【第5回】英国を中心とした外国政府の、当時の日本に対する情勢分析(4) | マイナビブックス

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アーネスト・サトウの見た明治維新

【第5回】英国を中心とした外国政府の、当時の日本に対する情勢分析(4)

2015.07.29 | 山崎震一

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⑧維新後のサトウの述懐

 1863年6月?24日、英国公使代理のニール大佐が幕府側に返答した、この〝強固な基礎と、合理的にして肯定することの手段〟とは、第2章①でも触れたが、英国側から将軍に、物質的な援助の計画を暗示するものであった。もし仮に、この種の援助政策が実行されれば、将軍家の先祖伝来の地位は安定し、そして、1868年の革命(明治維新)は困難を極め、よりおびただしい流血なしには成就しなかっただろうと述べている。また、その結果、日本国民は外国の援助で、自己の地位を強化した支配者をより増悪し、そのために、将軍はより苛酷な抑圧手段を取らなければ、その地位を保てなかっただろう。また、将軍の閣老が、外国の援助の申し出を拒否する、愛国心を持ち合わせていたことは、まことに喜ぶべきことであったと称賛している。日本人は、自己の力で救済を行うことになり、革命が勃発した後も、生命財産の損失を、わずかの範囲に食い止めることができた。

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