2017.08.28
One's View コラム Web Designing 2017年10月号
【コラム】上海ローソンの吉田くん 今号のお題「Facebookコンテンツ」
さまざまな方々に、それぞれの立場から綴ってもらうこのコラム。ひとつの「お題」をもとに書き下ろされた文章からは、日々の仕事だけでなく、その人柄までもが垣間見えてきます。
今回テーマが「決済」ということで、最近、決済ではなにかと話題の中国・上海について書こうと思います。
上海には年に数回出張で訪れていて、ものすごいスピードの早さで変化していくなあと、行くたびに感じています。毎回、上海ローソンでマーケティングを担当している吉田くんがアテンドしてくれて、現地で始まったばかりのサービスや流行っているものなども教えてくれます。
特に決済分野はアリペイやWechatPayを筆頭に、アメリカで見聞きするような同種のサービスより進んでいるじゃないか? という感もあり。聞くところによると、なんと上海ローソンでは電子決済比率が60%を超えている(!)とのことなのです(ちなみに、日本では10%程度です)。
ところでこの吉田くん、6年前は日本でアニメキャンペーンを一緒に企画していました。中国に赴任した5年前はまったく中国語を喋ることができませんでした。それゆえ、アテンドしてくれる時もタクシーの運転手さんに行き先を伝えることすらできず困っていた吉田くん…。いまとなっては中国語を習得し、さらにはタクシーも中国版UBER「滴滴打車」アプリを活用して呼んでくれるなど、すっかり上海での生活にも慣れた様子です。
そんな吉田くんのいる上海ローソンで、ちょうど6月から新しい電子決済をスタートしました。名付けて「上海ファストパス」です(勝手に命名しました)。店内で商品をあらかじめ専用アプリでスキャンすることで、ついイライラしがちなコンビニエンスストアでのレジ待ちを解消してしまう、電子決済システムです。レジとは別に用意されている「ファストパスレーン」を通り、QRコードを見せるだけで買い物ができてしまいます。
ジュース1本買うのに長い列に並んで、店員が商品のバーコードをスキャンして、という既存の購入までの流れとそれに要する時間が短縮できるのです。このシステムがお客さまから好評で、ゆくゆくはレジを通過しなくても支払いが完了する仕組みも考えている、とのことでした。
ちょうど6月に訪れた際にお店で決済の現場を見せてもらったときのこと。「ベンチャーが始めたサービスをどうすれば上海ローソンで実現できるか。マーケティングとIT部門で話し合って、導入までスピードをあげて開発に取り組みましたよ」と、ニコニコ話す吉田くん。ずいぶんと成長したなあと、感慨深くなりました。国はもちろんのこと、店舗数も異なる環境で果敢に「やってみる」「チャレンジしている」姿勢に感心するとともに、日本でも同じことができないかとメンバーで考えてみたのですが、そこには高いハードルが…。けれども「私もやったるでー!」とナゾの闘志を燃やした出張となりました。