2019.03.06
大事な情報を速く安定した環境で届けるために 投稿できる職員が10倍に、投稿までの時間が10分の1
東京工科大学は近年、雪や台風などの緊急時に情報発信をするサイトや学生ポータルサイトを、更新作業が簡単なWordPressへと移行した。その結果、どの職員でも更新ができ、発信速度と業務効率が大きく改善されたという。
東京工科大学緊急用お知らせサイト
松本憲太郎
東京工科大学 八王子キャンパス事務局 業務課
大竹新治
東京工科大学 八王子キャンパス事務局 業務課
更新が困難なCMSに四苦八苦
東京の八王子と蒲田にキャンパスを構える東京工科大学では、15年ほど前からCMSを利用している。スマホ対応とSEO強化のため、4~5年前に新しいCMSへ移行してから、ある問題を抱えていた。同校業務課の松本憲太郎さんは、こう話す。
「本学では、高校生や一般の方などに向けた『公式サイト』と、学生向けの情報を発信する『学生ポータルサイト』があります。公式サイトの方でSEOを強化したかったことと、グラフィカルな表現ができるということで、商用のCMSを利用するようになりました。学生ポータルサイトもついでに同じCMSを使うことになったのですが、このCMSが高機能ゆえに操作が難しくて、更新が困難だったのです」
公式サイトは、Web制作会社と学内の1人のWeb担当者が問題なく運用している。しかし学生ポータルサイトでは、授業の休講情報、教室変更、落し物、アルバイト情報などさまざまな情報を頻繁に、かつ迅速に投稿する必要があるため、できるだけ担当職員が直接投稿できる方が望ましかった。業務課の大竹新治さんは、こう話す。
「その商用CMSの使い方は、1~2日かけてみっちり専門知識を覚えてもらう必要がありました。でも覚えた人が部署異動などをしていくうちに、使い方をわかっている2~3人に更新を依頼するという感じになってしまって、私もそのうちの1人で、就業時間終了間際に頼まれ、急遽残業することもありました」
緊急性を伴う情報を別のCMSへと切り分け
それまでは公式サイト内で公開していた、台風や大雪といった緊急時の休講情報なども、迅速に情報発信したいものの一つだった。そのため、2016年9月から「緊急用お知らせサイト」だけを切り分けてWordPressで構築し、更新をスムーズにできるようにした。
「公式サイトに情報を掲載するには、学内の別の部署のWeb担当者に依頼するという手順が必要だったので、タイミングがあわないとなかなか公開できないということがありました。遠方から通われている学生も多いので、雪や台風などの際は早く情報を掲載しないと、学生たちが授業開始時間を目指して出発してしまうため、そこだけでも担当職員がすぐに更新できるようにしたかったのです」(松本さん)
このサイトは、特別にWebのリテラシーが高い人でなくても、更新ができるようになった。
「管理画面を見て、一度やり方を教えるだけでみんなわかるので、マニュアルもつくっていないですね。Wordを扱えれば使えます」(松本さん)
公共交通機関の運休時や業務時間外でも、すぐに更新できる業務体制も整えた。
「担当者にはタブレットを持たせ、学外からでも投稿できるようにしています。休講などを判断する責任者から、サイトを担当する4~5人のチームへとメールが流れ、その中ですぐに対応できる者が投稿します」(松本さん)
現在は、在校生だけでなく、受験票にこのサイトのQRコードを載せることで、受験生への緊急時の連絡にも活用されている。