「しつだい」の話 | マイナビブックス

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「しつだい」の話

2014.10.17 | 

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天頂の囲碁」シリーズやHiBiKiのほか、囲碁書籍にもかかわるようになり、業務の中で囲碁比率がどんどん高くなってきている昨今。将棋とはお隣の世界ではありますが、似ているようで違っていることが多く、驚かされることしばしばです。

 
先日打ち合わせで、武宮正樹九段にお目にかかる機会がありました。その際先生が、こんなことをおっしゃっていました。
 
「世界中の人が囲碁を打つようになれば、世界は平和になります。碁は心を美しくするゲームなんです」
 
これには驚きました。
将棋の先生から「将棋を指せば世界が平和になる」などといった話を聞いたことはありません。もし言っている人がいても、半ば以上冗談だと思われるでしょうね。でも囲碁ではわりとポピュラーな考え方のようです。
将棋は戦争のゲームですが、囲碁はギブアンドテイクのゲームなんですって。なるほどなあ。
 
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さて、囲碁の言葉と将棋の言葉では、似ているところが多々ありますが、違う部分もあります。
将棋は「指す」、囲碁は「打つ」。これは有名ですね。
対局のことは「手合」といいます。
感想戦などで、将棋では「本譜」にあたる言葉を、囲碁では「実戦」と言います。
これらは、使う言葉は違っても聞けば意味はわかります。しかし聞いてもさっぱり意味がわからない言葉がありました。
 
「これは『しつだい』ですね」
 
初めて聞いたときはまったく意味が分からず、ぽかんとしてしまいました。
後から編集部で聞いてみても、誰一人知っている人はいません。でも囲碁をかじっている人はみなさん当然のように知っているようですね。
 
「失題」と書きます。
将棋で言うと「不完全作」。つまり、詰碁などの問題にキズがあることを指す言葉です。
 
意外なところに言葉の違い、文化の違いがあるんだなあ、と感じた出来事でした。
 
 
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1日3局まで無料で対局でき、コンピュータソフト「激指」「Zen」との対局も楽しむことができます。
これを読んで囲碁にちょっと興味を持ってくれた方、試しに一局どうですか?
 
(大石)