【第2回】第二話 購買業務の二面性 | マイナビブックス

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先回バイヤーの二面性について取り上げましたが、その点について今回は書きます。
 
バイヤーはそもそも二面性をもった職業(自社と取引先の両社の立場にたって考え、行動しなければならない立場)です。多くのバイヤーはそれにストレスを感じています。
一方で、社内にない専門能力の自社への活用や、それらのノウハウを生かした差別化された最終製品を生み出せる立場にあります。過去に私が購買部門に配属になって一番悩んだのがこの二面性です。
 
私が社会人になって初めて配属されたのは、某自動車会社の原価管理部門でした。そこでは、新製品の原価企画および、予算計画策定や原価集計などでした。
仕事の目的は極めて単純で、如何に自社の収益を上げていくか、です。ここでは、数字やロジックが全てでした。
 
その後、購買部門に異動になりました。まず感じたのは、自分が何を目的に、何の方向を向いて仕事をすればよいのか、という戸惑いでした。
よいものを安く買うことが目的であれば、理屈やコスト査定、他社比較などを行って妥当な価格を決めればよいのですが、自分がこれ位のコストが妥当であると考えている査定コストが必ずしも自社の目標値(要請ベース)を達成するとは限りません。
 
目標価格を達成するために、力づくで理屈が通らない低い価格で決定することが本当によいことかどうか、疑問を感じていました。
 
一方で、バイヤーはサプライヤにとっての唯一の堤防です。
 
トラブルが起きた時や、緊急の対応時に、議論されるのが、責任の所在です。責任論争でありがちなのは、最終的にはサプライヤのせいにするということです。
 
(2005年7月3日)

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