【第5回】第二章 変化といくつかの引き金 ―(3) | マイナビブックス

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アルツハイマーの夫を与えられた妻の心の記録

【第5回】第二章 変化といくつかの引き金 ―(3)

2016.08.25 | 岩井智子

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心の中を覗けた思い

 

 私共が仲人をした一組の夫婦の話である。花婿は夫の教え子で、現在は彼と同じ大学で教えていた。我家を訪ねてこられた時、夏休み中は奥さんを通信大学の夏期スクーリングに出席させるため、三人の子供の面倒をみているのだという。「結婚の時の約束ですから」と簡単にいうが、この暑い夏、子供三人の面倒をみるのは並大抵のことではなかろう。私は心底感服して、読書会の時に皆のいる前で彼をほめたのである。これが良くなかった。

「あれは僕へのあてつけか。君だって大学院へ行きたければ行けばいいじゃないか」

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