2018.05.30
企業や教育機関へのアップル製品の導入をサポートする、株式会社Tooの福田弘徳氏が「モビリティ」の地平を語る。
「クリエイティビティを解き放とう」。アップルのWEBサイト「アップルと教育」の最初に出てくるメッセージである。今春シカゴで行われたアップルのイベントは教育市場にフォーカスした内容で、教育向けの新しいプログラムが続々と発表された。その中のひとつ「Everyone Can Create」は、すべての科目にクリエイティブな表現を取り入れるための新しいカリキュラムで、この秋にリリース予定である。
日本の教育現場でもICT化の促進やプログラミング的思考の習得など、学習スタイルに変革が求められている。クリエイティビティは、これからの社会を生き抜くための重要なスキルであり、それをいかに育てるかがこれからの教育現場でもっとも大事なことではないかと思う。
ビジネスの現場でも重要視されている能力のひとつであるクリエイティビティは、イノベーションを起こすために必要な要素とされている。しかし、クリエイティビティとは何か?と考えてみると、しっかりとした定義がなく、非常に曖昧なスキルという印象ではないだろうか。
日本語に翻訳すると、創造性や独創性といった言葉に置き換えられるが、具体的にどのようなスキルなのかわかりにくい。人によってさまざまな解釈があり、抽象度の高い言葉である。映画やアニメーション、話題の広告メディアなど、一流のクリエイターが持っている生まれ持ったスキルという印象もあるが、私は違うと思う。クリエイティビティは、「問いを立てる力」だ。
問題解決能力は社会を生き抜く術として重要とされる。しかし、立てた問い次第で導き出される答えは変わるので、間違った課題設定をしてしまえば、正しい答えを導き出すことはできない。問いを立てる力、つまり課題設定の始まりは、「なぜ気づかなかったのだろう」という当たり前のことを、他の人よりも先に気づくことである。