顧客に読んでもらえるメルマガ作成のポイント|WD ONLINE

WD Online

もてなしを科学する「商庵」

顧客に読んでもらえるメルマガ作成のポイント 件名やコンテンツをどう考える?

『もてなしを科学する「商庵」』では、毎回寄せられるWebビジネスに関するお悩みに、マーケティング会社・mtc.(エムティーシー)の代表である岡崎徹氏が独自のメソッドを紹介しながら答えていきます。

今回のお悩み>>メールマガジンによるマーケティングがあまり効果がなくなってきたので、SNSでの発信をがんばりたいです。何から手をつけるべきでしょうか。(続編)

この度はもてなしを科学する「商庵」にお越しくださいまして、ありがとうございます。さて、前回に引き続き、メルマガの話題です。
 

効果的なメルマガ作成で押さえておくべき基本ポイント

前回もお話ししたように、メルマガはコンテンツマーケティングとして捉えるべきです。
 

自社のブログを思い返していただくとわかりやすいですが、「ブログの見出し=メルマガ件名」「ブログの本文=メルマガのコンテンツ」と置き換えられます。KPIについても「インプレッションに対しての訪問数=開封数」「UUに対してのCV数=メルマガ経由のCV数」となります。見出しで興味を引き、本文で気持ちを動かす発想はメルマガも同じです。
 

では、どのようにメルマガを作成すればいいのでしょうか。ここからは私があまり外で話したことのない内容になりますが、少しだけそのコツをお話させていただきます。
 

メルマガは、興味喚起してWebサイトに誘導するための「コンテンツ」と、そのコンテンツに誘導するための「件名」で成立します。特にメルマガへの入り口であり、開封率を左右する「件名」はとても大事な役割があります。どんなに優れたコンテンツであっても、見てもらうことが出来なければ何の意味もありません。
 

件名を考える際のポイントは、「不特定多数をターゲットにしない」「自分ゴト化させる」「受け手のメールボックスを想像する」の3点です。すべて重要なのですが、意外と考えられていないというか、むしろほとんど話題に上がらないのが「受け手のメールボックスを想像する」こと。よく自分のメールボックスを思い返してみてください。自社のメルマガが埋もれていませんか? そう、埋もれてるんです! うまく目立つ件名をつけるのは難しい作業ですが、お客様の気持ちになって考えてみるだけでも、きっと今までとは違った件名が思いつくでしょう。
 

メルマガで意識すべき5つの構成要素

メルマガのコンテンツは下記で構成されます。
 

1. ヘッダ  メルマガが何者であるかを意識づける
2. ヘッダーバナー  メルマガの趣旨を端的に伝える
3. メインコンテンツ  顧客の興味喚起を狙う
4. サブコンテンツ  メインに興味のない顧客に対してのアプローチを狙う 
5. フッタ  補足、注意事項、宣言部分

それぞれの構成要素に意味があり、すべて顧客をWebサイトに遷移させる重要なファクターになります。最初に注意すべきは「件名」との親和性です。親和性がないと、顧客は騙されたような気がして、そのサービス自体を信用できなくなってしまうことがあります。ヘッダ、ヘッダバナーでは、必ず意識してください。
 

そして次にメインコンテンツの数です。よく何でも詰め込み放題のチラシのようなメルマガを見ます。ほとんどの場合、意図せず作成されているように思えますが、これは担当者のエゴです。受け取った人の時間は限られています。そこに統一性のない煩雑なものが届いた場合、果たして見てもらえるでしょうか? シンプルにお客様が求めるものを伝えて、Webサイトに遷移してもらう。これこそがメインコンテンツの役割だと考えるべきです。
 

最後に、コンテンツマーケティングの究極系として、mtc.では「いつ(時間)」「誰に(セグメント)」「何を(コンテンツ)」「どのように(チャネル)」「どのくらい(頻度)」といったことを意識しています。どんなに時間をかけてコンテンツをつくり込んでも、顧客が気に入らなければ振り向いてもらえません。まずは独りよがりのコンテンツをやめるところから始めてみませんか。


本連載の次回の公開予定は2021/2/20(木)。第4回もお楽しみに!

岡崎 徹

株式会社mtc.(https://mat-c.com)代表取締役。私立志學館高等学校(鹿児島県)/立教大学を卒業後、SIerに入社。汎用機を中心としたシステムのエンジニアとして従事。ZOZOTOWNを運営する株式会社スタートトゥデイに入社。入社後4年間はサーバーサイド・クライアントサイド両方をSEとして、BtoBの立ち上げや倉庫の立ち上げ、サイトリニューアル等を中心となって担当。CRM部署立ち上げに伴ってマーケティング部署に異動。マーケティング部長としてCFMという独自のCRM理論を展開し、ZOZOTOWNの売り上げの3分の1を持つ、世に類をみないCFMシステムをスクラッチで創りあげた。日本のCRMを世界に発信することを使命に2017年3月に合同会社mtc.を創業し、代表に就任。現在は、経営戦略~CRM支援やマーケティングセミナーの登壇等、幅広く活動している。