2022.03.11
中小企業のコンテンツ運用
予算がない、時間もない、知識もない! DXなどはるか遠く、Web活用の素地を耕すところから…が地方のWeb制作の現実です。こうした現状を打破するため、『Web制作・運用バイブル』企画が新たに始動しました。本コラムでは、監修を担当したアルテバレーノ(株)の解説で『バイブル』の内容をチラ見しながら、クライアントの事業に“本当に貢献するための”Webディレクションについて考えます
Illustration:高橋 美紀
『Web制作・運用バイブル』とは……
中小企業を中心とした発注者向けの、Web施策の開始・依頼前に知っておいてほしいことをまとめたWeb施策の解説本です。サイト制作のフローやSNS運用、数字目標の立て方など、現場のディレクターが苦慮する「あるある」問題を、図版中心に、細かく丁寧にかみ砕いて説明しました。お客様向けの説明用資料として、一冊あると便利です。
地方の中小企業のCMS事情といっても、実際のところ、CMSの導入を勧めるケースはほとんどないです。なぜなら、総じてコストパフォーマンスが悪いから。CMSの導入には、開発費のほかメンテナンス費も必要です。年間数万円~の維持費でも負担に感じる事業者も少なくありません。
そしてなにより、つくっても使わない! CMSに限らずSNSでも同様ですが、まず更新を継続することが難しい。
理由は主に2つあり、まず最初に挙げられるのは「既存業務が忙しい」です。更新業務と簡単に言っても、ネタを見つける、写真を撮る、文章を書く…こうした一連の作業が必要で、特に慣れないうちは時間も労力もかかります。こうした中小企業の実情も理解した上で、CMSの要否や更新体制についても考える必要があります。
更新が続かない理由に「何を書けばよいかわからない」という悩みもよくうかがいます。これは「コンテンツを更新する『意義』が実は見えていない」ことが原因です。どういうことかと言うと…。
中には熱心にSNSやブログを更新している事業者もいます。しかしなぜか「読書日記」を書く人が多い。「更新を続けるコツは好きなことをテーマにすること」と教えるコンサルタントもいますが、はっきり言って、事業と関係のない趣味の話題を「ただ継続する」ことに意味はありません。
なんのために時間を使ってブログやSNSを更新するのか、今一度確認しましょう。飲食店なら来店、ネットショップなら商品の購入。ありていに言えば、「売上につなげる」ことが目的であるはずです。
そして目的から逆算すれば、適切な投稿内容は芋づる式で見つかります。飲食店であれば、日替わりメニュー(大事!)や食材のこだわり、営業時間…等々。「続ける」ことを目標にするのではなく、売上につなげる「道筋」を意識することが大切です。