2015.12.26
aka Nobiさんこと、林信行氏。IT、モバイル、デザイン、アートなど幅広くカバーするフリージャーナリスト&コンサルタントが物申します。
「TypeTrace」http://typetrace.jp
年明け前に本誌を開いた皆さん、「どうかよいお年をお迎えください」。年が明けてから本誌を開いた皆さん、「あけましておめでとうございます」。
私を含め多くの筆者は、メディアに寄せる文章の多くを仮想の読者像を描きながら書いているはずだ。優しい気持ちで読んでほしいところではパソコンに向かって微笑んでいたり、怒りを伝えたいところでは目をつり上げていたりするので、文章を書いている姿だけは絶対に人に見られたくないし、鏡でも見たくない、と思う(笑)。
そうして書いた文章だが、読者にはそのとおり読まれるわけではない。
2014年に執筆業をはじめて25年目を迎えたが、四半世紀の活動を通して学んだのは、文章によるコミュニケーションの限界だ。自分がいかに優しく語りかけても、わかりやすいように言い回しを工夫しても、一人一人の読者が文章から受ける印象は、そのときの読者の心理状態や、文章に対する信頼感に大きく左右される。