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【10月29日答え追記】奨励会時代の天野さんの将棋

2015.10.28 | 国沢健一

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将棋世界の国沢です。

昨日、天野貴元さんがお亡くなりになるというお知らせが入ってきました。30歳という若さでした。
謹んでご冥福をお祈りいたします。

将棋世界では、2014年9月号で『イケメン患者の将棋授業』というコラムというか講座を書いていただきました。
天野さんは、記録係とかけっこうされていたので、顔を合わせることはそこそこあったのですが、会話らしい会話はこのときが初めて。最初はアマ竜王戦全国大会の自戦記を書いてもらう予定でしたが、やり取りしているうちに読みきり講座という形になりました。短いページでしたが、天野流の逆転のテクニックが盛り込まれた面白い内容でした。
苦戦の局面で考えることは「相手の第一候補の狙い筋を消す」とか、序盤は「相手の得意分野を避けるセコい作戦を持つ」とか。
「相手が見た目強そうな高校生とか大学生だった場合、私だったら横歩取りは指しませんね」には、思わずうなずきたくなりましたね。

そういえば、と思って古い将棋世界をめくっていたら、天野さんの奨励会時代に書いてもらった付録が出てきました。平成15年2月号の付録「八十一格の青春」で奨励会員28人の次の一手集です。



図の局面で天野さんの指した一手は何だったでしょうか。ぜひ考えてみてください。
(回答は明日追記します)

---------------------10月29日追記-----------------------

次の一手の答え
▲6二歩



▲6二歩が天野さんの勝負手(という意識だったらしい)。先手玉は丸裸だが、意外にも詰めろを掛けにくい形のようだ。
本文中の▲6二歩に△7一金▲2一竜△3八竜以下の手順は、
▲7一竜△同玉▲6一金△同銀
▲同歩成△同玉▲7二銀△5一玉
▲5二銀△同玉▲6一角△4二玉
▲4三角成△同玉▲3五桂△3四玉
▲4三角△3三玉▲2五桂△4四玉
▲5五金△同歩▲5四金
までの詰み。
途中変化はいろいろあるが、いずれも詰んでいる。

改めて、ご冥福をお祈り申し上げます。