野呂エイシロウの「ケチの美学」第50回|MacFan

アラカルト ケチの美学

野呂エイシロウの「ケチの美学」第50回

文●野呂エイシロウ

人気放送作家が語るケチとアップルの交差点。

未来を変えるために

「人は変化するために生きている」と言っても過言ではないと思う。そして、いつか変わるのを待ち続けるのではなく、今、この瞬間から変わることが大切だ。

先日、ボクは突然ゴルフを始めた。なぜかというと、変化するためだ。以前までは「仕事以外のことで練習するなんて馬鹿馬鹿しい」と思っていたのだが、始めてみると、ボクの人生に大きく影響することを体感している。

ゴルフ場でボールを一つ一つ打っていくことは、すなわちホールカップという「目標」に近づけることだ。そして、その目標を達成するには、マネジメントが非常に大切だ。しかも、ゴルフは基本的に72打を基準に、どれだけ打数を下回れるかというスポーツである。友人たちがよく「100を切りたい」と口にしているが、実は話にならないのだ。目指すべきは、72を下回ること。そういうスポーツということが、最近わかった。やるからには、それを目指そうと思う。

そして、一つ一つのショットを丁寧に打っていくことが大切だ。これは、ゴルフだけでなく、ビジネスの世界にも役に立つ。

ゴルフを始めてから、ついつい粗雑になりがちだったことも、「一つ一つ丁寧にやらなければ」と思うようになった。ゴルフをきっかけに、仕事のレベルまで上っているのだ。

最近はほぼ毎日のようにゴルフの練習場に通っているのだが、そのたびに自分の努力を実感できている。そして、そのあとの仕事の出来も、これまでとまったく違うものになっている。そう、ゴルフにおける1打と、1つの仕事、たとえば1通のメールは同じなのだ。もしかすると、会議中の発言一つ一つも、同じレベルと言えるのかもしれない。

ゴルフは練習すると成果が出る。今日もiPadプロで動画を見ながら、ひたすらボールを打っている。成長したいなら、練習だけでなく、「何のために成長したいか」という想いが必要だ。いきなり成功者になることはない。突然、宝くじが当たって億万長者になることなんてほとんどない。

先日、NHKのドキュメンタリー番組「プロフェッショナル 仕事の流儀」にフィットネスインストラクター/ユーチューバーの竹脇まりなさんが登場していた。番組を通じてはじめて彼女の存在を知ったのだが、その翌日から、毎日一本ずつ彼女の動画を見ながら身体を動かしている。毎日続けていると、少しずつ身体が変わってきているのがわかる。変化を実感できるのだ。

そう、人生を変えるためには努力が必要だ。ゴルフのメジャー選手権であるマスターズ・トーナメントで優勝した松山英樹選手も、何もせず優勝できたわけでは決してない。日々の練習の賜物だ。イチロー選手もそうだが、桁違いの練習の成果が表れているのである。ボクが必死に文章を書いたり、企画を考えていたりしているのも、日々の練習があってこそだと思う。

なぜそんなことをするのか? それは、未来を変えるためだ。未来を変えるためだけに、ボクは生きている。1秒先、10分先、1日先、1週間先の自分を変えるために、日々努力している。未来には、もっと面白い人生がある。そのために身体を動かし、ゴルフクラブを振り、キーボードを叩く。その一つ一つの行動が、未来を変えているのだ。人生には未来しかない。そして、行動するしかない。

 

iPad Proで動画を見ながら、日々ゴルフの練習に励んでいる。仕事にも良い影響が出始めた!

 

 

EishiroNoro

放送作家、戦略的PRコンサルタント。毎日オールナイトニッポンを朝5時まで聴き、テレビの見過ぎで受験失敗し、人生いろいろあって放送作家に。「元気が出るテレビ」「鉄腕DASH」「NHK紅白歌合戦」「アンビリバボー」などを構成。テレビ番組も、CMやPRをヒットさせることも一緒。放送作家はヒットするためのコンサルタント業だ!と、戦略的PRコンサルタントに。偉そうなことを言った割には、『テレビで売り上げ100倍にする私の方法』(講談社)『プレスリリースはラブレター』(万来舎)が、ミリオンセラーにならず悩み中。