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One's View コラム Web Designing 2018年2月号

【コラム】“ 私的UX 向上”と「あきこちゃん」活用術 今号のお題「UX」

さまざまな方々に、それぞれの立場から綴ってもらうこのコラム。ひとつの「お題」をもとに書き下ろされた文章からは、日々の仕事だけでなく、その人柄までもが垣間見えてきます。

今回のテーマは「UX」。書きながらいまも悩んでいます。コンビニエンスストアはUXの塊みたいなものなのですが、自分ひとりでどうにもできないことも多く、コラムでご紹介できるような事例もなかなか見つからず…悶々としております。

一つ言えるのは、過去のプロジェクトを振り返り「これは失敗したなー」という苦い思い出に共通しているのは、“自分ができること”からスタートしてしまったことかなと思っています。

最近、UXが優れていると言われるインターネット企業で、新規事業を担当されている方々とお仕事をご一緒する機会があります。そんなUX優秀企業のみなさんに共通していることを発見しました。それは、ユーザーにとって最高のUXをゴールに見据えつつ、そこからさらに疎外要因を排除していることです。たとえば、商談はイラストで情報をフラットに共有しながら進行します。参加者が理解できない要因をイラストという手段で排除してくれるのです。感銘を受けた私はUX優秀企業に習い、自分なりの“私的UX向上”を図ろうと心に決めました。仕事への取り組みを見直したのです。出た答えが「あきこちゃん」というキャラクターを活用することでした。

些細なことなんですが…先日、手帳を「Moleskine Pocket」に変えました。手帳は愛用していましたが、ビリッと破れるタイプにしてみたのです。というのも、ホワイトボードが近くにない時はメンバーへの情報共有を口頭で伝えていました。すると「こんなイメージではなかった問題」が勃発することがあり、資料の作りなおしなどメンバーの貴重な時間を割いてしまうこともしばしば。いまは手帳に絵を描いて確認しながら、ビリっと1枚破って渡すようにしています。そこで心がけているのが「あきこちゃんがしゃべっている絵」を入れることです。「あきこちゃん」は2010年に誕生したソーシャルメディア用のキャラクターで、ローソンの最新情報をマイペースにLINEやTwitterでつぶやいています。社内で検討しているサービスを「あきこちゃんだったらどう伝えるか?」として共有することで、「ユーザーがどう感じてくれるのか」について共通認識を持つことができるようになったのです。

もう一つは、店舗でのUX改善に「スーパーローソンクルー♪あきこちゃん」の目線で考えるようにしたことです。東京・品川に次世代店舗の実験ラボ(一般の方は利用できません)があります。そこではサイネージの「動くあきこちゃん」が接客をしているのですが、アルバイトさんが感じる負の部分を改善できる可能性がチラホラと垣間見えてくるのです。ITによるあきこちゃんの視点を持つことが、想像以上のUX改善のためのアイデアをもたらしてくれることに繋がってきました。

私的UX向上の末に行き着いた「あきこちゃん」活用。今後も、クルーさんとお客様とのやりとりをイメージしながら、UX改善に努めていきたいと思います。

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サっとメモして渡しやすい「Moleskine Pocket」はすでに必須のアイテム。あきこちゃんには、イラストで活躍してもらっています。ラボのサイネージ「スーパーローソンクルー♪あきこちゃん」にもUX改善に一役買ってもらっています
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ナビゲーター:白井明子
(株)ローソン デジタルプラットフォーム部シニアマネジャー。デジタルプラットフォームを用いた施策の構築と企画を担当。「Web人大賞」、日経ウーマン「ウーマン・オブ・ザ・イヤー準大賞」受賞。ACC新事業検討委員会委員、法政大学イノベーションマネジメント研究センター客員研究員。http://www.lawson.co.jp/

掲載号

Web Designing 2018年2月号

Web Designing 2018年2月号

2017年12月18日発売 本誌:1,530円(税込) / PDF版:1,200円(税込)

デザイナー経験ゼロでもわかる 最新UXデザイン

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PVは上がっているのに、コンバージョンに繋がらない!
Webサイトが期待するほどの効果をあげられない!
そこで、サイトの改善を急務として考えている方は多いと思います。

Webサイトの弱点を改善して、成果の出せる武器にしたい、もしくは、Webを有効活用した新しいビジネスを立ち上げたい。そうお望みの方に、「UX(ユーザー体験)」のノウハウをお勧めします。

UXとはとても端的に言えば、ユーザー視点で設計やデザインを考えることです。マーケティングの世界は、ユーザーの心をとらえる「体験を売る」時代になり、ますますこの考え方が取り上げられるようになりました。ただ、「UX」という言葉が先行して、イマイチ何のことかわからない、理論はわかるけど実際にどこから手をつけていいかわからないという方も少なくないのではないでしょうか。

UXは闇雲に叫んでも成功するものではありません。そこには理論に基づく準備やプロセスがあります。
本特集を一通りお読みいただければ、無意識にUXの理論や見るべき視点、メリットや期待できる効果などが把握でき、みなさんのビジネスの現場で応用ができるようになることでしょう。

【段違いの成果が出るUXの「5プロセス」】

[1]心を1つに。
プロジェクトチームの意識共有を図ろう

[2]お客様を知る。
ユーザーの「ホンネ」や動向を知ろう

[3]商品を知る。
プロジェクトにおけるビジネス的課題を把握しよう

[4]理想を描く。
商品のあるべき姿を描き、実現のためのアイデアを練ろう

[5]つくる・見せる・話を聞く。
原型を部外者に試してもらい、反応を見よう


<こんな方にオススメです>
・UXをまずは何から始めていいのかわからない
・UXってデザインだけじゃないの?
・そもそもUXってなにがよくなるの?
・部署を横断して取り組むべきなのはなんとなくわかっているが、説得する自信がない
・理論だけではなく、現場で実践していることが知りたい
・Web解析時のUX評価方法や改善方法を知りたい
・UXの重要性をクライアント・上司に理解してもらいたい
・効率よく成果をもたらすためのテクニックを知りたい

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