2018.03.08
伝わる動画制作のためのワンランクアップ音声収録法 動画のプロは音にこだわる
動画は映像と音声で構成されています。映像は素晴らしいのに、いまひとつその世界に入り込めないという場合、その大きな原因は音声にあることが少なくありません。音は思った以上に動画の品質を左右します。どうすれば良質なサウンドを収録することができるのか。ここではそのためのノウハウを紹介します。
我々を取り巻く環境にはさまざまな音が混ざり合っており、目的とする「原音」以外にも「環境音」や「ノイズ」が存在しています。聴きやすい音声で収録をするには、原音を大きく、その他の音を小さくする必要があります。これを「S/N比を良くする」と言います(右上図参照)。いくら素晴らしい映像であっても、音声が遠かったり、こもっていたりすると言いたいことは伝わりにくくなり、視聴者はストレスを感じます。映像はごまかせても音はごまかしが効かないのです。
良い音で収録するためには「外部マイク」を使おう
それでは、ここからスマートフォンを使った、より明瞭な音声を収録する方法を説明していきます。まず、自分のスマートフォンのマイクがどこにあるかを確認してみましょう。多くの機種が本体の上部や下部、背面カメラレンズの隣についています。収録時にはそのマイクを録音したい目的の音(原音)に向けることが大切です。機種にもよりますが、カメラとして構えるとマイクが被写体と異なる向きになり、原音よりも環境音やノイズを拾って明瞭な収録ができないことがあります。そんなときは、音声をしっかりと収録できる外部マイクを使うのが一番です。
スマートフォンにあるイヤフォンマイク端子(最近のiPhoneの場合はLightning端子)に外部マイクを取り付けて原音に向け、できるだけ近くに寄せます。こうすることで、相対的に周囲の不要な音が小さくなってS/N比が良くなり、驚くほど明瞭に音声を収録できるのです。
では、マイクの種類をいくつか紹介しましょう。まずは、「ショットガンマイク(以下ガンマイクと記します)」。目的の音声を録るための、音の望遠レンズのようなものです。周囲の音をなるべく小さくして、原音である音声だけを明瞭に収録することができる指向性の強いマイクです。
次は「ラベリアマイク(ピンマイク)」です。話し手のみぞおちの辺りにクリップで取り付けて使うマイクのことで、口元に近づけて装着できるため、明瞭な音声収録ができます。話し手はマイクを持つ必要がないため両手がフリーになるのも特徴です。
もう一つが「インタビューマイク」です。レポートやインタビューに適した、手に持って使われることの多いマイクです。収録中も自由に音源に近づけるという特徴があります。
市販のマイクには、これらの特性を持ったマイクと、いくつかのマイクの特性を併せもったものがあります。自分が収録する環境に合わせて選ぶことが大切です。
屋内・屋外それぞれの収録で気をつけること
マイクを利用する以外にも原音をより聴きやすく収録するための注意点があります。冒頭で音には原音、環境音、ノイズがあると話しましたが、目的の原音以外の不要な環境音やノイズを減らすことです。犬の鳴き声や車の音、ヘリコプターの音にエアコン、冷蔵庫、換気扇などの普段は気づかない周囲の音。人間の脳が無視する小さな音もマイクは拾ってしまいます。
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