6枚落ちの時はどうすればいい?端を攻略する定跡を詳しく紹介!|将棋情報局

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6枚落ちの時はどうすればいい?端を攻略する定跡を詳しく紹介!

8枚落ちを卒業した人が、次にチャレンジする手合いが6枚落ちです。
上手の駒が増えているので、8枚落ちの定跡は通用しません。
そこで今回は6枚落ちの定跡を、動く盤面を使いながら解説します。
初心者の方でも分かりやすく学べる内容になっています。

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駒落ち定跡記事一覧
Lv1.8枚落ち
Lv2.6枚落ち(今読んでいる記事)
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Lv4.2枚落ち
Lv5.飛車香落ち
Lv6.飛車落ち
Lv7.角落ち
Lv8.香落ち

皆さんこんにちは。

本記事では、「駒落ち」の指し方をご紹介します。
詳しくは、2023年4月24日に発売の『【新装版】駒落ち定跡』(所司和晴)にも載っていますので、チェックしてみてくださいね。

※本稿は、所司和晴著『【新装版】駒落ち定跡』の内容をもとに編集部が再構成したものです。
 

6枚落ちとは?

2人の棋力に差があるときに、ハンディとして使う駒を減らす(落とす)ことがあります。
使う駒を減らす方(将棋が強い方)を上手(うわて)、全部の駒を使って指す方(将棋が弱い方)を下手(したて)と言います。
6枚落ちは上手が飛車角と、桂香それぞれ2枚とも落として指す将棋です。

8枚落ちに比べると、上手陣に銀2枚加わるので、下手が棒銀で飛車先を破ろうとしても、簡単には破れません。
6枚落ちでは、上手陣の弱点は端になります。
桂香を落としているので、端に駒を集中すれば簡単に破ることが出来ます。
端から飛車を成り込み、と金を作って攻めていく順が理想です。

6枚落ちの定跡を見てみよう

まずは今回解説する定跡を最初から最後まで見ていきましょう。
理解を深めるため、定跡通りに動く盤面を用意しました。
どのようにして下手が上手玉を追い詰めるのか、華麗な手順をご覧ください。


定跡を詳しく解説

ここからは先ほどの定跡を細かく分け、各局面の手の意味を解説していきます。
先ほど同様、動く盤面を使いながら読み進めてください。
また、定跡とは別の手を指されたときはどうすればいいのか(変化手順)も解説しています。
変化手順も動く盤面に反映させていますので、必要に応じて使ってみてくださいね。

下手、端を攻める-初手~8手目まで-


6枚落ちは八枚落ちより上手に銀2枚を加えたものです。
6枚落ちの場合、2筋から8筋までは上手も金銀を上がれば、すぐ守れるので、8枚落ちに使った棒銀では簡単につぶせません。
6枚落ちは端が弱点なので、▲6六角~▲9六歩~▲9五歩と端を攻める準備をします。
▲6六角より先に▲9六歩(変化1)とすると、△8四歩とされます。
後から▲6六角としても△8三金で端を破りにくくなります。 これは損な指し方です。

△6四歩には▲5六歩-9手目~15手目まで-


上手が△6四歩と指してきた場合、あくまで角を9筋に利かすために、▲5六歩と突くのが重要です。
いきなり▲9四歩(変化2)△同歩▲同香は、△6五歩で角筋をそらされて失敗します。
角が逃げた後、△9三歩で香を取られてしまいます。
▲5六歩と突いておけば、△6五歩には▲5七角と引けるわけです。

下手は▲9四歩△同歩▲同香と、端を破って攻めます。

飛車を9筋から成り込む-16手目~20手目まで-


△8四歩は油断のならない手です。
タダだとばかり、▲8四同角(変化3)と取ってしまうと、△8三金と角香両取りに上がられて、失敗します。
かといって何もしないと△9三歩とされて香が死んでしまいます。
ゆえに▲9二香成が自然な一手となります。
△7三銀の逃げに▲9八飛。
9筋から飛車の成り込める形となりました。

△7三銀に代えて△8三銀(変化4)は、▲9八飛△9四歩▲9三成香で、次に▲9四成香があるので下手優勢です。

重要なと金作り-21手目~26手目まで-


▲8一成香がポイントの一手です。
先に▲9三飛成としたくなりますが、これは損な指し方です。
この後の下手の狙いは、定跡でも現れている通り、▲9四歩~▲9三歩成のと金攻めです。
先に▲9三飛成としてしまうと、▲9四歩と打っても自分の竜が邪魔で▲9三歩成ができません。
よって、▲8一成香としてスペースを空けてから▲9二飛成とし、スムーズに▲9四歩からのと金作りを目指すのが急所です。

▲9二飛成に上手は△6三玉と竜筋をかわして受けます。
△6三玉のかわりに△6二金(変化5)としても、▲9四歩~▲9三歩成とと金を作り、▲8三とを目指します。
こうして攻め駒を増やしていくのが安全で確実です。

成香を活用する-27手目~34手目まで-



▲9三歩成を実現し、下手は優勢を拡大していきます。
と金をつくるのは非常に効率がいい攻め。
相手に渡っても歩なので、このと金で上手の金銀と交換していけば、下手は金駒が入り、上手は受ける駒がなくなるというわけです。
定跡では▲9三歩成に△6五歩ですが、代わりに△4二金(変化6)▲8三と△6二金と進んだ場合は、じっと▲7一成香と活用します。
慌てて▲7三とと銀を取らず、次に▲7二成香を狙います。
竜とと金と成香の3つの駒を協力させて攻めます。

角も活用して寄せ切る-35手目~最終手まで-



△5五歩の代わりに△5二金右(変化7)と逃げるのは、▲7三成香△同銀▲7二竜△6四玉▲7三竜までの詰みがあります。
また△5二金左(変化8)と守りにつけるのは、▲8四角と活用し、力をためるのがいいでしょう。
以下、△5五歩に▲同歩△同銀▲7三と△5四玉▲6二成香と、ボロボロ駒を取って下手が勝てます。
△5五歩から上手は粘りに出ますが、下手は角を活用して寄せ切ります。
▲4六銀に対して
①△5六玉(詰み手順1)は▲5七金まで
②△5四玉(詰み手順2)は▲5五金△6三玉▲7二竜まで
で詰んでいます。

駒落ち定跡を体系的に学ぶならこの本がおすすめ

ここまでお読みいただきありがとうございました!
以上が6枚落ち定跡の一部です。

詳しくは、2023年4月24日発売の『【新装版】駒落ち定跡』(所司和晴)に載っています。
本書ではほかにも、「4枚落ち」や「2枚落ち」などの戦い方も解説しています。
ぜひ本書を読んで、駒落ちをマスターしてください! お得で気軽に参加できる将棋大会『第6回 将棋情報局最強戦オンライン』11月13日開催! エントリー受付中
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