2020.08.20
メルマガ施策、本当にやりきっていますか? メールマーケティングのKPIや役割を再考しよう
『もてなしを科学する「商庵」』では、毎回寄せられるWebビジネスに関するお悩みに、マーケティング会社・mtc.(エムティーシー)の代表である岡崎徹氏が独自のメソッドを紹介しながら答えていきます。
今回のお悩み>>メールマガジンによるマーケティングがあまり効果がなくなってきたので、SNSでの発信をがんばりたいです。何から手をつけるべきでしょうか。
この度はもてなしを科学する「商庵」にお越しくださいまして、ありがとうございます。主人の岡崎です。
さて、今回は「メルマガはあまり効果がなくなってきたので、SNSをがんばりたい」というご相談が寄せられていますが、まず逆にこの問いかけをさせてください。
「本当にメルマガをやり切ったといえますか? やり切った上で効果がないといっていますか?」
本気でやり切ったと言える方と、SNSマーケティングについて知りたい方は、以降スルーしていただいても大丈夫です(笑)。
メルマガにおける効果、測定するためのポイント
「開封率平均40%、平均CVR 8.0%、直接セッション内経由売上 全体売り上げの30%超、オプトアウト率0.03%」 この数値を見て「普通だな」と思われた方は、メルマガを本当にやり切った方です。今度、ぜひ情報共有しましょう(笑)。 もしこの数値に興味が湧いた方は、引き続きお付き合いください。
メルマガの効果を考えるうえで、主なKPIは下記になります。
・売上:経由売上
・開封:配信数 、 到達数、開封数、 開封率
・クリック:クリック数 、クリック率
・CV:CV数、CV率
・解約:オプトアウト数 、オプトアウト率
ただ、このKPIをメールという一括りで捉えるのは少々難があります。メールコミュニケーションはざっくりと3種類に分けられるので、覚えておきましょう。
・マスメール:メルマガ取得者全員に配信されるメール
・セグメントメール:メルマガ取得者の中から一部の人を抽出して配信されるメール
・パーソナライズドメール:一人ひとりの条件に合った内容で配信されるメール
この3種類は数値の傾向に極端に差が出るため、別々に計測をする必要があります。例えば、開封率は、マスメールだと平均25%前後になることが多いですが、パーソナライズドメールでは平均60%前後になります。そもそも配信数も大きく違うので、種類を混在させた上で平均を取ってしまうと、マスメールの数値に引っ張られてしまい、ミスリードする可能性が出てしまいますよね。
メルマガも結局はコンテンツマーケティング
そもそもメルマガの役割とはなんでしょう。さまざまな考え方があるかと思いますが、私は「メルマガ単体」で考えた場合、「流入を促すこと」のみだと思っています。CVRを高めるのが目的だとしても、メルマガから先の設計をコントロールできない状況では、メルマガの純粋な効果が測りにくいです。「メルマガの問題ではなく、流入先のWebサイトのUIとUXが悪い」という結論になってしまうこともよくあるので、開封率とクリック率にフォーカスして、「流入を促すこと」を徹底的に考えるべきだと思います。
しかし、実際のところ、売上まで考えなくてはならないケースが多いのも事実です。その場合、「メルマガ単体」で考えることはできず、その先のサイト側まで巻き込んだ一連の流れをつくらなくてはなりません。そこで重要になってくるのがメルマガの先にあるLPの存在です。メルマガの内容をよりリッチにし、そして購入してもらうための強い衝動を起こすためにLPは存在します。この2つはセットで考えるべきであり、こうなってくると、測るべきメルマガの効果は「メルマガ経由の売上」となります。
ここまでの話で勘の鋭い方は、「おや? 何かに似ているな」と感じるかもしれません。
「興味のある言葉でコンテンツへ誘導→興味のあるコンテンツからサイト流入→より購買を促す直接的なLPの用意」 この一連の流れは、メルマガだけでなく、広告やSNSに関しても同じです。私たちはこれを広義のコンテンツマーケティングという風に解釈しています。メルマガもその他の施策と同じく、コンテンツマーケティングとしてどう効果を上げていくか考えていといいでしょう。
こうなっていくると、「具体的にどうすればメルマガの効果を上げられるか」が気になるところだと思います。恐れ入りますが、これは次回のお話とさせてください。それでは、またお会いしましょう。
本連載の次回の公開予定は2020/10/20(火)。第3回目もお楽しみに!