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新刊「角道オープン向かい飛車徹底ガイド」 ~33ページに載っていた爽快すぎる大技~

2015.01.30 | 島田修二

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みなさんこんにちは。
編集部の島田です。雪が結構な勢いで降ってます。

昨日の藤原の紹介にかぶせるようにして私も
角道オープン向かい飛車徹底ガイド」でいきます。


タイトル:破壊力抜群!角道オープン向かい飛車徹底ガイド
著者:田中悠一
価格:1,540円+税
発売日:2015年2月24日


昨日携帯中継で書籍と全く同じ形が現れたので興奮してしまいました。
と、おもっていたら片上先生も同じ形だったとのことで、さらに驚き。
これからこの戦型が増えるんじゃないかと、ニヤリとした次第です。

さて、そろそろ紹介に移ります。

まずは真っ白な心で次の局面を見てください。


これが本戦法の基本形です。

初手▲7六歩に△8四歩、あるいは初手▲5六歩に△8四歩の出だしで、後手が△8五歩▲7七角を決めるとこうなります。

実現したら喜んで飛車を8八に振ってください。

この戦法のいいところは「だいたい▲8六歩からの速攻で先手が良くなる」ということです。

・・・ほんとかよ?

と思いましたね。
答えはこの本に書いてあるんです。

実際、基本図から後手が△6二銀

あるいは△4二玉

あるいは△5二金右

以上の3パターンについては全部振り飛車の速攻が炸裂します。
それが第1章の急戦編に書いてあります。
あー気持ちいい。

唯一基本図で△3四歩だけが速攻を免れるんですが、その場合は振り飛車は持久戦を目指してやはり互角以上に戦えます。それが第2章の持久戦編に書いてあるのです。

まさに徹底ガイドの名にふさわしい一冊といえましょう。

さてさて、今日私がなんとしても紹介したい変化が本書33ページ。

基本図で後手が△4二玉としたパターンです。

向かい飛車を相手に居飛車を指したとき、▲8六歩△同歩▲同角が玉に当たるのが怖すぎます。と、いうことですぐにでも△4二玉~△3二玉としたいのが人情というもの。

と、いうわけで基本図から△4二玉▲6八銀△3二玉と進みます。



これで居飛車ひと安心。・・・と思いきやここで▲8六歩△同歩▲同角!!が発動します。

まじ?まだその仕掛けが成立するの?▲3一角成~▲8二飛成が怖いですが、ここでは▲8二飛成に△同銀があるので大丈夫。なはず。そこで居飛車は飛車のコビンが空いたので△3四歩と飛車取り。

しかししかし、ここで軽手がありました。


それが▲8三歩!!


△同飛は▲3一角成~▲8三飛成があります。いかにも向かい飛車っぽい手順です。
▲8三歩に△5二飛なら▲7七角で先手が指せそうです。

いやー、いい手があったもんだ。うんうん。

 

・・・ん?ちょっと待ってください。▲8三歩には普通に△8八角成と取る手があるじゃないですか。と、思った私。以下▲8二歩成△同銀の局面は後手だけ馬ができて、桂香も取れそう。振り飛車駄目じゃん!!

・・・と思った私。しかし答えはすぐその後の33ページに書いてあったのです。


それが△8二同銀の局面で▲8五飛!!

まじ!?そんな手が!!

確かに△8四歩~△8三歩などと銀取りを受けると▲3一角成から馬が抜けるし、△9九馬と馬が逃げると▲8二飛成と王手で銀を取る手が激痛!!

こんな大技があったとは・・・知らなんだ知らなんだ。

私も実戦でこんな気持ちいい手を指してみたいもんです。

と、いうわけで向かい飛車は面白いです。
本書ではこういう気持ちいい変化がたくさん紹介されていますよ。

全国の向かい飛車党のみなさん。発売まで今しばらくお待ちください。