【第3回】第三話 購買業務の先進事例 | マイナビブックス

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よくお客さんに聞かれることがあります。
「購買業務やコスト削減活動でうまくいっている会社、先進的な会社はどこで、具体的にどうやっているんですか」と。
 
全ての会社の購買活動を知っている訳ではないですし、こういうやり方をすれば必ずコストが下がる、とかこういうやり方は他の企業にはない特色のあるやり方だ、なんていう目からウロコのような手法は思いあたりません。
 
私はこの手の質問をされた時には、こう答えるようにしています。
 
「基本的には、これをやればコストは必ず下がります、というようなマジックはありません。ただ、一つ言えることは、先進的と言われる企業は、ルールやプロセスが標準化されていて、それを頑なに守る意識が高いのが共通した特徴です」
 
例えば、サプライヤ選定時に本当にやむを得ない事情がない限り、複数のサプライヤから相見積りを取るルールがあれば、それを忠実に行う。設計者から、時間もないのでこのサプライヤに発注したい、という話があっても、十分な評価を行ったうえで、公平かつ透明なプロセスでサプライヤ選定を行う。
 
このようなルールやプロセスを実行しているかどうか、また実行できるような環境が整備されているか。月並みですが、これが購買能力の差につながっているのです。
 
一時期、この購買システムを導入するといくらコストが下がるの、と真面目な顔で質問をする方がいらっしゃいました。
極めて当たり前な話ですが、購買システムを導入して、購入コストが下がることはありません。
 
あるお客さんは、徹底したプロセスの標準化、透明性、公平性の向上を目的に購買システムを上手く活用していました。
 
私自身がこういう考え方をしているのもある意味、このような優れたお客さんに育てられたからです。
皆さんはどうお考えでしょうか。
(2005年7月11日)