野呂エイシロウの「ケチの美学」第16回|MacFan

アラカルト ケチの美学

野呂エイシロウの「ケチの美学」第16回

文●野呂エイシロウ

人気放送作家が語るケチとアップルの交差点。

昆虫になれ!

 

とある大成功をしている企業のミーティングで、チームリーダーがポツリと言った。「社長が『昆虫になれ!』って言うんです…」。

その社長の意図は、脊椎動物、哺乳動物は進化が遅い。だからどんどん絶滅してゆく。だが、昆虫は短い時間で進化している。だから、社員も会社もどんどん変化をしていかなければ絶滅するという意味だという。

ボクが尊敬する、アメリカの企業哲学者のジム・ローンの言葉にこんなものがある。

  「いつもやっていることをやっていれば、いつも手に入れるものしか手に入らない」

とても大好きな言葉だ。

これは、「昆虫になれ」と同じような意味である。つまり、昨日と同じことをしていても意味がないということだ。「違うものを手に入れたかったら違うことをしなさい」ということだ。

この原稿も「どうやったら面白くなるのか?」と真剣に考えている。試行錯誤しながら何度も書き直す。

今の自分がこんなふうなのは、一瞬前までの人生の結果だ。人生は、エレベストを登るようなものだと思っている。毎日必死に登ってゆくと、ちょっとだけ景色が変わるのだ。10歩でもいいから登らないと、頂上へはたどり着けないのだ。

さっき某社の企画会議でも必死に意見を述べた。怖かったが、勇気を振り絞り、ホワイトボードの前に立った。新しい風穴を開けることに成功した。この企業に億単位の利益をもたらすだろう。会議中は脳みそがちぎれるほど真剣に考える。これでもか! これでもか!っと自問自答を繰り返す。そう、それがボク自身の変化をもたらすのだ。

今日、行きつけのジムで、腕立て伏せと腹筋を3分間やった。初挑戦だ。トレーナーの菜花嬢は「あと15秒…、10秒…」とカウントダウン。「あと3回!」っと限界まで追い込む。これまでできなかったことができるようになった。そう進化である。ボク自身も変化をしているのだ。




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