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スター棋士揃い踏み超豪華本~「究極の寄せ」編~

2014.08.18 | 

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こんばんは。編集部の米澤です。

 
先週末の記事で唐突に大平先生が出てきたので、
大平先生の書籍の内容を期待している方が多いかと思いますが!
 
今日は、先週私が前フリしたとある文庫本の紹介です。
 
 
今、編集作業を進めている文庫本の中身ですが、まず面子がすごい。
 
大山・中原・米長・谷川・羽生

この5人が同じ時代に将棋を指していたという事実。
五大スター揃い踏みという感じがしませんか?
 
5人が奇跡的に重なり合った平成3,4年を中心に、
プロ棋士の好手やポカを取り上げています。
 
ただの問題集ではなく、当時のエピソード満載!
にやにやが止まりません!
 
話としてはポカの方が面白いのですが、
ここは真面目に私が1番好きな好手、
目の覚める寄せを1つ紹介します。
 
 
この問題、タイトルが「谷川、究極の寄せ」
皆さん、このあとの手順はご存じですか?
 
ちなみに羽生王座(当時)はA図で手応えを感じており、
その読み筋はA図以下△3三銀▲4四香△5三金▲7六歩△6五飛▲7一馬
 

 
しかし、谷川竜王(当時)の指し手は△6九馬
 
このあとの文章が面白いのでそのまま引用します。
 
+++++++++++++++
 
銀取りを放置してぼんやり馬を突っ込む。常識的にはあり得ない手である。
「これはひどい。谷川、やる気がない」
 控室にいた某六段はそう決め付けた。相手の羽生だって、こんな手があるとは夢にも思っていなかったらしい。このあと完敗を喫した羽生、後日電話したら「世の中にはすごい手があるもんですね」と他人事のように感心していた。
 
+++++++++++++++
 
「やる気がない」一手がまさか「究極の寄せ」だったとは…。
控室も羽生さんもこの反応ですから、
皆さんも「なんだこれ」状態だと思います。
簡単に以下の手順を最後に記しておきます。
 
B図以下、▲4四歩△5八銀▲同飛(▲4三歩成は詰めろにならず負け)△同馬でD図。
 
 
D図以下は▲4三歩成△6七馬▲7九金打△7七飛成▲同桂△8八飛▲同金上△同歩成▲同玉△8七金まで。
最後は華麗な即詰みに討ち取って勝ち。
A図から詰みまで最短で駆け抜ける、まさに光速の寄せですね。
手順がすごすぎて、意味が分かりません。
私はこういうものを見ると「プロ棋士ってめちゃくちゃすごいなぁ」と幸せな気分になります。
 
本書では寄せに限らず、序盤、中盤、終盤。攻め、受け、実戦的な好手…。
プロ棋士のさまざまな次の一手と面白エピソード計200個を1冊に詰め込んでいます。
 
詳細は引き続き今週中に公開する予定です。
ご期待ください。