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「幻の絶妙手」竹俣・激指vs山口・PonaX戦より

2014.06.04 | 

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こんにちは。編集部の米澤です。
 
昨日行われたPonaX発売記念イベントにお越しいただいた皆さま、
本当にありがとうございました。
 
山口恵梨子女流初段&PonaXチームVS竹俣紅女流2級&激指13チーム」のリレー将棋対決では、
私はPonaXの操作と、山口・PonaX組の読み上げを担当しておりました。
PonaX陣営ということで、一応青のネクタイにしたのですが、
山口女流初段の着物の色はPonaXカラーと全然関係ありませんでした。
 
盤面が見える位置でPC操作と読み上げを行うということは、
当然着物姿のすぐそばということになるのですが、
対局中はかなり忙しくて、楽しむ余裕は全くありませんでした。残念。
 

対局終了後の両対局者

対局は、序盤から攻める気マンマンのPonaXと山口女流初段の手が噛み合わず、
終始いい雰囲気で指し進めた竹俣・激指組の勝利。
PonaXの指し手を山口女流初段に告げると、
たまに山口女流初段から「ええ~」と批難の声が上がるので、びくびくしていました。
特に問題となったのが、最終盤のこの局面。


※便宜上先後逆
 
山口女流初段が8四の馬で7五の金をちぎって、
激指が▲7五同銀とした局面。次はPonaXの手番です。
先手の持ち駒は豊富なので、後手としては受け切るのは厳しそうです
リレー将棋の性質を考えると、
 
「PonaX、あとは任せた! 決めてくれ!」
 
といった展開です。
 
ここでは両対局者と解説の長岡裕也五段の読み筋は△3九金
△3九金▲5九玉△7九飛▲5八玉△3六角▲4七金△6九飛成…あれ、詰んでる?
 
ところが実戦でPonaXの選択はまさかの△7九飛
以下▲5九歩で先手玉は当然詰みません。
 
「PonaXが詰みを逃した!?」
「激指も詰みが見えていれば、▲7五同銀とはしないはず!」
「2台ともこんな簡単な詰みが見えていなかった!?」
 
ということで、終了後の会場裏は大混乱。
 
その後、結論が出まして、
実はあの局面、先手玉に詰みはありません。
幻の絶妙手がありました。
 
△3九金▲5八玉△3六角に、▲4七角


部分的には詰んでる局面ですが、角合いがなんと逆王手!
これで先手玉は受かっています。
「角合いの逆王手で受かってる」という局面は、次の一手問題以外では初めて見た気がします。
ここまで一瞬で読んでしまうPonaXはさすがの強さです。
 
対局を終えての感想ですが、
「30秒将棋でこの局面が現れていたら…」と思うと、正直惜しい気もします。
しかし、最後の最後までどっちが勝つか分からない大熱戦となり、
「ホッとした」というのが本音です。
 
PonaX君、お疲れ様でした!