中小企業のコンテンツ運用|WD ONLINE

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Web Designing 2022年4月号

中小企業のコンテンツ運用

予算がない、時間もない、知識もない! DXなどはるか遠く、Web活用の素地を耕すところから…が地方のWeb制作の現実です。こうした現状を打破するため、『Web制作・運用バイブル』企画が新たに始動しました。本コラムでは、監修を担当したアルテバレーノ(株)の解説で『バイブル』の内容をチラ見しながら、クライアントの事業に“本当に貢献するための”Webディレクションについて考えます
Illustration:高橋 美紀

『Web制作・運用バイブル』とは……
中小企業を中心とした発注者向けの、Web施策の開始・依頼前に知っておいてほしいことをまとめたWeb施策の解説本です。サイト制作のフローやSNS運用、数字目標の立て方など、現場のディレクターが苦慮する「あるある」問題を、図版中心に、細かく丁寧にかみ砕いて説明しました。お客様向けの説明用資料として、一冊あると便利です。

 

 

 

地方の中小企業のCMS事情といっても、実際のところ、CMSの導入を勧めるケースはほとんどないです。なぜなら、総じてコストパフォーマンスが悪いから。CMSの導入には、開発費のほかメンテナンス費も必要です。年間数万円~の維持費でも負担に感じる事業者も少なくありません。

そしてなにより、つくっても使わない! CMSに限らずSNSでも同様ですが、まず更新を継続することが難しい。

理由は主に2つあり、まず最初に挙げられるのは「既存業務が忙しい」です。更新業務と簡単に言っても、ネタを見つける、写真を撮る、文章を書く…こうした一連の作業が必要で、特に慣れないうちは時間も労力もかかります。こうした中小企業の実情も理解した上で、CMSの要否や更新体制についても考える必要があります。

どれだけ費用をかけて高機能のCMSを導入したとしても、更新が「続かなければ」意味がありません。コンテンツ運用を行う目的を明確にし、コストパフォーマンスや更新体制をあらかじめ考えましょう

 

 

更新が続かない理由に「何を書けばよいかわからない」という悩みもよくうかがいます。これは「コンテンツを更新する『意義』が実は見えていない」ことが原因です。どういうことかと言うと…。

中には熱心にSNSやブログを更新している事業者もいます。しかしなぜか「読書日記」を書く人が多い。「更新を続けるコツは好きなことをテーマにすること」と教えるコンサルタントもいますが、はっきり言って、事業と関係のない趣味の話題を「ただ継続する」ことに意味はありません。

なんのために時間を使ってブログやSNSを更新するのか、今一度確認しましょう。飲食店なら来店、ネットショップなら商品の購入。ありていに言えば、「売上につなげる」ことが目的であるはずです。

そして目的から逆算すれば、適切な投稿内容は芋づる式で見つかります。飲食店であれば、日替わりメニュー(大事!)や食材のこだわり、営業時間…等々。「続ける」ことを目標にするのではなく、売上につなげる「道筋」を意識することが大切です。

企業のコンテンツ運用は、最終的に「売上」につなげるために行うものです。目的達成のための道筋が描けているか、そもそも目的を見失っていないか、定期的に振り返りましょう

 

掲載号

Web Designing 2022年4月号

Web Designing 2022年4月号

2022年2月18日発売 本誌:1,560円(税込) / PDF版:1,222円(税込)

ヘッドレス時代のCMSトレンドは「適材適所」と「ファーストデータ収集」

サンプルデータはこちらから

Web Designing 4月号(2月18日発売)特集
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コンテンツマーケティングが大きく変わる!
CMS新時代 2022

クッキー規制で要望高まる「自社サイトからの情報発信」。
多チャンネル時代の効率的&効果的な
運用のカギはCMSにあり!
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IT業界では現在、「クッキー規制」が取り沙汰されていますが、
今後は自社サイトへ顧客を集め、自社で得たデータを元にマーケティング活動をする 流れが確実に進んでいます。
それを効率的に行う1つのヒントが、「CMS」です。
CMS(コンテンツ管理システム)を「情報の集積場」にして、
そこからWebサイト、SNS、その他ユーザーの閲覧デバイスや求める情報に合わせて
最適な形とタイミングで情報を提供していく仕組みを作るのが近道であり、
既存のツールとうまく連携し、できるだけ運用の手間を削減するには どうすればいいでしょうか。

それを効率的に、スピード感を持って実現できる技術として注目されているのが、
「ヘッドレス」です。
Web Designing 2022年4月号では、
昨今のキーワードである「ヘッドレス」とともに、
企業の情報発信を効率的に、会社の情報資産を有効活用するためのテクニックと
それを可能にする注目CMSを紹介します。

ー<CONTENTS>ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
■ヘッドレスCMSって要するになに? 
CMSトレンド1年生 そもそもの仕組み、用途、メリット・デメリット、
取り入れるために必要な 社内状況(事業計画や予算)などを専門家(先生)が基本のキから解説。
 
■クッキーレス時代 CMSで自社コンテンツの最適な配信方法とは
■コンテンツ配信にベストなCMSの選び方
■ワンソースマルチユース コンテンツ管理&運用の基礎
コンテンツ評価の考え方/実践編
■おすすめCMS紹介!