野呂エイシロウの「ケチの美学」第81回|MacFan

アラカルト ケチの美学

野呂エイシロウの「ケチの美学」第81回

文●野呂エイシロウ

人気放送作家が語るケチとアップルの交差点。

人を好きになれば

僕はずっと、人に「好かれたい」と思っていた。一方的に人気者になりたいと思っていた。だが、それは大きな間違いだった。

自分が相手を「好き」になってはじめて、人から「好き」になってもらえるのだと気がついた。せっかくの出会いだ。自ら「好き」になることが大切である。

今、僕は平和な日本に住んでいる。でも、海外では戦争が行われている。日本だって、100年ほど前は戦争があった。国内で起こる内紛もあった。400年ほど前は、大河ドラマなどでもおなじみの戦国時代である。

日本の武将・豊臣秀吉は“人たらし”だったとさまざまな書物に記され、今日でも、ドラマや映画でそのように描かれている。

活躍した部下への報酬はその場で行ったことで有名である。戦場に常に「金」を運び込み、すぐに報酬を与えたという。

中国大返しで有名になった高松城の水攻めでは、現地の農民たちを使い、わずか12日で3キロメートルにもおよぶ堤を完成させたという逸話もある。その秘密もお金だ。

土のう1俵につき、銭100文と米1升という破格の手間賃を渡すことで、農民たちは昼夜問わず働いた。

そう、秀吉は天性の“人たらし”なのだ。まずは相手のことを考えて好きになる。そして好かれるために何をするか考える。

その連続だったという。

金沢景敏という男がいる。本も書いている。大学卒業後にTBSに入社し、その後、保険会社に転職して大活躍。現在スポーツのビジネスをやっている。

そんな彼とゴルフに行ったときのこと。彼から「カートに乗らずに歩く」「酒をやめる」「1日1食」というルールを貫いていることを聞いた。金沢さんは「自分との約束だから」と言い切っていた。

僕は自分が好きだ。金沢さんを見習って、自分との約束をしようと思う。それで自分を変えてゆくのだ。

自分を好きになる。周りの人も好きになる。そして、人生を変える。その連続である。ケチなので残りの人生はそうしようと思う。

 

今年もiPhoneは僕の人生を豊かにしてくれる。

 

 

EishiroNoro

放送作家、戦略的PRコンサルタント。毎日オールナイトニッポンを朝5時まで聴き、テレビの見過ぎで受験失敗し、人生いろいろあって放送作家に。「元気が出るテレビ」「鉄腕DASH」「NHK紅白歌合戦」「アンビリバボー」などを構成。テレビ番組も、CMやPRをヒットさせることも一緒。放送作家はヒットするためのコンサルタント業だ!と、戦略的PRコンサルタントに。偉そうなことを言った割には、『テレビで売り上げ100倍にする私の方法』(講談社)『プレスリリースはラブレター』(万来舎)が、ミリオンセラーにならず悩み中。