2016.01.11
「旅する鈴木」が世界を歩いて見つけたもの、出会った風景。
時間はまだ、20時前。ろうそくの炎に囲まれて、読経を終えた若いお坊さんたちが小さな熱気球に火をつける。「コムローイ」と呼ばれるその熱気球は、静かに宙に浮かび、ピンと糸に引っ張られて止まった。夜空へと放たれるのを待っているのだ。
陰暦12月の満月の夜、チェンマイではイーペン祭りが行われる。コムローイを一斉に夜空に上げる伝統行事、「イーペンサンサーイ」が有名だ。僕らはその行事に参加するため、ヨーロッパでの旅を中断して、はるばるタイまでやってきた。