【第01回】昭和1年(1926) | マイナビブックス

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昭和流行語グラフィティ 第一巻

【第01回】昭和1年(1926)

2016.01.27 | 現代言語セミナー

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昭和1年(1926)

12月25日、大正天皇が崩御し「昭和」と改元された。年末までわずか1週間の昭和元年であった。

 

昭和

大正15年12月25日、大正天皇崩御にともない新しく制定された元号。
『東京日日新聞」(現在の毎日新聞)が、新しい元号「光文」をスクープしたため、急遽「昭和」に変えられた。
『書経』の「百姓昭明、万邦協和」からとったもので、国民の幸福と天下泰平を祈念する、という意味。

 

モダーン

「近代的」「現代風」という意味で、大正末から昭和にかけて流行した。

 

文化住宅

関東大震災後に東京近郊に建てられた和洋折衷の住宅で、洋風の応接間が特徴。
当時は、大正デモクラシーの文化主義の影響が強く、文化鍋、文化カミソリ、文化コンロ…など、あらゆるものに「文化」の名が冠せられた。
関西方面では、戦後、木造の小住宅を「文化住宅(ぶんか)」と呼んだ。

 

左翼運動が盛んになりつつある大正末年から、共産党員や、そのシンパを党旗の赤旗にちなんで、「赤」と呼んだ。
大正14年、治安維持法の制定によって、「赤」を弾圧する〈赤狩り〉が、日本全国を席捲した。

 

アッパッパ

大阪方面から流行した婦人用の夏の簡単服で、風が吹くと裾がパアッと広がるところから、この名がついた。
値段も安く、気軽にどこでも着ていけるのが受け、たちまち全国的に普及、和装から洋装への契機になったものといえる。

 

福本イズム

マルクス主義経済学者福本和夫の理論をいう。
大正末以来、日本共産党は、福本イズムの影響を強く受けた。

 

同潤会アパート

関 東大震災後、住宅難を緩和するために建設された鉄筋アパート。ガス、水道、電気、水洗トイレを完備した当時としては画期的な建築で、青山、代官山、三田な ど15カ所に建てられた。今なお、現存しているものもある。注)1991年の時点。その後解体が進み、現存するものは極めて少ない。

 

立入禁止(立禁)

当時多発した小作争議の際、使われた言葉で、地主側が、小作人からの小作料減額の要求に対して、農地への立入禁止(立禁:りっきん)という仮処分申請を行なった。

 

ラジオ

ラジオ=無線=無銭ということから、無銭飲食の意味。

 

円本

不況のもと、倒産寸前だった改造社の社長が苦肉の策で『現代日本文学全集』を企画。1冊1円という廉価が受け、大ヒットとなった。
これに続いて、新潮社『世界文学全集』、春陽堂『明治大正文学全集』、平凡社『現代大衆文学全集』が次々と出版され、これらを称して「円本」と名づけた。

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