2018.09.11
新しいiPhoneの購入は、通信キャリアを見直す最適なタイミング。最近は3大キャリアのシェアが減る一方、格安SIMを提供するMVNOの契約数が伸びています。3大キャリアのまま使う予定の人も、格安SIMに乗り換えたい人も、ここで今一度「SIM」について理解を深めておきましょう。
格安SIMの基本がわかるQ&A
Q・そもそもSIMカードって何?
A・固有のIDが割り振られたICカードのこと
SIMカードとは、携帯電話回線を利用する端末で使われる小さなICカードのことです。SIMカードにはそのデバイスの持ち主を証明する「IMSI」という15桁のID番号が記録されており、このIDが携帯番号などと紐付いて通信回線を利用できるようになっています。また、端末側にも「IMEI」という固有の番号が割り振られています。電話をかける際は、IMSIとIMEIがセットで携帯電話会社に送信され、誰がどの端末を使っているかがわかる仕組みになっているんです。
現行のiPhoneは、接触型のnano SIMカードに対応しています。SIMカードを差し替えるには、SIMカードに同梱するSIMピンを使って、SIMトレイを取り出します。
Q・よく聞く「格安SIM」って何?
A・MVNOが提供する、通信料金の安いSIMのこと
MVNOとは、自前で通信設備を持たずに通信キャリアから回線を借り受けてサービスを提供する事業者のこと。そのMVNOが提供しているのが「格安SIM」です。通信キャリアは基地局の設置など莫大な経営コストがかかりますが、MVNOは各キャリアから必要なぶんだけネットワークを借りて運用するため、コストを抑えることができるのです。格安とはいえ、通信インフラ自体は各キャリアの設備を利用しているので、通信品質はある程度担保されています。
格安SIMのサービスを提供するMVNOは続々と数を増やしています。誤解されがちですが、「格安スマホ」は端末そのものが安いスマホを指す場合が多いため、格安SIMとはまた意味合いが異なります。
Q・MVNOは3大キャリアよりお得なの?
A・お得ですが制約もあります
MVNOが提供する格安SIMはその名のとおり、基本的に3大キャリアよりも料金をリーズナブルに抑えることができます。ただし安価なぶん、MVNOによってはデメリットも存在します。たとえば、3大キャリアに比べてサポート体制が貧弱、キャリアメールやキャリア決済サービスが使えない、音声通話が多い場合は逆に割高になる、通信料金の支払いがクレジットカード決済限定、などです。3大キャリアより安いからといって安易に乗り換えてしまうのはおすすめできません。
モデルケースとして、LINEモバイルの音声通話SIMのコミュニケーションフリープラン(データ通信容量3GB)と、ドコモの通話無料(2年間の定期契約あり)+同データ通信容量プランを比較しました。その差額は月額3110円にもなります。
Q・格安SIMは通信速度が遅いって本当?
A・業者や時間帯によって変わります
MVNOは3大キャリアのネットワークを利用するため、つながりやすさや対応エリアは各キャリアと同じです。しかし、通信速度はMVNOによって異なりますし、同じMVNOでも場所や時間帯によって回線が混雑する場合があります。特に通勤ラッシュ時やお昼どき、帰宅ラッシュ時はスマホを使うユーザが増えるぶん、回線が混雑し通信速度が落ちると言われています。高速かつ安定した通信を求める人は、格安SIMは避けたほうがよいかもしれません。
一方、データ通信量の少ないテキストメッセージでのやりとりがメインのユーザなら、通信速度の低下はあまり気にならないかも。使い方に応じて選びましょう。