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新刊「穴熊名局集」 ~大内流穴熊の妙技~

2015.05.14 | 藤原 哲

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みなさんこんにちは。囲碁の9路盤に慣れすぎて、いまひとつ13路盤に踏み出せない藤原です。


今週は先週に引き続き、「穴熊名局集」を紹介していきたいと思います。
登場していただくのは大内延介九段。この書籍でも振り飛車穴熊を用い、剛腕を振るった対局がいくつも出てきます。
今日はその中から大山十五世名人との対局を紹介。

「必殺の大内刈り」というすごいタイトルがついていますが、今回はそこではなく大内流穴熊の妙技ともいえる順を紹介します。
将棋は大山名人の4筋位取りに対して大内九段が石田流穴熊で挑む展開に。





上の図はお互いに玉が囲い終わり、大山名人が△3五角と角成りを見せて先手陣を牽制したところ。ひと目角成りを受けるには▲5八金しかなさそうですが、大内九段はそうは指しませんでした。ここで大内九段用意の自慢の一手は何でしょう?



















ここでじっと▲5八銀!が自慢の一手。





あえて角成り受けない▲5八銀が好手。自分はこの手を初めて見たとき「棋譜の間違いかな」とも思ったのですが、そんなことはありませんでした。
ここで△6八角成には、いきなり▲5三角成!△同金▲6五桂と強襲を掛けて技が決まります。




そこで本譜は△6二銀と辛抱しましたが、▲5七銀と形良く角成りを防ぐことに成功。
以下△5三角▲同角成△同金▲6五桂△5二金に▲2六角と徐々に攻めの糸口をつかんで振り穴ペースに。最後にはこの対局のタイトルにもなっている「必殺の大内刈り」とも称された大技が炸裂しますので、ぜひ盤上に並べてご鑑賞いただければと思います。お楽しみに。