2024.06.12
香落ちは下手が大変?香落ちをとがめる定跡を詳しく解説!
香落ちはあまり馴染みがなく、定跡を知らないという方も多いのではないでしょうか。
上手が先に指す分、香落ちのとがめ方を知らなければ、むしろ平手より下手が大変と言えます。
そこで今回は、香落ちの定跡を、動く盤面を使いながら解説します。
初心者の方でも分かりやすく学べる内容になっています。
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皆さんこんにちは。
本記事では、「駒落ち」の指し方をご紹介します。
詳しくは、2023年4月24日に発売の『【新装版】駒落ち定跡』(所司和晴)にも載っていますので、チェックしてみてくださいね。
※本稿は、所司和晴著『【新装版】駒落ち定跡』の内容をもとに編集部が再構成したものです。
2人の棋力に差があるときに、ハンディとして使う駒を減らす(落とす)ことがあります。
使う駒を減らす方(将棋が強い方)を上手(うわて)、全部の駒を使って指す方(将棋が弱い方)を下手(したて)と言います。
香落ちは上手が左香を落とした手合いです。

香落ちは駒落ちの中で下手と上手の差が最も少ない将棋です。
上手が先に指す分、香落ちのとがめ方を知らなければ、むしろ平手より下手が大変と言えます。
香落ちでは上手の左香がないので、玉を右へ囲うため必然的に振り飛車になります。
対して下手は平手と同じように進めると損です。
1筋の歩を突いていき、玉を囲った後、早い時期に▲1四歩△同歩▲同香と端を攻める指し方が香落ちの定跡手順です。
まずは今回解説する定跡を最初から最後まで見ていきましょう。
理解を深めるため、定跡通りに動く盤面を用意しました。
どのようにして下手が上手玉を追い詰めるのか、華麗な手順をご覧ください。
ここからは先ほどの定跡を細かく分け、各局面の手の意味を解説していきます。
先ほど同様、動く盤面を使いながら読み進めてください。
また、定跡とは別の手を指されたときはどうすればいいのか(変化手順)も解説しています。
変化手順も動く盤面に反映させていますので、必要に応じて使ってみてくださいね。
9 一 8 二 7 三 6 四 5 五 4 六 3 七 2 八 1 九 香 桂 銀 金 玉 金 銀 桂 飛 角 歩 歩 歩 歩 歩 歩 歩 歩 歩 歩 歩 歩 歩 歩 歩 歩 歩 歩 角 飛 香 桂 銀 金 玉 金 銀 桂 香 し な 手 下 し な 手 上
初手の△3四歩には▲7六歩が基本です。
▲2六歩では△5四歩とされる複雑な変化があります。
▲7六歩にたいして上手は玉を右に囲うので△4四歩とし、振り飛車を目指します。
本定跡では△3二飛とまわって三間飛車を採用してきました。
香落ちは"捌きの将棋"と言われます。
そのためには三間飛車が最も適しているのです。
9 一 8 二 7 三 6 四 5 五 4 六 3 七 2 八 1 九 香 桂 銀 金 玉 金 銀 桂 飛 角 歩 歩 歩 歩 歩 歩 歩 歩 歩 歩 歩 歩 歩 歩 歩 歩 歩 歩 角 飛 香 桂 銀 金 玉 金 銀 桂 香 し な 手 下 し な 手 上
△3二飛に下手はすぐ▲2五歩を決めます。
保留して▲1六歩(変化1)では△3五歩▲2五歩△3四飛と石田流に組まれて損です。
下手は、上手の弱点である端を直接狙い、▲1六歩から▲1五歩とします。
9 一 8 二 7 三 6 四 5 五 4 六 3 七 2 八 1 九 香 桂 銀 金 玉 金 桂 銀 飛 歩 歩 歩 歩 歩 角 歩 歩 歩 歩 歩 歩 歩 歩 歩 歩 歩 歩 歩 角 飛 香 桂 銀 金 玉 金 銀 桂 香 し な 手 下 し な 手 上
互いに玉を囲い、陣形を整備します。
途中、上手の△3五歩は将来の捌き合いのために必要な手です。
下手は▲5八金右までで舟囲いを完成させました。
対して上手は△5二金左と上がりましたが、ここがポイント。
つまり、上手に6一金の離れ駒があるので、下手にとっては仕掛けのチャンスなのです。
△5二金左の局面で仕掛けずに▲5六歩(変化2)と駒組みを進めていると、△7二銀と締まられ、仕掛けにくくなり下手損です。
9 一 8 二 7 三 6 四 5 五 4 六 3 七 2 八 1 九 香 桂 銀 金 桂 玉 金 銀 飛 歩 歩 歩 歩 歩 角 歩 歩 歩 歩 歩 歩 歩 歩 歩 歩 歩 歩 歩 角 玉 金 銀 飛 香 桂 銀 金 桂 香 し な 手 下 し な 手 上
下手は▲1四歩△同歩▲同香と仕掛けます。
このように1筋を攻めないと香落ちの得があまり生きません。
▲1四同香に対して△7二銀(変化3)では、▲1八飛△1五歩▲2四歩△同角▲1一香成で下手良しです。
先ほども言いましたが香落ちは捌きの将棋。
上手は△3六歩と突き捨てて捌きやすくします。
▲3六同歩(変化4)なら△1五角と飛び出します。
以下▲1八飛なら、△2六角あるいは△4八角成▲同金△3六飛でいずれも一局です。
下手も捌きやすくするため▲2四歩と突き捨てておきます。
9 一 8 二 7 三 6 四 5 五 4 六 3 七 2 八 1 九 香 桂 銀 金 桂 玉 金 銀 飛 歩 歩 歩 歩 歩 角 歩 歩 香 歩 歩 歩 歩 歩 歩 歩 角 玉 金 銀 飛 香 桂 銀 金 桂 二 歩 手 下 二 歩 手 上
互いに飛車先を突き捨てたあと、上手は△1三歩と打ちます。
目につく△4五歩(変化5)は、▲1一香成があるので無理なさばきになります。
▲1八飛に対し、△1二歩(変化6)は▲1四歩△2五桂▲1三歩成で、本定跡とほぼ同様の進行になります。
△1二飛(変化7)には▲1四飛でなく▲1四歩として、△2五桂に▲1六飛で下手十分です。
以下△1一香には▲2三歩の調子です。
9 一 8 二 7 三 6 四 5 五 4 六 3 七 2 八 1 九 香 桂 銀 金 玉 金 銀 飛 歩 歩 歩 歩 歩 角 龍 歩 歩 桂 歩 歩 歩 歩 歩 歩 歩 角 玉 金 銀 香 桂 銀 金 桂 三 歩 手 下 歩 香 手 上
香損ながら竜を作って下手はっきり優勢に見えますが、△4五歩から上手も捌いて形勢はまだ微差です。
▲3三角成で▲6六歩(変化8)は、△5五角で下手大変になります。
角交換後、▲2四竜が正しい指し手で、▲3三同竜(変化9)△同銀▲3一飛は△5一角の辛抱で下手大変です。
▲2四竜に対して△3六飛の他では△3七歩(変化10)が有力な変化。
しかし▲2五竜△3八歩成▲5九銀で下手有利です。
以下△4九とは▲6八銀右で手が続きません。
△3七歩▲2五竜に代えて▲3七同桂(変化11)は△同桂成▲同銀△5五角で難しいです。
9 一 8 二 7 三 6 四 5 五 4 六 3 七 2 八 1 九 香 桂 銀 金 玉 金 銀 歩 歩 歩 歩 歩 歩 龍 歩 歩 歩 歩 歩 歩 玉 金 銀 龍 香 桂 銀 金 桂 四 歩 桂 角 手 下 二 歩 香 角 手 上
△3八飛成の局面では下手やや有利ですが、次の一手は難しいところ。
▲3九歩(変化12)は△1八竜▲4四桂△6二金寄▲3二桂成△5一銀と進み、下手が歩を使えない攻めなので、竜と持ち角と成桂の3枚では上手陣を攻め切れない感じです。
また、▲3三歩(変化13)は△3一歩で、やはり難しい将棋です。
本定跡では▲3四歩とします。
こうして将来、と金を作る切れない攻めを狙います。
△2六歩に代えて△2八歩(変化14)は、▲3七桂と手順に逃げて下手良しです。
▲3二桂成で切れない攻めになりました。
9 一 8 二 7 三 6 四 5 五 4 六 3 七 2 八 1 九 香 桂 銀 金 玉 金 銀 成 桂 歩 歩 歩 歩 歩 歩 歩 龍 歩 歩 歩 歩 歩 歩 歩 玉 金 銀 龍 香 桂 銀 金 桂 三 歩 角 手 下 歩 香 角 手 上
△4三銀に代えて△5一銀(変化15)には▲3三歩成とし、次に▲4二とを見せて下手良しです。
△4三銀▲3三歩成に△3二銀(変化16)なら▲同とで下手十分。
以下△3二同竜は▲3四歩です。
▲2一竜に△6五銀(変化17)は▲4三角がぴったりの好打となります。
△2九竜にすぐ▲3九歩(変化18)もありますが、△3八歩が間に合うと下手不満です。
本定跡では▲4二ととしてと金の活用を望みます。
これで下手が有利です。
▲4二と以下△8四香(変化19)なら、ここで▲3九歩の調子です。
△8六桂(変化20)も▲6八玉で大丈夫です。
ここまでお読みいただきありがとうございました!
以上が香落ち定跡の一部です。
詳しくは、2023年4月24日発売の『【新装版】駒落ち定跡』(所司和晴)に載っています。
本書ではほかにも、「角落ち」や「飛車落ち」などの戦い方も解説しています。
ぜひ本書を読んで、駒落ちをマスターしてください! 限定記事や限定動画など特典が盛り沢山!将棋情報局ゴールドメンバーご入会はこちらから
皆さんこんにちは。
本記事では、「駒落ち」の指し方をご紹介します。
詳しくは、2023年4月24日に発売の『【新装版】駒落ち定跡』(所司和晴)にも載っていますので、チェックしてみてくださいね。
※本稿は、所司和晴著『【新装版】駒落ち定跡』の内容をもとに編集部が再構成したものです。
目次
1 香落ちとは?
2 香落ちの定跡を見てみよう
3 定跡を詳しく解説!
3-1 下手は居飛車が基本-初手~5手目まで-
3-2 下手、端を狙う-6手目~10手目まで-
3-3 仕掛けのチャンス-11手目~19手目まで-
3-4 互いに歩を突き捨てる-20手目~26手目まで-
3-5 ▲1八飛が有力-27手目~32手目まで-
3-6 正着は▲2四竜-33手目~39手目まで-
3-7 と金を作る切れない攻め-40手目~44手目まで-
3-8 と金の活用で下手有利-45手目~50手目まで-
4 駒落ち定跡を体系的に学ぶならこの本がおすすめ
1 香落ちとは?
2 香落ちの定跡を見てみよう
3 定跡を詳しく解説!
3-1 下手は居飛車が基本-初手~5手目まで-
3-2 下手、端を狙う-6手目~10手目まで-
3-3 仕掛けのチャンス-11手目~19手目まで-
3-4 互いに歩を突き捨てる-20手目~26手目まで-
3-5 ▲1八飛が有力-27手目~32手目まで-
3-6 正着は▲2四竜-33手目~39手目まで-
3-7 と金を作る切れない攻め-40手目~44手目まで-
3-8 と金の活用で下手有利-45手目~50手目まで-
4 駒落ち定跡を体系的に学ぶならこの本がおすすめ
香落ちとは?
2人の棋力に差があるときに、ハンディとして使う駒を減らす(落とす)ことがあります。
使う駒を減らす方(将棋が強い方)を上手(うわて)、全部の駒を使って指す方(将棋が弱い方)を下手(したて)と言います。
香落ちは上手が左香を落とした手合いです。

香落ちは駒落ちの中で下手と上手の差が最も少ない将棋です。
上手が先に指す分、香落ちのとがめ方を知らなければ、むしろ平手より下手が大変と言えます。
香落ちでは上手の左香がないので、玉を右へ囲うため必然的に振り飛車になります。
対して下手は平手と同じように進めると損です。
1筋の歩を突いていき、玉を囲った後、早い時期に▲1四歩△同歩▲同香と端を攻める指し方が香落ちの定跡手順です。
香落ちの定跡を見てみよう
まずは今回解説する定跡を最初から最後まで見ていきましょう。
理解を深めるため、定跡通りに動く盤面を用意しました。
どのようにして下手が上手玉を追い詰めるのか、華麗な手順をご覧ください。
定跡を詳しく解説
ここからは先ほどの定跡を細かく分け、各局面の手の意味を解説していきます。
先ほど同様、動く盤面を使いながら読み進めてください。
また、定跡とは別の手を指されたときはどうすればいいのか(変化手順)も解説しています。
変化手順も動く盤面に反映させていますので、必要に応じて使ってみてくださいね。
下手は居飛車が基本-初手~5手目まで-
開始局面
1 ☖3四歩
2 ☗7六歩
3 ☖4四歩
4 ☗2六歩
5 ☖3二飛
初手の△3四歩には▲7六歩が基本です。
▲2六歩では△5四歩とされる複雑な変化があります。
▲7六歩にたいして上手は玉を右に囲うので△4四歩とし、振り飛車を目指します。
本定跡では△3二飛とまわって三間飛車を採用してきました。
香落ちは"捌きの将棋"と言われます。
そのためには三間飛車が最も適しているのです。
下手、端を狙う-6手目~10手目まで-
開始局面
1 ☖3四歩
2 ☗7六歩
3 ☖4四歩
4 ☗2六歩
5 ☖3二飛
*6 ☗2五歩 ☗1六歩
7 ☖3三角
8 ☗1六歩
9 ☖4二銀
10 ☗1五歩
△3二飛に下手はすぐ▲2五歩を決めます。
保留して▲1六歩(変化1)では△3五歩▲2五歩△3四飛と石田流に組まれて損です。
下手は、上手の弱点である端を直接狙い、▲1六歩から▲1五歩とします。
仕掛けのチャンス-11手目~19手目まで-
開始局面
1 ☖3四歩
2 ☗7六歩
3 ☖4四歩
4 ☗2六歩
5 ☖3二飛
6 ☗2五歩
7 ☖3三角
8 ☗1六歩
9 ☖4二銀
10 ☗1五歩
11 ☖6二玉
12 ☗4八銀
13 ☖7二玉
14 ☗6八玉
15 ☖3五歩
16 ☗7八玉
17 ☖8二玉
18 ☗5八金右
19 ☖5二金左
*20 ☗5六歩
21 ☖7二銀
互いに玉を囲い、陣形を整備します。
途中、上手の△3五歩は将来の捌き合いのために必要な手です。
下手は▲5八金右までで舟囲いを完成させました。
対して上手は△5二金左と上がりましたが、ここがポイント。
つまり、上手に6一金の離れ駒があるので、下手にとっては仕掛けのチャンスなのです。
△5二金左の局面で仕掛けずに▲5六歩(変化2)と駒組みを進めていると、△7二銀と締まられ、仕掛けにくくなり下手損です。
互いに歩を突き捨てる-20手目~26手目まで-
開始局面
1 ☖3四歩
2 ☗7六歩
3 ☖4四歩
4 ☗2六歩
5 ☖3二飛
6 ☗2五歩
7 ☖3三角
8 ☗1六歩
9 ☖4二銀
10 ☗1五歩
11 ☖6二玉
12 ☗4八銀
13 ☖7二玉
14 ☗6八玉
15 ☖3五歩
16 ☗7八玉
17 ☖8二玉
18 ☗5八金右
19 ☖5二金左
20 ☗1四歩
21 ☖同 歩
22 ☗同 香
*23 ☖3六歩 ☖7二銀
*24 ☗2四歩 ☗同 歩
25 ☖同 歩
26 ☗3六歩
下手は▲1四歩△同歩▲同香と仕掛けます。
このように1筋を攻めないと香落ちの得があまり生きません。
▲1四同香に対して△7二銀(変化3)では、▲1八飛△1五歩▲2四歩△同角▲1一香成で下手良しです。
先ほども言いましたが香落ちは捌きの将棋。
上手は△3六歩と突き捨てて捌きやすくします。
▲3六同歩(変化4)なら△1五角と飛び出します。
以下▲1八飛なら、△2六角あるいは△4八角成▲同金△3六飛でいずれも一局です。
下手も捌きやすくするため▲2四歩と突き捨てておきます。
▲1八飛が有力-27手目~32手目まで-
開始局面
1 ☖3四歩
2 ☗7六歩
3 ☖4四歩
4 ☗2六歩
5 ☖3二飛
6 ☗2五歩
7 ☖3三角
8 ☗1六歩
9 ☖4二銀
10 ☗1五歩
11 ☖6二玉
12 ☗4八銀
13 ☖7二玉
14 ☗6八玉
15 ☖3五歩
16 ☗7八玉
17 ☖8二玉
18 ☗5八金右
19 ☖5二金左
20 ☗1四歩
21 ☖同 歩
22 ☗同 香
23 ☖3六歩
24 ☗2四歩
25 ☖同 歩
26 ☗3六歩
*27 ☖1三歩 ☖4五歩
28 ☗同 香成
29 ☖同 桂
30 ☗1八飛
*31 ☖2五桂 ☖1二飛 ☖1二歩
32 ☗1三飛成
互いに飛車先を突き捨てたあと、上手は△1三歩と打ちます。
目につく△4五歩(変化5)は、▲1一香成があるので無理なさばきになります。
▲1八飛に対し、△1二歩(変化6)は▲1四歩△2五桂▲1三歩成で、本定跡とほぼ同様の進行になります。
△1二飛(変化7)には▲1四飛でなく▲1四歩として、△2五桂に▲1六飛で下手十分です。
以下△1一香には▲2三歩の調子です。
正着は▲2四竜-33手目~39手目まで-
開始局面
1 ☖3四歩
2 ☗7六歩
3 ☖4四歩
4 ☗2六歩
5 ☖3二飛
6 ☗2五歩
7 ☖3三角
8 ☗1六歩
9 ☖4二銀
10 ☗1五歩
11 ☖6二玉
12 ☗4八銀
13 ☖7二玉
14 ☗6八玉
15 ☖3五歩
16 ☗7八玉
17 ☖8二玉
18 ☗5八金右
19 ☖5二金左
20 ☗1四歩
21 ☖同 歩
22 ☗同 香
23 ☖3六歩
24 ☗2四歩
25 ☖同 歩
26 ☗3六歩
27 ☖1三歩
28 ☗同 香成
29 ☖同 桂
30 ☗1八飛
31 ☖2五桂
32 ☗1三飛成
33 ☖4五歩
34 ☗3三角成 ☗6六歩
35 ☖同 飛
36 ☗2四龍 ☗同 龍
37 ☖3六飛 ☖3七歩
38 ☗2五龍
39 ☖3八飛成
香損ながら竜を作って下手はっきり優勢に見えますが、△4五歩から上手も捌いて形勢はまだ微差です。
▲3三角成で▲6六歩(変化8)は、△5五角で下手大変になります。
角交換後、▲2四竜が正しい指し手で、▲3三同竜(変化9)△同銀▲3一飛は△5一角の辛抱で下手大変です。
▲2四竜に対して△3六飛の他では△3七歩(変化10)が有力な変化。
しかし▲2五竜△3八歩成▲5九銀で下手有利です。
以下△4九とは▲6八銀右で手が続きません。
△3七歩▲2五竜に代えて▲3七同桂(変化11)は△同桂成▲同銀△5五角で難しいです。
と金を作る切れない攻め-40手目~44手目まで-
開始局面
1 ☖3四歩
2 ☗7六歩
3 ☖4四歩
4 ☗2六歩
5 ☖3二飛
6 ☗2五歩
7 ☖3三角
8 ☗1六歩
9 ☖4二銀
10 ☗1五歩
11 ☖6二玉
12 ☗4八銀
13 ☖7二玉
14 ☗6八玉
15 ☖3五歩
16 ☗7八玉
17 ☖8二玉
18 ☗5八金右
19 ☖5二金左
20 ☗1四歩
21 ☖同 歩
22 ☗同 香
23 ☖3六歩
24 ☗2四歩
25 ☖同 歩
26 ☗3六歩
27 ☖1三歩
28 ☗同 香成
29 ☖同 桂
30 ☗1八飛
31 ☖2五桂
32 ☗1三飛成
33 ☖4五歩
34 ☗3三角成
35 ☖同 飛
36 ☗2四龍
37 ☖3六飛
38 ☗2五龍
39 ☖3八飛成
*40 ☗3四歩 ☗3九歩 ☗3三歩
*41 ☖2六歩 ☖2八歩
42 ☗4四桂
43 ☖6二金寄
44 ☗3二桂成
△3八飛成の局面では下手やや有利ですが、次の一手は難しいところ。
▲3九歩(変化12)は△1八竜▲4四桂△6二金寄▲3二桂成△5一銀と進み、下手が歩を使えない攻めなので、竜と持ち角と成桂の3枚では上手陣を攻め切れない感じです。
また、▲3三歩(変化13)は△3一歩で、やはり難しい将棋です。
本定跡では▲3四歩とします。
こうして将来、と金を作る切れない攻めを狙います。
△2六歩に代えて△2八歩(変化14)は、▲3七桂と手順に逃げて下手良しです。
▲3二桂成で切れない攻めになりました。
と金の活用で下手有利-45手目~50手目まで-
開始局面
1 ☖3四歩
2 ☗7六歩
3 ☖4四歩
4 ☗2六歩
5 ☖3二飛
6 ☗2五歩
7 ☖3三角
8 ☗1六歩
9 ☖4二銀
10 ☗1五歩
11 ☖6二玉
12 ☗4八銀
13 ☖7二玉
14 ☗6八玉
15 ☖3五歩
16 ☗7八玉
17 ☖8二玉
18 ☗5八金右
19 ☖5二金左
20 ☗1四歩
21 ☖同 歩
22 ☗同 香
23 ☖3六歩
24 ☗2四歩
25 ☖同 歩
26 ☗3六歩
27 ☖1三歩
28 ☗同 香成
29 ☖同 桂
30 ☗1八飛
31 ☖2五桂
32 ☗1三飛成
33 ☖4五歩
34 ☗3三角成
35 ☖同 飛
36 ☗2四龍
37 ☖3六飛
38 ☗2五龍
39 ☖3八飛成
40 ☗3四歩
41 ☖2六歩
42 ☗4四桂
43 ☖6二金寄
44 ☗3二桂成
*45 ☖4三銀 ☖5一銀
46 ☗3三歩成
*47 ☖5四銀 ☖3二銀
48 ☗2一龍
*49 ☖2九龍 ☖6五銀
*50 ☗4二と ☗3九歩
*51 ☖8四香 ☖8六桂
52 ☗3九歩
△4三銀に代えて△5一銀(変化15)には▲3三歩成とし、次に▲4二とを見せて下手良しです。
△4三銀▲3三歩成に△3二銀(変化16)なら▲同とで下手十分。
以下△3二同竜は▲3四歩です。
▲2一竜に△6五銀(変化17)は▲4三角がぴったりの好打となります。
△2九竜にすぐ▲3九歩(変化18)もありますが、△3八歩が間に合うと下手不満です。
本定跡では▲4二ととしてと金の活用を望みます。
これで下手が有利です。
▲4二と以下△8四香(変化19)なら、ここで▲3九歩の調子です。
△8六桂(変化20)も▲6八玉で大丈夫です。
駒落ち定跡を体系的に学ぶならこの本がおすすめ
ここまでお読みいただきありがとうございました!
以上が香落ち定跡の一部です。
詳しくは、2023年4月24日発売の『【新装版】駒落ち定跡』(所司和晴)に載っています。
本書ではほかにも、「角落ち」や「飛車落ち」などの戦い方も解説しています。
ぜひ本書を読んで、駒落ちをマスターしてください! 限定記事や限定動画など特典が盛り沢山!将棋情報局ゴールドメンバーご入会はこちらから
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