編集部の島田です。
今日、天野貴元さん死去というあまりにも悲しいお知らせがありました。
ご冥福をお祈りいたします。
天野さんには「奇襲研究所 ~嬉野流編~」で大変お世話になりました。
書籍の打ち合わせのとき、将棋世界のインタビューのとき、ニコニコ生放送の発売記念イベントのとき。私の見ていた天野さんはいつもバイタリティにあふれていました。
いつも元気でした。
将棋世界のインタビューで、天野さんが嬉野さんに初めて嬉野流を指されたときのこと
を語ってくれました。
飛車先の歩を交換した後に▲8七歩ではなく、▲8八歩と打たれた衝撃を「8七じゃねぇの!?(笑)」と楽しそうにしゃべっていました。「将棋の可能性、奥深さを知ってほしい」と言っていた、天野さんの思いがあの書籍で伝わればうれしいです。
発売記念のニコニコ生放送では将棋クエストを使って、アマ強豪たちと「嬉野流しばり」で対戦していただきました。快活にしゃべりながらまさかの11連勝。視聴者のみなさんも感じたと思いますが、「嬉野流が優秀というか、天野さんが強すぎる」と、私も思いました。
実は「奇襲研究所 ~嬉野流編~」を書いて頂くとき、最初は独自に研究したいくつかの奇襲を紹介する、というコンセプトでした。
それが嬉野流を書き始めたらそれだけで一冊になってしまった、というのが真相です。
ですからそこに書き切れなかった戦法でぜひ2冊めを書いてほしいとお願いしており、実際「奇襲研究所 ~初手▲6八飛編~」は3分の1まで進んでいたのですが・・・。
天野さんから病状悪化のため、「今回のお話は『投了』させて頂けないでしょうか」という連絡がありました。
また体調が戻ったら、ということで話していたのですが、残念ながら未完となってしまいました。
天野さんは将棋を愛し、将棋の素晴らしさを一生懸命伝えようとしていました。
書籍という形でご一緒できたことは私にとっても宝物です。
天野さん、ありがとうございました。
慎んでご冥福をお祈りします。