2016.03.16
皆さんが考えるワイヤレスのイメージって何でしょう。「遅い」「途切れがち」「設定が面倒」…実はこれ、もう過去の話なんです。ここではそんなワイヤレスに対する誤解を払拭する”新常識”を紹介します。
Wireless Knowledge1
無線って有線よりずっと遅いんでしょ?
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【新常識】理論値ではすでに有線より無線のほうが速い!
ワイヤレスのイメージ
Wi-Fi(無線LAN)をはじめとする無線通信に関して、「有線より遅い」というイメージが一般的に根強く残っているようです。いち早くWi-Fiを導入した人の中に、当時のイメージがそのまま残っているのが原因かもしれません。アップルがMacで最初に採用した「IEEE802.11b(以下、11b)」は、最大伝送速度が11Mbpsと非常に遅いものでした。そのため、当時は大容量ファイルのダウンロードや動画をストリーミング再生するときだけ有線接続(イーサネット)に切り替えていた人も多かったようです。
ほかにも、iOSデバイスが駅や飲食店のフリーWi-Fiスポットに自動接続されてしまい、3GやLTEよりも遅かった、という経験から「Wi-Fiは遅い」とイメージする人もいるようです。
ところが、LAN(ローカル・エリア・ネットワーク)に関していえば、民生用の規格として最高レベルである「ギガビットイーサネット(ギガビットLAN)」の最大転送速度が1Gbpsであるのに対し、無線の最新規格「IEEE802.11ac(以下、11ac)」は1.3Gbps。なんと理論値では無線が有線を凌駕しているのです。
しかし、これは理論値(公称転送速度)での比較になります。実測ではどうでしょうか。スループット計測ソフト「アイパーフ(Iperf)」を使って計測したところ、ギガビットイーサネットの実効速度は576.8Mbpsでした。それに対し、11ac(2ストリーム、最大理論値867Mbps)では587.8Mbpsと有線よりわずかに速い結果を得ることができました。もちろん、この速度は環境によって差が出るものですが、「無線が遅い」というイメージはすでに過去のものといわざるを得ないでしょう。