をかぶりルパシカを着こんで一見して画家とわかる服装をし、声をかけて自家用車につれこんだ。やすやすと見知らぬ男の車に乗り込む若い女性の心のスキも指摘されたが、「大久保清」はナンパするという言葉と同義語に使われ、男性に対し、からかい気味に用いられた。

 

ガッツ

勇気、根性という意味の英語 guts で、スポーツ選手が闘志あるプレイをしたときに「ガッツがある」と賞めたが、一般にも広まった。やる気のある者を「ガッツのある奴」などと評したのである。現在でも、勝利したあとのポーズや、対戦前のファイティング・ポーズをガッツ・ポーズといい、すっかり定着している。

 

書を捨てよ街へ出よう

詩人・劇作家の寺山修司が主宰する演劇実験室「天井桟敷」の上演作品のタイトル。逼塞した状況から逃れ自己解放を促す象徴的な言葉とも解され、流行した。語呂もよいため「○○を捨てて○○へ出よう」といった形でもさかんに使われた。