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新刊「これからの相矢倉」 ~57ページに書いてあった先手の使える一手~

2015.01.09 | 島田修二

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みなさんこんにちは。
自動販売機でミルクティーのボタンを押したらなぜかブラックコーヒーが出てきた編集部の島田です。

今日は1月23日の発売が迫っている畠山鎮先生の「これからの相矢倉」を紹介します。


先手の3七の銀のところのマスを強調してるのがポイントです。

さて、まずは何も聞かずに次の図をご覧ください。

カバーの盤面、つまり▲3七銀の局面で後手が△6四角と指したところです。
ええ、定跡です。

私のような弱い居飛車党の悩みは「矢倉の定跡を知らないために、定跡通りに進行しない」ことなんですが、さすがにこの局面までは進みそうです。

ちなみに、△6四角で△4三金右や△8五歩としてしまうと▲3五歩で先手が良くなるそうです。なぜ良くなるのかは本書に書いてあります。

と、知ったような感じで書いてますが、正直私なんかは「へーそうなんだー」と感心しながら読んだわけですが。目からウロコでした。

いやいや、今日紹介したいのはそこじゃないです。私が声を大にして言いたいのはこの△6四角に対する次の一手なんです。

違う違う、そうじゃ、そうじゃな~い。(知ってる人だけ伝わればいいやつ)

定跡は△6四角に▲6八角、ですよね?

以下△4三金右▲7九玉△3一玉って感じで囲い合うわけですが、私が紹介したいのは△6四角に▲6五歩!!という手です。

▲6八角だと思っているところにいきなり▲6五歩ですからびびります。

ここでせっかくだからといって△7三角と引くと▲6六銀△7二飛▲5七角!!

この▲5七角が用心深い好手で簡単に先手が良くなります。これが第一の罠

よって▲6五歩には△4二角ですがそこで▲5五歩。△同歩だと▲4六銀で先手良し。これが第二の罠。なので後手は△5三銀としますが、さらに▲5八飛と畳み掛けます。

ここで後手は5筋を補強するために△4三金右と上がるのが普通の感覚ですが、なんとここでの正解は△4三金左!!

初見でこの手を指せる人が何人いるでしょうか。ちなみに私なら指せません。これが第三の罠

以下、5筋から突進してこんな感じになります。

ああ、気持いい。だいぶ先手が快調に攻めているように見えますよね。

ただここで後手にいい手があって、先手よろしくないんです。
そのいい手は本書を読んでみてください。

結論としては△6四角に▲6五歩はよくないということだそうなのですが、これだけ罠がたくさんあれば、ネット対局で十分使える!っていうか使う!と思った次第です。

本書の中ではこの部分は序の口の序の口なんですが、私的にはこの時点で「いいこと知ったー」と思ったのでした。

「これからの相矢倉」にはここに至るまでの定跡も最新形の定跡も幅広く解説してあります。
畠山先生がまえがきで矢倉の書籍を出すことは「私にとって長年の夢の一つ」だったとおっしゃっていますが、本当に力の入った素晴しい本になっていると思います。

ぜひ皆さんもこの畠山先生の熱気が詰まったこの一冊を読んでみてください。

 




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