【第05回】昭和5年(1930) | マイナビブックス

100冊以上のマイナビ電子書籍が会員登録で試し読みできる

昭和流行語グラフィティ 第一巻

【第05回】昭和5年(1930)

2016.02.19 | 現代言語セミナー

  • mixiチェック
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

昭和5年(1930)

前年春の共産党員一斉検挙につづき、党壊滅をはかる大量検挙が行われ、7月までに1500人が検挙された。就職難も変わらず、大量失業時代に突入。時代を反映する刹那的なエロ・グロ・ナンセンス文化が開花した。

 

銀ブラ

銀座通りを散歩すること。3月26日、帝都復興祭がおこなわれ、関東大震災で崩壊した東京が再び復活。松坂屋、三越、松屋のデパートも進出し、歩道には再び、昔恋しい銀座の柳も植えられた。

 

黄金バット

紙芝居から生まれたヒーローが、正義の味方「黄金バット」である。
金の骸骨マスクに赤マントというスタイルで、極悪人どもを鮮やかにやっつける姿は、子供たちを魅了し、とりこにした。

 

エロ・グロ・ナンセンス

昭和前期に到来した空前の大不況は、農村を直撃し、大量の都市流入人口を生み出すに至った。
「エ ロ・グロ・ナンセンス」は、これら青年層の逼迫したニヒリズムと、迫り来る“軍靴の響き″に煽られるように、浅草カジノ・フォーリーの踊り子たちの脚線美 に〈エロチック〉を感じ、猟奇雑誌に〈グロテスク〉を、エノケン喜劇に〈ナンセンス〉を見るという世相を生じさせたのであった。

 

アチャラカ

アチャラカ=アチラからで、西洋風の意味。
エノケンの「カジノ・フォーリー」などのドタバタ翻訳喜劇をこう呼んだ。

 

エンタツ・アチャコ

横山エンタツと花菱アチャコが初めて万才コンビを組んだのが、この年の5月。
世相や身近な出来事を題材にした軽妙なしゃべくりが、大阪の庶民にうけ、一躍人気コンビとなった。

 

OK

松竹・島津保次郎監督の『いいのね誓ってね』の主題歌『ザッツOK』がヒット。
その軽快感から、「よろしい」という意味の「OK」が一般に広まった。

 

男子の本懐

11月14日、ライオン宰相の異名をもつ浜口雄幸首相が、東京駅で狙撃された。この時、「男子の本懐」といったことから、流行語となった。

 

女給

カフェー、バーなどの飲食店で、客の接待をする女性のこと。)

続きをご覧いただくには、会員登録の上、ログインが必要です。
すでにマイナビブックスにて会員登録がお済みの方は下記の「ログイン」ボタンからログインページへお進みください。

  • 会員登録
  • ログイン