2024.06.07
飛車香落ちってどんな手合い?飛車香落ちの定跡を詳しく解説!
飛車香落ちは上手が飛車と左側の香を落とした手合いです。
2枚落ちと飛車落ちの中間の手合いですが、定跡を把握していないと、飛車落ちと同じような戦いになり、下手は損をします。
そこで今回は、飛車香落ちの定跡を、動く盤面を使いながら解説します。
初心者の方でも分かりやすく学べる内容になっています。
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皆さんこんにちは。
本記事では、「駒落ち」の指し方をご紹介します。
詳しくは、2023年4月24日に発売の『【新装版】駒落ち定跡』(所司和晴)にも載っていますので、チェックしてみてくださいね。
※本稿は、所司和晴著『【新装版】駒落ち定跡』の内容をもとに編集部が再構成したものです。
2人の棋力に差があるときに、ハンディとして使う駒を減らす(落とす)ことがあります。
使う駒を減らす方(将棋が強い方)を上手(うわて)、全部の駒を使って指す方(将棋が弱い方)を下手(したて)と言います。
飛車香落ちは上手が飛車と左側の香を落とした手合い割です。

2枚落ちと飛車落ちとの中間の手合い割ですが、実際は飛車落ちに近いと言えます。
飛車香落ちの定跡を知らないと、ほとんど飛車落ちと同じような戦いになり、下手は損をします。
飛車香落ちの場合、必ずと言ってよいほど、下手は上手の香が1つない弱点を突いて攻めます。
飛車で1筋を歩を切ってから▲1二歩と垂らし、他の駒を繰り出して端を破る指し方です。
まずは今回解説する定跡を最初から最後まで見ていきましょう。
理解を深めるため、定跡通りに動く盤面を用意しました。
どのようにして下手が上手玉を追い詰めるのか、華麗な手順をご覧ください。
ここからは先ほどの定跡を細かく分け、各局面の手の意味を解説していきます。
先ほど同様、動く盤面を使いながら読み進めてください。
また、定跡とは別の手を指されたときはどうすればいいのか(変化手順)も解説しています。
変化手順も動く盤面に反映させていますので、必要に応じて使ってみてくださいね。
飛車香落ちは2枚落ちと違い、上手に大駒の角があるので反撃力はかなりのものになります。
そのかわりに香車が1つないので、その弱点を突いて指すことが大切です。
互いに角道を開けあった後、上手は△4四歩と角道を止めます。
角交換する形は上手の方が駒組みの制約を受けてつらいのです。
下手は▲1六歩から▲1五歩と端歩を突きます。
上手の香車がない欠陥を突く手で、この歩を突かないと飛車落ちと同じような展開になり下手が損をします。
そして▲1八飛と端に飛車を回ります。
これが飛車香落ち独特の一手です。
この後1筋の歩を飛車で切り、▲1二歩と垂らして攻めていくのが定跡です。
上手は△6二玉と戦場から遠ざかりますが、▲1四歩以下すぐに端の歩を切ります。
△7二玉に対する▲4八銀が腰掛け銀定跡を目指した手です。
△6二玉に代えて△5四歩(変化1)もあります。
△5四歩に対しては、1筋の歩交換は保留して、▲4八銀△6二銀▲4六歩△5三銀▲4七銀△6四銀▲5六銀と、腰掛け銀を間に合わせます。
先に1筋の歩を切ると1手遅れるため、▲4七銀の瞬間に△5五歩とされる可能性が生じます。
上手の△5四歩に、下手は▲4六歩~▲4七銀~▲5六銀と腰掛け銀に組みます。
上手は△6二銀~△5三銀と4筋を強化します。
▲6八玉に代えて▲4五歩(変化2)と仕掛けるのは、△6二金とされて下手動きすぎです。
△6二金に▲7八玉から▲5八金右まで、下手は玉を安定させます。
上手は△3五歩と伸ばし、下手の右桂の捌きを押さえますが、この歩を突かれなくても下手は右桂を無理に使う必要はありません。
参考図は右桂を跳ねた一例ですが、桂頭が負担で逆に下手大変です。

将棋は飛車角銀桂の4枚で攻めるのが理想とされていますが、飛車香落ちの場合は、1九の香と敵陣に垂らす▲1二歩が加わるので、桂まで活用しようとすると攻めに時間がかかりすぎてしまいます。
攻め駒は4枚がいいのです。
▲4八飛と右四間飛車に回ります。
4筋と1筋を絡めて攻めるのが狙いです。
▲6八金上の後の下手▲1二歩が飛車香落ちのポイントともいうべき、仕掛け前の大切な一手。
本定跡では▲4八飛と回りましたが、1八飛のまま▲6八金上(変化3)として、△3三角に▲1二歩△7四角▲4五歩と仕掛ける指し方もあります。
△4五同歩には▲1一歩成で下手よしです。
したがって、△5三金▲4四歩△同金▲4五歩△5五金の展開が予想されます。
△7四歩に下手は▲4五歩と仕掛けます。
▲3三角成△同桂に▲6六歩と突くのが渋い一手。
これは△5五歩に▲6七銀と好形に引くためです。
▲6七銀と好形に引いた下手は▲1一歩成のと金の活用を楽しみにします。
上手の△3六歩▲同歩△4六歩は、▲同飛なら△2八角の狙いです。
下手は構わず▲1一歩成。 遅いようでも「と金の遅早」で十分間に合います。
焦って飛車成りを急ぐ▲1八飛(変化4)は、△4七角という上手の強手があり、逆に大変です。 ▲4七同金は△同歩成▲1三飛成△4五桂で下手苦戦です。
また、単に▲1三飛成(変化5)も△2九角成で下手大変です。
上手は△3七歩で、将来のと金攻めや△3八角を狙ってきます。
対して下手は▲1八飛として飛車の成り込みを目指します。
▲1八飛に代えて▲4六飛(変化6)と歩を取り、△4四金に▲3五歩として次に▲1六飛を狙うのも有力です。
△3八角には慌てて飛車を成らずに▲4八歩。受けるべきところはしっかり受けます。
△2九角成では△4九角成(変化7)もありますが、▲1三飛成△3八歩成に▲1五角と攻防に利かせて下手良しです。
上手の△4八とは狙いの攻め。合わせて、一歩を入手しての受けも考えています。
代えて△3七桂成(変化8)では▲3一とが強烈で上手敗勢です。
下手の▲4八同金は絶対の一手ですが、続く△4七歩成には手抜いて▲3一とで攻め合います。
△4八とで金を取られても、駒に当たっていないからです。
△1一歩は竜筋をそらす手筋です。
対して▲1一同竜はこの一手。
ここは間違って▲2一竜(変化9)とすると△4二金▲4一とのとき△3二銀となって、下手大変です。
▲1一同竜と取って上手から技はかかりません。
△5二金寄に対して、▲5一とから▲6一角と強引に打って、と金を玉に近づけようとします。 △6一同金▲同ととなれば下手勝勢です。
△8二玉と頑張りますが、▲2二竜と攻めます。
▲2二竜に代えて▲4三角成(変化10)△同金▲5二とも有力です。
△5二同金なら▲6一竜△5三金寄▲7二銀で決まります。
△7二金(変化11)なら、▲6一竜△8四角▲8五銀△7三角▲7四銀△4八とに、▲6三銀成が好手です。
以下△同金▲同竜で下手優勢です。
この局面では上手は歩切れのために、うまい受けがありません。
△7三玉としましたが、▲8三角成が狙いの一手。
△8三同玉に▲6二竜として下手勝勢です。
△7三玉に代えて、いくつかの手がありますが、
△7三角と受けましたが、上手の持ち駒の角桂は受け駒としてあまり役に立ちません。
▲7一竜で下手必勝です。
次の▲8一竜が受かりません。
△7三角以外だと
で下手勝勢です。
変化15の▲4三竜は受けにも役立っており、△5七桂成▲同金△4七との筋を消しています。
▲9一竜の局面では、次に▲8六香が厳しく、歩切れの上手は受けがありません。
△5七桂成と歩を入手しつつ攻め合いますが、下手はそれでも▲8六香と打ちます。
そして△8四歩に▲9五桂が狙いの決め手。
△9五同歩よりなく、▲9四金△7二玉▲6一竜まで、即詰みです。
飛車香落ちは、飛車で1筋の歩を切って▲1二歩と垂らし、▲4五歩の仕掛けから▲1一歩成とと金を作り、このと金と成り込んだ飛車の協力で上手陣を攻めていくのがコツです。
ここまでお読みいただきありがとうございました!
以上が飛車香落ち定跡の一部です。
詳しくは、2023年4月24日発売の『【新装版】駒落ち定跡』(所司和晴)に載っています。
本書ではほかにも、「角落ち」や「香落ち」などの戦い方も解説しています。
ぜひ本書を読んで、駒落ちをマスターしてください! 限定記事や限定動画など特典が盛り沢山!将棋情報局ゴールドメンバーご入会はこちらから
皆さんこんにちは。
本記事では、「駒落ち」の指し方をご紹介します。
詳しくは、2023年4月24日に発売の『【新装版】駒落ち定跡』(所司和晴)にも載っていますので、チェックしてみてくださいね。
※本稿は、所司和晴著『【新装版】駒落ち定跡』の内容をもとに編集部が再構成したものです。
目次
1 飛車香落ちとは?
2 飛車香落ちの定跡を見てみよう
3 定跡を詳しく解説!
3-1 下手、端に飛車を回る-初手~8手目まで-
3-2 飛車で端の歩を切る-9手目~16手目まで-
3-3 下手腰掛け銀-17手目~24手目まで-
3-4 右桂は使わない-25手目~31手目まで-
3-5 仕掛ける前に▲1二歩-32手目~36手目まで-
3-6 単に▲1一歩成も有力-37手目~44手目まで-
3-7 と金の活用-45手目~50手目まで-
3-8 飛車を成り込む-51手目~58手目まで-
3-9 金取りを手抜いて攻め合い-59手目~66手目まで-
3-10 と金を玉に近づける-67手目~72手目まで-
3-11 上手、歩切れがつらい-73手目~76手目まで-
3-12 上手、角桂だけでは受けがない-77手目~82手目まで-
3-13 上手玉は即詰み-83手目~90手目まで-
4 駒落ち定跡を体系的に学ぶならこの本がおすすめ
1 飛車香落ちとは?
2 飛車香落ちの定跡を見てみよう
3 定跡を詳しく解説!
3-1 下手、端に飛車を回る-初手~8手目まで-
3-2 飛車で端の歩を切る-9手目~16手目まで-
3-3 下手腰掛け銀-17手目~24手目まで-
3-4 右桂は使わない-25手目~31手目まで-
3-5 仕掛ける前に▲1二歩-32手目~36手目まで-
3-6 単に▲1一歩成も有力-37手目~44手目まで-
3-7 と金の活用-45手目~50手目まで-
3-8 飛車を成り込む-51手目~58手目まで-
3-9 金取りを手抜いて攻め合い-59手目~66手目まで-
3-10 と金を玉に近づける-67手目~72手目まで-
3-11 上手、歩切れがつらい-73手目~76手目まで-
3-12 上手、角桂だけでは受けがない-77手目~82手目まで-
3-13 上手玉は即詰み-83手目~90手目まで-
4 駒落ち定跡を体系的に学ぶならこの本がおすすめ
飛車香落ちとは?
2人の棋力に差があるときに、ハンディとして使う駒を減らす(落とす)ことがあります。
使う駒を減らす方(将棋が強い方)を上手(うわて)、全部の駒を使って指す方(将棋が弱い方)を下手(したて)と言います。
飛車香落ちは上手が飛車と左側の香を落とした手合い割です。

2枚落ちと飛車落ちとの中間の手合い割ですが、実際は飛車落ちに近いと言えます。
飛車香落ちの定跡を知らないと、ほとんど飛車落ちと同じような戦いになり、下手は損をします。
飛車香落ちの場合、必ずと言ってよいほど、下手は上手の香が1つない弱点を突いて攻めます。
飛車で1筋を歩を切ってから▲1二歩と垂らし、他の駒を繰り出して端を破る指し方です。
飛車香落ちの定跡を見てみよう
まずは今回解説する定跡を最初から最後まで見ていきましょう。
理解を深めるため、定跡通りに動く盤面を用意しました。
どのようにして下手が上手玉を追い詰めるのか、華麗な手順をご覧ください。
定跡を詳しく解説
ここからは先ほどの定跡を細かく分け、各局面の手の意味を解説していきます。
先ほど同様、動く盤面を使いながら読み進めてください。
また、定跡とは別の手を指されたときはどうすればいいのか(変化手順)も解説しています。
変化手順も動く盤面に反映させていますので、必要に応じて使ってみてくださいね。
下手、端に飛車を回る-初手~8手目まで-
飛車香落ちは2枚落ちと違い、上手に大駒の角があるので反撃力はかなりのものになります。
そのかわりに香車が1つないので、その弱点を突いて指すことが大切です。
互いに角道を開けあった後、上手は△4四歩と角道を止めます。
角交換する形は上手の方が駒組みの制約を受けてつらいのです。
下手は▲1六歩から▲1五歩と端歩を突きます。
上手の香車がない欠陥を突く手で、この歩を突かないと飛車落ちと同じような展開になり下手が損をします。
そして▲1八飛と端に飛車を回ります。
これが飛車香落ち独特の一手です。
この後1筋の歩を飛車で切り、▲1二歩と垂らして攻めていくのが定跡です。
飛車で端の歩を切る-9手目~16手目まで-
上手は△6二玉と戦場から遠ざかりますが、▲1四歩以下すぐに端の歩を切ります。
△7二玉に対する▲4八銀が腰掛け銀定跡を目指した手です。
△6二玉に代えて△5四歩(変化1)もあります。
△5四歩に対しては、1筋の歩交換は保留して、▲4八銀△6二銀▲4六歩△5三銀▲4七銀△6四銀▲5六銀と、腰掛け銀を間に合わせます。
先に1筋の歩を切ると1手遅れるため、▲4七銀の瞬間に△5五歩とされる可能性が生じます。
下手腰掛け銀-17手目~24手目まで-
上手の△5四歩に、下手は▲4六歩~▲4七銀~▲5六銀と腰掛け銀に組みます。
上手は△6二銀~△5三銀と4筋を強化します。
▲6八玉に代えて▲4五歩(変化2)と仕掛けるのは、△6二金とされて下手動きすぎです。
右桂は使わない-25手目~31手目まで-
△6二金に▲7八玉から▲5八金右まで、下手は玉を安定させます。
上手は△3五歩と伸ばし、下手の右桂の捌きを押さえますが、この歩を突かれなくても下手は右桂を無理に使う必要はありません。
参考図は右桂を跳ねた一例ですが、桂頭が負担で逆に下手大変です。

将棋は飛車角銀桂の4枚で攻めるのが理想とされていますが、飛車香落ちの場合は、1九の香と敵陣に垂らす▲1二歩が加わるので、桂まで活用しようとすると攻めに時間がかかりすぎてしまいます。
攻め駒は4枚がいいのです。
仕掛ける前に▲1二歩-32手目~36手目まで-
▲4八飛と右四間飛車に回ります。
4筋と1筋を絡めて攻めるのが狙いです。
▲6八金上の後の下手▲1二歩が飛車香落ちのポイントともいうべき、仕掛け前の大切な一手。
本定跡では▲4八飛と回りましたが、1八飛のまま▲6八金上(変化3)として、△3三角に▲1二歩△7四角▲4五歩と仕掛ける指し方もあります。
△4五同歩には▲1一歩成で下手よしです。
したがって、△5三金▲4四歩△同金▲4五歩△5五金の展開が予想されます。
落ち着いた一手▲6六歩-37手目~44手目まで-
△7四歩に下手は▲4五歩と仕掛けます。
▲3三角成△同桂に▲6六歩と突くのが渋い一手。
これは△5五歩に▲6七銀と好形に引くためです。
と金の活用-45手目~50手目まで-
▲6七銀と好形に引いた下手は▲1一歩成のと金の活用を楽しみにします。
上手の△3六歩▲同歩△4六歩は、▲同飛なら△2八角の狙いです。
下手は構わず▲1一歩成。 遅いようでも「と金の遅早」で十分間に合います。
焦って飛車成りを急ぐ▲1八飛(変化4)は、△4七角という上手の強手があり、逆に大変です。 ▲4七同金は△同歩成▲1三飛成△4五桂で下手苦戦です。
また、単に▲1三飛成(変化5)も△2九角成で下手大変です。
飛車を成り込む-51手目~58手目まで-
上手は△3七歩で、将来のと金攻めや△3八角を狙ってきます。
対して下手は▲1八飛として飛車の成り込みを目指します。
▲1八飛に代えて▲4六飛(変化6)と歩を取り、△4四金に▲3五歩として次に▲1六飛を狙うのも有力です。
△3八角には慌てて飛車を成らずに▲4八歩。受けるべきところはしっかり受けます。
△2九角成では△4九角成(変化7)もありますが、▲1三飛成△3八歩成に▲1五角と攻防に利かせて下手良しです。
金取りを手抜いて攻め合い-59手目~66手目まで-
上手の△4八とは狙いの攻め。合わせて、一歩を入手しての受けも考えています。
代えて△3七桂成(変化8)では▲3一とが強烈で上手敗勢です。
下手の▲4八同金は絶対の一手ですが、続く△4七歩成には手抜いて▲3一とで攻め合います。
△4八とで金を取られても、駒に当たっていないからです。
△1一歩は竜筋をそらす手筋です。
対して▲1一同竜はこの一手。
ここは間違って▲2一竜(変化9)とすると△4二金▲4一とのとき△3二銀となって、下手大変です。
▲1一同竜と取って上手から技はかかりません。
と金を玉に近づける-67手目~72手目まで-
△5二金寄に対して、▲5一とから▲6一角と強引に打って、と金を玉に近づけようとします。 △6一同金▲同ととなれば下手勝勢です。
△8二玉と頑張りますが、▲2二竜と攻めます。
▲2二竜に代えて▲4三角成(変化10)△同金▲5二とも有力です。
△5二同金なら▲6一竜△5三金寄▲7二銀で決まります。
△7二金(変化11)なら、▲6一竜△8四角▲8五銀△7三角▲7四銀△4八とに、▲6三銀成が好手です。
以下△同金▲同竜で下手優勢です。
上手、歩切れがつらい-73手目~76手目まで-
この局面では上手は歩切れのために、うまい受けがありません。
△7三玉としましたが、▲8三角成が狙いの一手。
△8三同玉に▲6二竜として下手勝勢です。
△7三玉に代えて、いくつかの手がありますが、
①△3二桂(変化12)は▲4三角成△同金▲3二竜
②△5二桂(変化13)は▲4四歩△同銀(または△同金)▲5二と
③△7三銀(変化14)は▲4三角成△同金▲6一と△7二金▲7一銀
いずれも下手が優勢です。
②△5二桂(変化13)は▲4四歩△同銀(または△同金)▲5二と
③△7三銀(変化14)は▲4三角成△同金▲6一と△7二金▲7一銀
上手、持ち駒が角桂だけでは受けがない-77手目~82手目まで
△7三角と受けましたが、上手の持ち駒の角桂は受け駒としてあまり役に立ちません。
▲7一竜で下手必勝です。
次の▲8一竜が受かりません。
△7三角以外だと
①△7二角(変化15)は▲7一金
②△7三銀(変化16)は▲5三竜△4八と▲4三竜△3七桂成▲6一と
②△7三銀(変化16)は▲5三竜△4八と▲4三竜△3七桂成▲6一と
で下手勝勢です。
変化15の▲4三竜は受けにも役立っており、△5七桂成▲同金△4七との筋を消しています。
上手玉は即詰み-83手目~90手目まで
▲9一竜の局面では、次に▲8六香が厳しく、歩切れの上手は受けがありません。
△5七桂成と歩を入手しつつ攻め合いますが、下手はそれでも▲8六香と打ちます。
そして△8四歩に▲9五桂が狙いの決め手。
△9五同歩よりなく、▲9四金△7二玉▲6一竜まで、即詰みです。
飛車香落ちは、飛車で1筋の歩を切って▲1二歩と垂らし、▲4五歩の仕掛けから▲1一歩成とと金を作り、このと金と成り込んだ飛車の協力で上手陣を攻めていくのがコツです。
駒落ち定跡を体系的に学ぶならこの本がおすすめ
ここまでお読みいただきありがとうございました!
以上が飛車香落ち定跡の一部です。
詳しくは、2023年4月24日発売の『【新装版】駒落ち定跡』(所司和晴)に載っています。
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