デジカメ写真の読み込みを自動化する!|MacFan

レクチャー Macの媚薬

デジカメ写真の読み込みを自動化する!

文●栗原亮

デジカメ写真の管理に困っているという人は意外と多いのではありませんか? OS X標準の機能で楽にする灯台もと暗しな方法をお教えします!

「写真」で管理したくない

一口に写真が趣味といっても、撮影がメインの人と、カメラ自体を集めるコレクターがいます。しかし、後者でなくとも複数台のカメラを持っている人は意外と多いのではないでしょうか。筆者は日常的な撮影はiPhoneで済ませていますが、取材など仕事用にAPS-Cのデジタル一眼を2台、趣味の鉄道写真用にフルサイズの一眼レフとコンデジを2台、合計5台のカメラを持っています。

これは極端な例かもしれませんが、複数台のカメラを使うと写真データの管理が問題になってきます。すべてのカメラを「写真」ソフトに自動で読み込ませれば管理は楽かもしれません。しかし、ライブラリが肥大化して必要な写真を探すのが大変になります。

また、アイクラウド・フォトライブラリで同期データ量も多くなってしまいますし、1TBのストレージプランでも早晩使い切ってしまうでしょう。個人的な見解では、「写真」はiPhoneカメラ専用にするのがベストだと思っています。

このような事情もあって、筆者はiPhoneカメラ以外は「アドビ・ライトルーム」に読み込んでいますが、ここに新たな問題が発生します。仕事の撮影やいわゆる「ブツ撮り」では同じようなカットの写真を多く撮影するのですが、多くの未採用カットでライブラリが肥大化してしまうのです。読み込んだ際に不要なカットを毎回削除するという方法もありますが、あとから別カットが必要になることもあるので完全に削除できないのです。

オートインポータを利用する

そのため、新たに考えたのはいったんデジカメ写真はファイルとして保管しておき、そこから問題がなさそうな写真だけを事前にざっくりセレクトしてから写真管理ソフトに読み込ませるというワークフローです。

これにはOS X標準ソフト「イメージキャプチャ」からデジカメのメディアごとに「オートインポータ(AutoImporter)」を割り当てることで実現します。接続時に自動で指定したフォルダに写真ファイルを読み込んでくれるだけでなく、カメラごと、読み込み日ごとといった命名規則でサブフォルダで整理してくれます。デジカメ写真の管理に困っているのであれば、こうした方法を試してみてはいかがでしょうか。

 

 

(1)SDメモリーカードなどのメディアを接続して「イメージキャプチャ」から[接続時に開くアプリケーション]のリストから[AutoImporter]を選択します。これを、使っているカメラごとに行います。

 

(2)オートインポータは、起動ボリュームの[システム]→[ライブラリ]→[Image Capture]→[Support]→[Applications]という深い階層にあります。いったんこれを起動して環境設定を行います。

 

(3)[読み込み]フォルダは初期設定では[ピクチャ]になっていますが、外付けストレージなどにすることも可能です。サブフォルダ名は[カメラ名][日付]などの命名規則が追加できます(右下のサンプルをドラッグ&ドロップ)。

 

(4)すると、次回以降メディアをMacに接続すると自動的にオートインポータが起動して指定したフォルダに写真が読み込まれます。

 

(5)設定したフォルダ内に写真が保存されました。ここから写真管理ソフトのライブラリに読み込みたい写真を選択してから、改めて読み込ませることでライブラリの肥大化を防ぐことができます。

 

 

【もっと媚薬】
「写真」ソフトが一眼デジカメの読み込みに適していないもう1つの理由がRAWデータの扱いです。撮影時にRAWとJPEGを同時に記録した場合、写真ではこの両方を読み込んでしまうからです。しかも、ライブラリ上では1枚の写真として扱われます。