2024.06.11
角落ちは飛車落ちより大変?代表的な定跡である下手矢倉定跡を詳しく解説!
角落ちは上手に飛車という最強の駒があるので、積極的に攻めてくることもしばしばです。
激しい攻め合いの展開も多く、寄せ合いの速度計算をしっかりしなければいけません。
そこで今回は、角落ちの定跡を、動く盤面を使いながら解説します。
初心者の方でも分かりやすく学べる内容になっています。
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皆さんこんにちは。
本記事では、「駒落ち」の指し方をご紹介します。
詳しくは、2023年4月24日に発売の『【新装版】駒落ち定跡』(所司和晴)にも載っていますので、チェックしてみてくださいね。
※本稿は、所司和晴著『【新装版】駒落ち定跡』の内容をもとに編集部が再構成したものです。
2人の棋力に差があるときに、ハンディとして使う駒を減らす(落とす)ことがあります。
使う駒を減らす方(将棋が強い方)を上手(うわて)、全部の駒を使って指す方(将棋が弱い方)を下手(したて)と言います。
角落ちは上手が角を落とした手合いです。

飛車落ちと違い上手に飛車という最強の駒があるので、積極的に攻めてくることもしばしばです。
そこで下手は受けの力もかなり必要になってきます。
また、激しい攻め合いの展開も多く、寄せ合いの速度計算をしっかりしなければいけません。
やはり飛車落ちより大変な手合い割と言えるでしょう。
まずは今回解説する定跡を最初から最後まで見ていきましょう。
理解を深めるため、定跡通りに動く盤面を用意しました。
どのようにして下手が上手玉を追い詰めるのか、華麗な手順をご覧ください。
ここからは先ほどの定跡を細かく分け、各局面の手の意味を解説していきます。
先ほど同様、動く盤面を使いながら読み進めてください。
また、定跡とは別の手を指されたときはどうすればいいのか(変化手順)も解説しています。
変化手順も動く盤面に反映させていますので、必要に応じて使ってみてくださいね。
9 一 8 二 7 三 6 四 5 五 4 六 3 七 2 八 1 九 香 桂 銀 金 玉 金 銀 桂 香 飛 歩 歩 歩 歩 歩 歩 歩 歩 歩 歩 歩 歩 歩 歩 歩 歩 歩 歩 角 飛 香 桂 銀 金 玉 金 銀 桂 香 し な 手 下 し な 手 上
上手の初手△8四歩に▲7六歩は飛車先の歩を切らせないためにも当然の一手。
互いに飛車先を突くと下手だけ角がある分、かえって負担になります。
上手は△8五歩を決めました。
この手を保留して別の手を指してきた場合、下手は▲7八銀から▲7七銀と上がるのが良いでしょう。
以下▲7八玉型の早囲いや将来2、3筋の歩を角で手順に交換して手得を図る含みがあるからです。
本定跡の△6二銀に▲5八金右はすぐ上がらなくても良いのですが、早く中央を厚くする意味で堅実です。
▲5八金右に代えて▲7八銀(変化1)と上がり、居飛車か振り飛車かもう少し様子を見ながら指す手もあります。
9 一 8 二 7 三 6 四 5 五 4 六 3 七 2 八 1 九 香 桂 金 玉 金 銀 桂 香 飛 歩 歩 歩 銀 歩 歩 歩 歩 歩 歩 歩 歩 歩 歩 歩 角 歩 歩 歩 歩 金 飛 香 桂 銀 金 玉 銀 桂 香 し な 手 下 し な 手 上
△4二玉に代えて△6四銀(変化2)は、▲6七金で付け入るスキがありません。
この手で▲7八銀では、中央から動かれる可能性が出てきます。
本定跡では▲7八銀~▲7七銀で早く上部を厚くしておきます。
上手が飛車先の歩を早く突いた場合は、ほとんど右金を前線に繰り出してきます。
そこで、下手は早めに上部を固めておくのです。
飛車先の歩を突く手は後回しでよいでしょう。
9 一 8 二 7 三 6 四 5 五 4 六 3 七 2 八 1 九 香 桂 金 銀 桂 香 飛 金 玉 歩 歩 銀 歩 歩 歩 歩 歩 歩 歩 歩 歩 歩 歩 歩 銀 金 歩 歩 歩 歩 角 飛 香 桂 金 玉 銀 桂 香 し な 手 下 し な 手 上
上手は△7三金から右金を繰り出しますが、△6四歩に代えて△6四金(変化3)と上がる変化もあります。
この手は7筋の歩交換以外に5筋の歩交換を狙っています。
5筋の歩を交換し、▲5六歩△5四金の形になると上手好形です。
下手はなるべくその順を避けた方がいいでしょう。
△6四金以下▲4六歩と突き、△5五歩なら▲同歩△同金▲4七銀と対抗して、▲5八飛を含みに戦えば下手十分です。
本定跡の△8四金以下7筋の交換には、がっちり▲7六歩△7四金と金を追い返しておきます。
9 一 8 二 7 三 6 四 5 五 4 六 3 七 2 八 1 九 香 桂 金 銀 桂 香 飛 玉 歩 銀 歩 歩 歩 歩 金 歩 歩 歩 歩 歩 歩 歩 歩 銀 金 歩 歩 歩 歩 金 角 銀 飛 香 桂 玉 桂 香 し な 手 下 歩 手 上
ようやく下手は飛車先を突きます。
角落ちの矢倉定跡は、まず上部を厚くして矢倉を構築し、その後に飛車先の歩を突き、さらに玉を入城するという手順が安全で、無難な組み方です。
本定跡では△4四歩に▲4六歩と受けましたが、この歩はいま突かなくても構いません。
上手が△4五歩と位を取る手は△7四金とのバランスが悪く、良くありません。
▲4六歩を突かず、▲7九玉(変化4)~▲3六歩以下▲3七銀から3筋の歩を切る変化も下手非常に有力です。
9 一 8 二 7 三 6 四 5 五 4 六 3 七 2 八 1 九 香 桂 銀 桂 香 飛 金 玉 歩 銀 歩 歩 歩 金 歩 歩 歩 歩 歩 歩 歩 歩 歩 歩 歩 銀 金 歩 歩 金 角 銀 飛 香 桂 玉 桂 香 し な 手 下 歩 手 上
6筋を切って△6四金型に構えたのは、5筋交換なども狙い、攻防両用に金を使えるようにしたものです。
△6五歩に代えて△7三桂(変化5)として攻撃態勢が組みあがった好機に△6五歩▲同歩△同桂と戦う変化もあります。
△6四金に▲4七銀は、前にも触れたように中央を厚くする意味。
もし、これでも△5五歩(変化6)なら▲同歩△同金▲5八飛と反発して下手良しです。
以下△6四銀には▲6五歩の好手があり、上手困ります。
また、△5四金も▲5六銀と盛り上がり下手好形です。
9 一 8 二 7 三 6 四 5 五 4 六 3 七 2 八 1 九 香 桂 桂 香 飛 玉 銀 歩 銀 金 歩 歩 金 歩 歩 歩 歩 歩 歩 歩 歩 歩 歩 歩 歩 銀 金 銀 歩 金 角 飛 香 桂 玉 桂 香 し な 手 下 二 歩 手 上
▲2四歩の飛車先交換はいい時期。
次に△3三銀と上がられると、飛車先交換しにくくなります。
▲3七桂はあるものの、切れるときに歩を切る方が自然です。
△7三桂に▲8八玉と入城し、決戦間近になりました。
△9四歩に▲1六歩△1四歩で1筋を突き合ったあと、下手は9筋を受けずにここから先攻します。
9 一 8 二 7 三 6 四 5 五 4 六 3 七 2 八 1 九 香 桂 香 飛 玉 銀 桂 銀 金 歩 歩 金 歩 歩 歩 歩 歩 歩 歩 歩 歩 歩 歩 歩 歩 銀 金 銀 玉 金 角 飛 香 桂 桂 香 歩 手 下 二 歩 手 上
▲4五歩に代えて▲3七桂(変化7)も考えられますが、△3三桂と対抗されると、以下▲4五歩△同桂▲同桂△同歩▲3五歩△6五歩▲3四歩△8六歩▲同銀△7四桂と攻め合われて難しい形勢になります。
途中の△6五歩に代えて△3五同歩(変化8)▲同角△3四歩▲2六角と進めても、いつでも上手から△3五桂と押さえる手があり下手損です。
つまり桂交換は上手に利点が多いのです。
そういう理由で、▲3七桂を省略して仕掛けます。
9 一 8 二 7 三 6 四 5 五 4 六 3 七 2 八 1 九 香 桂 香 飛 玉 銀 桂 銀 金 歩 歩 金 歩 歩 歩 歩 歩 歩 歩 歩 角 歩 歩 歩 銀 金 銀 玉 金 飛 香 桂 桂 香 二 歩 手 下 三 歩 手 上
△6五歩に代えて△3三銀(変化9)は、▲3七桂△4四銀右に▲3六銀でも、▲4五桂でも支えきれません。
上手は△6五歩と攻め合いに活路を求めるよりなさそうです。
下手は手抜きで▲3七桂から▲3六銀と進めます。
▲3七桂に代えて▲6五同歩(変化10)は、△同桂▲6六銀△8六歩▲同歩△8五歩▲同歩△8六歩で下手大変です。
この後の上手の狙いは、△8五飛~△8七歩成▲同金△8六歩です。
本定跡の△6六歩に▲同金も最善手。
代えて▲同銀(変化11)は、やはり△8六歩から△8五歩があります。
9 一 8 二 7 三 6 四 5 五 4 六 3 七 2 八 1 九 香 香 飛 玉 銀 桂 銀 金 桂 歩 歩 金 歩 歩 歩 歩 歩 歩 金 歩 銀 角 歩 歩 歩 銀 桂 玉 金 飛 香 桂 香 三 歩 手 下 三 歩 手 上
△6五桂に対して、下手は銀を逃げません。
この攻めを利用し、▲6五同金~▲5七桂~▲4五桂左と激しく攻め立てて一手勝ちを目指します。
▲6五同金に代えて▲3五歩(変化12)も有力です。
次に▲3四歩が厳しく、上手は△3五同歩の一手。
以下▲同銀△3六歩▲4四歩△3七歩成▲同角の手順で下手十分です。
本定跡は△5六金と呼び込んでいるので、下手は攻めを緩めることができません。
9 一 8 二 7 三 6 四 5 五 4 六 3 七 2 八 1 九 香 香 飛 玉 銀 銀 金 桂 歩 歩 歩 歩 歩 歩 桂 歩 金 銀 角 歩 歩 歩 銀 桂 玉 金 飛 香 桂 香 四 歩 手 下 四 歩 金 手 上
▲4五桂左の局面は上手が受けづらいです。
△4四歩に代えて△4五同桂(変化13)は▲同桂あるいは▲同銀△5五金▲4四歩のいずれも下手好調。
また、△4四銀(変化14)も▲3三桂成△同銀上▲4五歩△5三銀▲2五桂打で4五歩の拠点が大きく、やはり下手優勢です。
▲2五桂打の意図は、△2四銀なら▲4四歩△同銀▲4五銀△同銀▲4四歩△4二金▲4五桂と攻める狙いです。
本定跡の△4四歩▲5三桂成△同金に▲3五歩でも十分ですが、歩頭に出る▲4五銀が先手を取って緩まず攻める好手。
9 一 8 二 7 三 6 四 5 五 4 六 3 七 2 八 1 九 香 香 飛 玉 銀 金 歩 歩 歩 歩 歩 歩 歩 桂 歩 金 角 歩 歩 歩 銀 玉 金 飛 香 桂 香 四 歩 桂 銀 手 下 三 歩 桂 銀 金 手 上
上手の△4三金はやむを得ません。
下手は▲3三歩からしつこく攻めます。
上手は△3三同銀に代えて△4二玉(変化15)と逃げたいのですが、▲3二銀でほどけません。
狙いは▲4三銀成△同玉▲5三金の詰みです。
以下は
▲3三歩△同銀▲同桂成△同金に代えて△同玉(変化17)は▲2五桂△4二玉▲4五歩で上手が負け筋に入ります。
9 一 8 二 7 三 6 四 5 五 4 六 3 七 2 八 1 九 香 香 飛 玉 銀 金 歩 歩 歩 歩 歩 歩 歩 歩 金 角 歩 歩 歩 銀 玉 金 飛 香 桂 香 三 歩 銀 金 手 下 四 歩 三 桂 銀 手 上
▲5三銀はやや甘いようですが、だいぶ金駒を取っているので、これで十分。 次に▲4四銀成や▲4四角が厳しい手です。
△4三玉に対して、下手は▲4二銀打と食いつきます。
上手は2枚換えでしのごうとしますが、▲8二飛の王手が厳しい形。
△5二桂に代えて△5二銀(変化18)も、▲6三金から▲5三歩で同様です。 また△5三玉(変化19)も▲6八飛で良いでしょう。
▲5三歩打とした局面は下手勝勢。 以下上手はどう応じても駒損になり、手順に寄せられます。
ここまでお読みいただきありがとうございました!
以上が角落ち定跡の一部です。
詳しくは、2023年4月24日発売の『【新装版】駒落ち定跡』(所司和晴)に載っています。
本書ではほかにも、「香落ち」などの戦い方も解説しています。
ぜひ本書を読んで、駒落ちをマスターしてください! 限定記事や限定動画など特典が盛り沢山!将棋情報局ゴールドメンバーご入会はこちらから
皆さんこんにちは。
本記事では、「駒落ち」の指し方をご紹介します。
詳しくは、2023年4月24日に発売の『【新装版】駒落ち定跡』(所司和晴)にも載っていますので、チェックしてみてくださいね。
※本稿は、所司和晴著『【新装版】駒落ち定跡』の内容をもとに編集部が再構成したものです。
目次
1 角落ちとは?
2 角落ちの定跡を見てみよう
3 定跡を詳しく解説!
3-1 △8五歩を決める形-初手~10手目まで-
3-2 早く上部を厚くする-11手目~18手目まで-
3-3 上手、金を繰り出す-19手目~29手目まで-
3-4 下手、ようやく飛車先を突く-30手目~34手目まで-
3-5 中央を厚くする▲4七銀-35手目~45手目まで-
3-6 下手入城、決戦迫る-46手目~55手目まで-
3-7 ▲3七桂を省いて仕掛ける-56手目~62手目まで-
3-8 △6五歩は相手にしない-63手目~68手目まで-
3-9 下手、激しく攻め立てる-69手目~74手目まで-
3-10 歩頭の銀捨て▲4五銀-75手目~80手目まで-
3-11 ▲3三歩からしつこく攻める-81手目~90手目まで-
3-12 手順の寄せで下手勝勢-91手目~100手目まで-
4 駒落ち定跡を体系的に学ぶならこの本がおすすめ
1 角落ちとは?
2 角落ちの定跡を見てみよう
3 定跡を詳しく解説!
3-1 △8五歩を決める形-初手~10手目まで-
3-2 早く上部を厚くする-11手目~18手目まで-
3-3 上手、金を繰り出す-19手目~29手目まで-
3-4 下手、ようやく飛車先を突く-30手目~34手目まで-
3-5 中央を厚くする▲4七銀-35手目~45手目まで-
3-6 下手入城、決戦迫る-46手目~55手目まで-
3-7 ▲3七桂を省いて仕掛ける-56手目~62手目まで-
3-8 △6五歩は相手にしない-63手目~68手目まで-
3-9 下手、激しく攻め立てる-69手目~74手目まで-
3-10 歩頭の銀捨て▲4五銀-75手目~80手目まで-
3-11 ▲3三歩からしつこく攻める-81手目~90手目まで-
3-12 手順の寄せで下手勝勢-91手目~100手目まで-
4 駒落ち定跡を体系的に学ぶならこの本がおすすめ
角落ちとは?
2人の棋力に差があるときに、ハンディとして使う駒を減らす(落とす)ことがあります。
使う駒を減らす方(将棋が強い方)を上手(うわて)、全部の駒を使って指す方(将棋が弱い方)を下手(したて)と言います。
角落ちは上手が角を落とした手合いです。

飛車落ちと違い上手に飛車という最強の駒があるので、積極的に攻めてくることもしばしばです。
そこで下手は受けの力もかなり必要になってきます。
また、激しい攻め合いの展開も多く、寄せ合いの速度計算をしっかりしなければいけません。
やはり飛車落ちより大変な手合い割と言えるでしょう。
角落ちの定跡を見てみよう
まずは今回解説する定跡を最初から最後まで見ていきましょう。
理解を深めるため、定跡通りに動く盤面を用意しました。
どのようにして下手が上手玉を追い詰めるのか、華麗な手順をご覧ください。
定跡を詳しく解説
ここからは先ほどの定跡を細かく分け、各局面の手の意味を解説していきます。
先ほど同様、動く盤面を使いながら読み進めてください。
また、定跡とは別の手を指されたときはどうすればいいのか(変化手順)も解説しています。
変化手順も動く盤面に反映させていますので、必要に応じて使ってみてくださいね。
△8五歩を決める形-初手~10手目まで-
開始局面
1 ☖8四歩
2 ☗7六歩
3 ☖8五歩
4 ☗7七角
5 ☖6二銀
*6 ☗5八金右 ☗7八銀
7 ☖5四歩
8 ☗5六歩
9 ☖5三銀
10 ☗6六歩
上手の初手△8四歩に▲7六歩は飛車先の歩を切らせないためにも当然の一手。
互いに飛車先を突くと下手だけ角がある分、かえって負担になります。
上手は△8五歩を決めました。
この手を保留して別の手を指してきた場合、下手は▲7八銀から▲7七銀と上がるのが良いでしょう。
以下▲7八玉型の早囲いや将来2、3筋の歩を角で手順に交換して手得を図る含みがあるからです。
本定跡の△6二銀に▲5八金右はすぐ上がらなくても良いのですが、早く中央を厚くする意味で堅実です。
▲5八金右に代えて▲7八銀(変化1)と上がり、居飛車か振り飛車かもう少し様子を見ながら指す手もあります。
早く上部を厚くする-11手目~18手目まで-
開始局面
1 ☖8四歩
2 ☗7六歩
3 ☖8五歩
4 ☗7七角
5 ☖6二銀
6 ☗5八金右
7 ☖5四歩
8 ☗5六歩
9 ☖5三銀
10 ☗6六歩
*11 ☖4二玉 ☖6四銀
12 ☗7八銀
13 ☖3二玉
14 ☗6七金
15 ☖6二金
16 ☗6八角
17 ☖7四歩
18 ☗7七銀
△4二玉に代えて△6四銀(変化2)は、▲6七金で付け入るスキがありません。
この手で▲7八銀では、中央から動かれる可能性が出てきます。
本定跡では▲7八銀~▲7七銀で早く上部を厚くしておきます。
上手が飛車先の歩を早く突いた場合は、ほとんど右金を前線に繰り出してきます。
そこで、下手は早めに上部を固めておくのです。
飛車先の歩を突く手は後回しでよいでしょう。
上手、金を繰り出す-19手目~29手目まで-
開始局面
1 ☖8四歩
2 ☗7六歩
3 ☖8五歩
4 ☗7七角
5 ☖6二銀
6 ☗5八金右
7 ☖5四歩
8 ☗5六歩
9 ☖5三銀
10 ☗6六歩
11 ☖4二玉
12 ☗7八銀
13 ☖3二玉
14 ☗6七金
15 ☖6二金
16 ☗6八角
17 ☖7四歩
18 ☗7七銀
19 ☖7三金
20 ☗4八銀
*21 ☖6四歩 ☖6四金
22 ☗7八金
23 ☖8四金
24 ☗6九玉
25 ☖7五歩
26 ☗同 歩
27 ☖同 金
28 ☗7六歩
29 ☖7四金
上手は△7三金から右金を繰り出しますが、△6四歩に代えて△6四金(変化3)と上がる変化もあります。
この手は7筋の歩交換以外に5筋の歩交換を狙っています。
5筋の歩を交換し、▲5六歩△5四金の形になると上手好形です。
下手はなるべくその順を避けた方がいいでしょう。
△6四金以下▲4六歩と突き、△5五歩なら▲同歩△同金▲4七銀と対抗して、▲5八飛を含みに戦えば下手十分です。
本定跡の△8四金以下7筋の交換には、がっちり▲7六歩△7四金と金を追い返しておきます。
下手、ようやく飛車先を突く-30手目~34手目まで-
開始局面
1 ☖8四歩
2 ☗7六歩
3 ☖8五歩
4 ☗7七角
5 ☖6二銀
6 ☗5八金右
7 ☖5四歩
8 ☗5六歩
9 ☖5三銀
10 ☗6六歩
11 ☖4二玉
12 ☗7八銀
13 ☖3二玉
14 ☗6七金
15 ☖6二金
16 ☗6八角
17 ☖7四歩
18 ☗7七銀
19 ☖7三金
20 ☗4八銀
21 ☖6四歩
22 ☗7八金
23 ☖8四金
24 ☗6九玉
25 ☖7五歩
26 ☗同 歩
27 ☖同 金
28 ☗7六歩
29 ☖7四金
30 ☗2六歩
31 ☖4二金
32 ☗2五歩
33 ☖4四歩
*34 ☗4六歩 ☗7九玉
ようやく下手は飛車先を突きます。
角落ちの矢倉定跡は、まず上部を厚くして矢倉を構築し、その後に飛車先の歩を突き、さらに玉を入城するという手順が安全で、無難な組み方です。
本定跡では△4四歩に▲4六歩と受けましたが、この歩はいま突かなくても構いません。
上手が△4五歩と位を取る手は△7四金とのバランスが悪く、良くありません。
▲4六歩を突かず、▲7九玉(変化4)~▲3六歩以下▲3七銀から3筋の歩を切る変化も下手非常に有力です。
中央を厚くする▲4七銀-35手目~45手目まで-
開始局面
1 ☖8四歩
2 ☗7六歩
3 ☖8五歩
4 ☗7七角
5 ☖6二銀
6 ☗5八金右
7 ☖5四歩
8 ☗5六歩
9 ☖5三銀
10 ☗6六歩
11 ☖4二玉
12 ☗7八銀
13 ☖3二玉
14 ☗6七金
15 ☖6二金
16 ☗6八角
17 ☖7四歩
18 ☗7七銀
19 ☖7三金
20 ☗4八銀
21 ☖6四歩
22 ☗7八金
23 ☖8四金
24 ☗6九玉
25 ☖7五歩
26 ☗同 歩
27 ☖同 金
28 ☗7六歩
29 ☖7四金
30 ☗2六歩
31 ☖4二金
32 ☗2五歩
33 ☖4四歩
34 ☗4六歩
*35 ☖6五歩 ☖7三桂
36 ☗同 歩
37 ☖同 金
38 ☗6六歩
39 ☖6四金
40 ☗4七銀
*41 ☖3四歩 ☖5五歩
42 ☗3六歩
43 ☖4三金
44 ☗7九玉
45 ☖2二銀
6筋を切って△6四金型に構えたのは、5筋交換なども狙い、攻防両用に金を使えるようにしたものです。
△6五歩に代えて△7三桂(変化5)として攻撃態勢が組みあがった好機に△6五歩▲同歩△同桂と戦う変化もあります。
△6四金に▲4七銀は、前にも触れたように中央を厚くする意味。
もし、これでも△5五歩(変化6)なら▲同歩△同金▲5八飛と反発して下手良しです。
以下△6四銀には▲6五歩の好手があり、上手困ります。
また、△5四金も▲5六銀と盛り上がり下手好形です。
下手入城、決戦迫る-46手目~55手目まで-
開始局面
1 ☖8四歩
2 ☗7六歩
3 ☖8五歩
4 ☗7七角
5 ☖6二銀
6 ☗5八金右
7 ☖5四歩
8 ☗5六歩
9 ☖5三銀
10 ☗6六歩
11 ☖4二玉
12 ☗7八銀
13 ☖3二玉
14 ☗6七金
15 ☖6二金
16 ☗6八角
17 ☖7四歩
18 ☗7七銀
19 ☖7三金
20 ☗4八銀
21 ☖6四歩
22 ☗7八金
23 ☖8四金
24 ☗6九玉
25 ☖7五歩
26 ☗同 歩
27 ☖同 金
28 ☗7六歩
29 ☖7四金
30 ☗2六歩
31 ☖4二金
32 ☗2五歩
33 ☖4四歩
34 ☗4六歩
35 ☖6五歩
36 ☗同 歩
37 ☖同 金
38 ☗6六歩
39 ☖6四金
40 ☗4七銀
41 ☖3四歩
42 ☗3六歩
43 ☖4三金
44 ☗7九玉
45 ☖2二銀
46 ☗2四歩
47 ☖同 歩
48 ☗同 飛
49 ☖2三歩
50 ☗2八飛
51 ☖7三桂
52 ☗8八玉
53 ☖9四歩
54 ☗1六歩
55 ☖1四歩
▲2四歩の飛車先交換はいい時期。
次に△3三銀と上がられると、飛車先交換しにくくなります。
▲3七桂はあるものの、切れるときに歩を切る方が自然です。
△7三桂に▲8八玉と入城し、決戦間近になりました。
△9四歩に▲1六歩△1四歩で1筋を突き合ったあと、下手は9筋を受けずにここから先攻します。
▲3七桂を省いて仕掛ける-56手目~62手目まで-
開始局面
1 ☖8四歩
2 ☗7六歩
3 ☖8五歩
4 ☗7七角
5 ☖6二銀
6 ☗5八金右
7 ☖5四歩
8 ☗5六歩
9 ☖5三銀
10 ☗6六歩
11 ☖4二玉
12 ☗7八銀
13 ☖3二玉
14 ☗6七金
15 ☖6二金
16 ☗6八角
17 ☖7四歩
18 ☗7七銀
19 ☖7三金
20 ☗4八銀
21 ☖6四歩
22 ☗7八金
23 ☖8四金
24 ☗6九玉
25 ☖7五歩
26 ☗同 歩
27 ☖同 金
28 ☗7六歩
29 ☖7四金
30 ☗2六歩
31 ☖4二金
32 ☗2五歩
33 ☖4四歩
34 ☗4六歩
35 ☖6五歩
36 ☗同 歩
37 ☖同 金
38 ☗6六歩
39 ☖6四金
40 ☗4七銀
41 ☖3四歩
42 ☗3六歩
43 ☖4三金
44 ☗7九玉
45 ☖2二銀
46 ☗2四歩
47 ☖同 歩
48 ☗同 飛
49 ☖2三歩
50 ☗2八飛
51 ☖7三桂
52 ☗8八玉
53 ☖9四歩
54 ☗1六歩
55 ☖1四歩
*56 ☗4五歩 ☗3七桂
57 ☖同 歩
58 ☗3五歩
59 ☖同 歩
60 ☗同 角
61 ☖3四歩
62 ☗2六角
▲4五歩に代えて▲3七桂(変化7)も考えられますが、△3三桂と対抗されると、以下▲4五歩△同桂▲同桂△同歩▲3五歩△6五歩▲3四歩△8六歩▲同銀△7四桂と攻め合われて難しい形勢になります。
途中の△6五歩に代えて△3五同歩(変化8)▲同角△3四歩▲2六角と進めても、いつでも上手から△3五桂と押さえる手があり下手損です。
つまり桂交換は上手に利点が多いのです。
そういう理由で、▲3七桂を省略して仕掛けます。
△6五歩は相手にしない-63手目~68手目まで-
開始局面
1 ☖8四歩
2 ☗7六歩
3 ☖8五歩
4 ☗7七角
5 ☖6二銀
6 ☗5八金右
7 ☖5四歩
8 ☗5六歩
9 ☖5三銀
10 ☗6六歩
11 ☖4二玉
12 ☗7八銀
13 ☖3二玉
14 ☗6七金
15 ☖6二金
16 ☗6八角
17 ☖7四歩
18 ☗7七銀
19 ☖7三金
20 ☗4八銀
21 ☖6四歩
22 ☗7八金
23 ☖8四金
24 ☗6九玉
25 ☖7五歩
26 ☗同 歩
27 ☖同 金
28 ☗7六歩
29 ☖7四金
30 ☗2六歩
31 ☖4二金
32 ☗2五歩
33 ☖4四歩
34 ☗4六歩
35 ☖6五歩
36 ☗同 歩
37 ☖同 金
38 ☗6六歩
39 ☖6四金
40 ☗4七銀
41 ☖3四歩
42 ☗3六歩
43 ☖4三金
44 ☗7九玉
45 ☖2二銀
46 ☗2四歩
47 ☖同 歩
48 ☗同 飛
49 ☖2三歩
50 ☗2八飛
51 ☖7三桂
52 ☗8八玉
53 ☖9四歩
54 ☗1六歩
55 ☖1四歩
56 ☗4五歩
57 ☖同 歩
58 ☗3五歩
59 ☖同 歩
60 ☗同 角
61 ☖3四歩
62 ☗2六角
*63 ☖6五歩 ☖3三銀
*64 ☗3七桂 ☗同 歩
65 ☖3三桂
66 ☗3六銀
67 ☖6六歩
*68 ☗同 金 ☗同 銀
△6五歩に代えて△3三銀(変化9)は、▲3七桂△4四銀右に▲3六銀でも、▲4五桂でも支えきれません。
上手は△6五歩と攻め合いに活路を求めるよりなさそうです。
下手は手抜きで▲3七桂から▲3六銀と進めます。
▲3七桂に代えて▲6五同歩(変化10)は、△同桂▲6六銀△8六歩▲同歩△8五歩▲同歩△8六歩で下手大変です。
この後の上手の狙いは、△8五飛~△8七歩成▲同金△8六歩です。
本定跡の△6六歩に▲同金も最善手。
代えて▲同銀(変化11)は、やはり△8六歩から△8五歩があります。
下手、激しく攻め立てる-69手目~74手目まで-
開始局面
1 ☖8四歩
2 ☗7六歩
3 ☖8五歩
4 ☗7七角
5 ☖6二銀
6 ☗5八金右
7 ☖5四歩
8 ☗5六歩
9 ☖5三銀
10 ☗6六歩
11 ☖4二玉
12 ☗7八銀
13 ☖3二玉
14 ☗6七金
15 ☖6二金
16 ☗6八角
17 ☖7四歩
18 ☗7七銀
19 ☖7三金
20 ☗4八銀
21 ☖6四歩
22 ☗7八金
23 ☖8四金
24 ☗6九玉
25 ☖7五歩
26 ☗同 歩
27 ☖同 金
28 ☗7六歩
29 ☖7四金
30 ☗2六歩
31 ☖4二金
32 ☗2五歩
33 ☖4四歩
34 ☗4六歩
35 ☖6五歩
36 ☗同 歩
37 ☖同 金
38 ☗6六歩
39 ☖6四金
40 ☗4七銀
41 ☖3四歩
42 ☗3六歩
43 ☖4三金
44 ☗7九玉
45 ☖2二銀
46 ☗2四歩
47 ☖同 歩
48 ☗同 飛
49 ☖2三歩
50 ☗2八飛
51 ☖7三桂
52 ☗8八玉
53 ☖9四歩
54 ☗1六歩
55 ☖1四歩
56 ☗4五歩
57 ☖同 歩
58 ☗3五歩
59 ☖同 歩
60 ☗同 角
61 ☖3四歩
62 ☗2六角
63 ☖6五歩
64 ☗3七桂
65 ☖3三桂
66 ☗3六銀
67 ☖6六歩
68 ☗同 金
69 ☖6五桂
*70 ☗同 金 ☗3五歩
71 ☖同 金
72 ☗5七桂
73 ☖5六金
74 ☗4五桂左
△6五桂に対して、下手は銀を逃げません。
この攻めを利用し、▲6五同金~▲5七桂~▲4五桂左と激しく攻め立てて一手勝ちを目指します。
▲6五同金に代えて▲3五歩(変化12)も有力です。
次に▲3四歩が厳しく、上手は△3五同歩の一手。
以下▲同銀△3六歩▲4四歩△3七歩成▲同角の手順で下手十分です。
本定跡は△5六金と呼び込んでいるので、下手は攻めを緩めることができません。
歩頭の銀捨て▲4五銀-75手目~80手目まで-
開始局面
1 ☖8四歩
2 ☗7六歩
3 ☖8五歩
4 ☗7七角
5 ☖6二銀
6 ☗5八金右
7 ☖5四歩
8 ☗5六歩
9 ☖5三銀
10 ☗6六歩
11 ☖4二玉
12 ☗7八銀
13 ☖3二玉
14 ☗6七金
15 ☖6二金
16 ☗6八角
17 ☖7四歩
18 ☗7七銀
19 ☖7三金
20 ☗4八銀
21 ☖6四歩
22 ☗7八金
23 ☖8四金
24 ☗6九玉
25 ☖7五歩
26 ☗同 歩
27 ☖同 金
28 ☗7六歩
29 ☖7四金
30 ☗2六歩
31 ☖4二金
32 ☗2五歩
33 ☖4四歩
34 ☗4六歩
35 ☖6五歩
36 ☗同 歩
37 ☖同 金
38 ☗6六歩
39 ☖6四金
40 ☗4七銀
41 ☖3四歩
42 ☗3六歩
43 ☖4三金
44 ☗7九玉
45 ☖2二銀
46 ☗2四歩
47 ☖同 歩
48 ☗同 飛
49 ☖2三歩
50 ☗2八飛
51 ☖7三桂
52 ☗8八玉
53 ☖9四歩
54 ☗1六歩
55 ☖1四歩
56 ☗4五歩
57 ☖同 歩
58 ☗3五歩
59 ☖同 歩
60 ☗同 角
61 ☖3四歩
62 ☗2六角
63 ☖6五歩
64 ☗3七桂
65 ☖3三桂
66 ☗3六銀
67 ☖6六歩
68 ☗同 金
69 ☖6五桂
70 ☗同 金
71 ☖同 金
72 ☗5七桂
73 ☖5六金
74 ☗4五桂左
*75 ☖4四歩 ☖同 桂 ☖4四銀
76 ☗5三桂成
77 ☖同 金
78 ☗4五銀
79 ☖同 桂
80 ☗同 桂
▲4五桂左の局面は上手が受けづらいです。
△4四歩に代えて△4五同桂(変化13)は▲同桂あるいは▲同銀△5五金▲4四歩のいずれも下手好調。
また、△4四銀(変化14)も▲3三桂成△同銀上▲4五歩△5三銀▲2五桂打で4五歩の拠点が大きく、やはり下手優勢です。
▲2五桂打の意図は、△2四銀なら▲4四歩△同銀▲4五銀△同銀▲4四歩△4二金▲4五桂と攻める狙いです。
本定跡の△4四歩▲5三桂成△同金に▲3五歩でも十分ですが、歩頭に出る▲4五銀が先手を取って緩まず攻める好手。
▲3三歩からしつこく攻める-81手目~90手目まで-
開始局面
1 ☖8四歩
2 ☗7六歩
3 ☖8五歩
4 ☗7七角
5 ☖6二銀
6 ☗5八金右
7 ☖5四歩
8 ☗5六歩
9 ☖5三銀
10 ☗6六歩
11 ☖4二玉
12 ☗7八銀
13 ☖3二玉
14 ☗6七金
15 ☖6二金
16 ☗6八角
17 ☖7四歩
18 ☗7七銀
19 ☖7三金
20 ☗4八銀
21 ☖6四歩
22 ☗7八金
23 ☖8四金
24 ☗6九玉
25 ☖7五歩
26 ☗同 歩
27 ☖同 金
28 ☗7六歩
29 ☖7四金
30 ☗2六歩
31 ☖4二金
32 ☗2五歩
33 ☖4四歩
34 ☗4六歩
35 ☖6五歩
36 ☗同 歩
37 ☖同 金
38 ☗6六歩
39 ☖6四金
40 ☗4七銀
41 ☖3四歩
42 ☗3六歩
43 ☖4三金
44 ☗7九玉
45 ☖2二銀
46 ☗2四歩
47 ☖同 歩
48 ☗同 飛
49 ☖2三歩
50 ☗2八飛
51 ☖7三桂
52 ☗8八玉
53 ☖9四歩
54 ☗1六歩
55 ☖1四歩
56 ☗4五歩
57 ☖同 歩
58 ☗3五歩
59 ☖同 歩
60 ☗同 角
61 ☖3四歩
62 ☗2六角
63 ☖6五歩
64 ☗3七桂
65 ☖3三桂
66 ☗3六銀
67 ☖6六歩
68 ☗同 金
69 ☖6五桂
70 ☗同 金
71 ☖同 金
72 ☗5七桂
73 ☖5六金
74 ☗4五桂左
75 ☖4四歩
76 ☗5三桂成
77 ☖同 金
78 ☗4五銀
79 ☖同 桂
80 ☗同 桂
81 ☖4三金
82 ☗3三歩
*83 ☖同 銀 ☖4二玉
84 ☗同 桂成
*85 ☖同 金 ☖同 玉
86 ☗2五桂
87 ☖4二金
88 ☗3三桂成
89 ☖同 金
90 ☗5三銀
上手の△4三金はやむを得ません。
下手は▲3三歩からしつこく攻めます。
上手は△3三同銀に代えて△4二玉(変化15)と逃げたいのですが、▲3二銀でほどけません。
狙いは▲4三銀成△同玉▲5三金の詰みです。
以下は
①△4五歩は▲4三銀成△同玉▲7一角成
②△5二金(変化16)には▲5三歩
などがあり、他に駒を打つ場所もなく、上手困っています。②△5二金(変化16)には▲5三歩
▲3三歩△同銀▲同桂成△同金に代えて△同玉(変化17)は▲2五桂△4二玉▲4五歩で上手が負け筋に入ります。
手順の寄せで下手勝勢-91手目~100手目まで-
開始局面
1 ☖8四歩
2 ☗7六歩
3 ☖8五歩
4 ☗7七角
5 ☖6二銀
6 ☗5八金右
7 ☖5四歩
8 ☗5六歩
9 ☖5三銀
10 ☗6六歩
11 ☖4二玉
12 ☗7八銀
13 ☖3二玉
14 ☗6七金
15 ☖6二金
16 ☗6八角
17 ☖7四歩
18 ☗7七銀
19 ☖7三金
20 ☗4八銀
21 ☖6四歩
22 ☗7八金
23 ☖8四金
24 ☗6九玉
25 ☖7五歩
26 ☗同 歩
27 ☖同 金
28 ☗7六歩
29 ☖7四金
30 ☗2六歩
31 ☖4二金
32 ☗2五歩
33 ☖4四歩
34 ☗4六歩
35 ☖6五歩
36 ☗同 歩
37 ☖同 金
38 ☗6六歩
39 ☖6四金
40 ☗4七銀
41 ☖3四歩
42 ☗3六歩
43 ☖4三金
44 ☗7九玉
45 ☖2二銀
46 ☗2四歩
47 ☖同 歩
48 ☗同 飛
49 ☖2三歩
50 ☗2八飛
51 ☖7三桂
52 ☗8八玉
53 ☖9四歩
54 ☗1六歩
55 ☖1四歩
56 ☗4五歩
57 ☖同 歩
58 ☗3五歩
59 ☖同 歩
60 ☗同 角
61 ☖3四歩
62 ☗2六角
63 ☖6五歩
64 ☗3七桂
65 ☖3三桂
66 ☗3六銀
67 ☖6六歩
68 ☗同 金
69 ☖6五桂
70 ☗同 金
71 ☖同 金
72 ☗5七桂
73 ☖5六金
74 ☗4五桂左
75 ☖4四歩
76 ☗5三桂成
77 ☖同 金
78 ☗4五銀
79 ☖同 桂
80 ☗同 桂
81 ☖4三金
82 ☗3三歩
83 ☖同 銀
84 ☗同 桂成
85 ☖同 金
86 ☗2五桂
87 ☖4二金
88 ☗3三桂成
89 ☖同 金
90 ☗5三銀
91 ☖4三玉
92 ☗4二銀打
93 ☖同 飛
94 ☗同 銀成
95 ☖同 玉
96 ☗8二飛
*97 ☖5二桂 ☖5二銀 ☖5三玉
98 ☗6三金
99 ☖4三銀
100 ☗5三歩
▲5三銀はやや甘いようですが、だいぶ金駒を取っているので、これで十分。 次に▲4四銀成や▲4四角が厳しい手です。
△4三玉に対して、下手は▲4二銀打と食いつきます。
上手は2枚換えでしのごうとしますが、▲8二飛の王手が厳しい形。
△5二桂に代えて△5二銀(変化18)も、▲6三金から▲5三歩で同様です。 また△5三玉(変化19)も▲6八飛で良いでしょう。
▲5三歩打とした局面は下手勝勢。 以下上手はどう応じても駒損になり、手順に寄せられます。
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