【コラム】Webデザインの原体験|WD ONLINE

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Web Designing 2021年12月号

【コラム】Webデザインの原体験 今号のお題 [プログラミング]

さまざまな方々に、それぞれの立場から綴ってもらうこのコラム。ひとつの「お題」をもとに書き下ろされた文章からは、日々の仕事だけでなく、その人柄までもが垣間見えてきます。

今回のテーマは「プログラミング」。最近は小学校でのプログラミング教育が必修になったり、プログラミングスクールの新設が増えたり、メディアでも取り上げられたり…と、Web業界のみならず、世間的にだいぶ馴染みのある言葉になってきたのではないでしょうか。

私が小中学生の頃は、プログラミングの授業は無かったのですが、当時は自分のホームページをつくるのが流行っていました。かく言う私も日頃から家に帰るとずっとパソコンをいじっているような子どもでした。自由度の高いデザインにはHTMLの知識が必要なので、クラスの大半の子は、今でいうノーコードツールのような簡易的なホームページ作成サービスを使っていた気がします。こうしたサービスはテンプレートが固定されていて、デザインが被ってしまうことが多々ありました。他の子との被りを避けたかったうえにこだわりが強かった私は、今はなきモバイルスペースというビルダーでホームページを作成。初めは右も左もわからないので、わからないことにぶつかって調べることの繰り返しでしたが、このコードを書いたらリンク先の設定が出来る、フォントの色が変わる、など少しずつできることを増やしていきました。こうして自由度の高いホームページをつくっていったのは、中学生の自分にとって小さな成功体験が積まれていく感覚に近かったのだと思います。当時はホームページを1~2カ月に1回リニューアルして、その度にコードを書き直したり、ペイントツールで画像を加工して好みのデザインをつくるのがとても楽しかった記憶があります。大人になると自分のポートフォリオサイト制作すら腰が重くなってしまうのに(笑)。

そんな中学生の時の体験が、プログラミング言語に初めて触れるきっかけでもあり、デザインの面白さに気付く原体験だったと思います。その後再びプログラミング言語に触れるのは約10年後、デザイナーへの転職を本格的に目指した時になるわけなのですが、当時の経験があったからこそ、つまづくことも少なく学習が進められました。

デザイナーとしてのファーストキャリアはWeb制作会社でしたが、当時の上司に「100%コードが書ける必要はないと思うけど、何を書いたらどんな風に動くのかを知識として知っていることは必要。初めのうちは1から自分でつくってみると、一連の流れもわかるし勉強になるよ」と言われたことを今でも覚えています(ちなみに、その上司はアートディレクターでしたが、「電車遅延で出社が遅れた日の遅延証明書を鉄道会社のサイトからダウンロードし、証明書をメールに添付して総務担当に送信をする自動システム」を自作で組んでいました)。

また、Webサイト制作ではエンジニアの方との連携が必須ですが、「知っている」ことでお互いのコミュニケーションが取りやすくなりますし、提案もしやすくなります。こうした知識や引き出しの量が依頼側に回った時に生きてくるんだな、と改めて感じました。

プログラミングに限らず、Web業界は流行り廃りの波も速いため、日々仕事をしていると常に情報のアップデートが必要だと感じる場面が多いです。そうした中でも、知らない領域を食わず嫌いせずにまず触れてみる、知ってみることを、今後も忘れずに心掛けていきたいと思っています。

2年前に登壇したイベントでは、終わった後に直接話しかけてくださった方もいました。オンラインイベントだとこうしたタイミングが創り出せないことへの難しさを感じますね。
ナビゲーター:小島香澄
株式会社KOS デザイナー。ハウスメーカーに新卒入社、資料のデザインが褒められたのをきっかけに、デザイナーとしてWeb制作会社に転職。日々の学習記録をSNSで発信していると、“モテクリエイター”として活動するゆうこす(菅本裕子)の目に留まり、2019年より現職。ゆうこすの手がけるサービスやプロダクトのデザイン全般を担当。 Twitter:@_mi_su_ka_

掲載号

Web Designing 2021年12月号

Web Designing 2021年12月号

2021年10月18日発売 本誌:1,560円(税込) / PDF版:1,222円(税込)

入門~上級まで本気で勉強したい人必携。Pythonの利点からWebビジネスで活きる仕組みまで丁寧に解説!

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Web Designing 12月号(10月18日発売)特集

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ITビジネスには欠かせない注目言語の「現場の使い方」がわかる!

WebビジネスのPython

今、Pythonが注目される理由、そのメリット、実務導入方法
入門~現場担当者まで必携の1冊


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経済産業省の掲げる、アフターコロナによるデジタル改革の推進の筆頭に取り上げられていた「AI開発」。DX推進の文脈からも「AI人材」の育成の中心言語としての地位を確立したPython。学校教育の場でも取り上げられているほど重要視されているこの言語は、一体どんなメリットがあり、どんな活用が期待されているのでしょうか。

AIだけでなく有名Webアプリやプラットフォームなどの開発に活用されていたりと、エンジニアにとっては当然のことながら、マーケターやWebディレクター、経営者に至るまで言葉として「Pythonの重要性」は認識していない人はいないのではないでしょうか。

しかし、Pythonという言語はそれだけでなく、業務効率化や情報収拾・分析など幅広い用途で活用しやすい言語だからこそ普及している側面もあります。では、Pythonは実際、具体的にどんなことを可能にして、どんな可能性を見出すことができるのかを説明できるでしょうか?

本号では、エンジニアはもちろん、今後のITビジネスにおいてPythonの知識の必要性を感じている担当者の方に向け、
そもそもPythonとはどんな言語でどんな特長があり、さまざまなITソリューションの中でどんな仕組みや機能が実際に
使われているのか、はたまた数あるフレームワークやライブラリの得意分野や使いやすい用途に至るまで、
これ1冊でPythonの背景から現場の具体的な活用方法まで学べる特集をお届けします。

自身のお仕事に必要な方、社内教育として新人に学ばせたい方など、イチから体系立てて理解する教科書としてお役立てください!



ー<CONTENTS>ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

■「Pythonの必要性・重要性」とは何か?


■ Introduction
注目する人が増えている!? 今なぜ、Pythonなのか
Pythonとはいったいなんなのか、その理由を技術者/試験の団体に聞く

 
■ Theme_1 日常業務の自動化
Pythonで自動化 相性のいい仕事・悪い仕事_ 業務時間の質が向上する
Pythonで自動化できる日常業務フロー_5種類の具体例から自動化できる中身を知る
自動化技術の特徴と選び方_VBA、GAS、RPA…Python 以外も考えてみよう


■ Theme_2 AI開発でデータ利活用
PythonによるAI開発でデータを利活用
 01_高度な対応力でさらにビジネスを大きく 
 02_業務効率化でコストや人手を削減 
Pyshon×SNSで自動化:PythonでTwitter Botをゼロからつくってみよう!


■ Theme_3 サービス開発の事例に学ぶ
サービス開発事例に学ぶ
 01_WebマーケターがPythonの知見を得る価値 
 02_新サービスを検討する際にPythonをどう活用すべきか


【Column】
Python ライブラリ・フレームワークの基本
_ 現場で活躍するエンジニアにも役立つ資料集
_目的別Pythonライブラリガイド

初学者のためのマインドセット/学習スタイル
エンジニア7人に聞きました! Pythonどう学びましたか?

など