【第04回】ホワイト覚悟とブラック覚悟 | マイナビブックス

100冊以上のマイナビ電子書籍が会員登録で試し読みできる

世の中すべては営業である① 営業実践編その1

【第04回】ホワイト覚悟とブラック覚悟

2017.01.17 | 安倍幸志

  • mixiチェック
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
映画スターウォーズで言うところの、フォースに例えてみます。見えない善の力の源であるフォースにも暗い暗黒面があるように、覚悟にもホワイト覚悟とブラック覚悟があります(というか名付けました)。ある程度まではどちらの覚悟でもモチベーションを保っていけるのですが、その先は大きく差が出てくるのです。
5つの質問の中で、特に5番は覚悟の暗黒面そのものです。リベンジ、復讐にもつながります。この覚悟は強烈なモチベーションを生むので、上手く使えば絶大な威力を発揮します。しかし、一歩間違うと、金で何でも買える、女も幸せも、となる危険をはらんでいます。他人から見るとお金も大きな家も、綺麗な奥さんも手に入れ、幸せそうに見えるのに心の中は寂しさで溢れていたり、家庭がめちゃくちゃだったりと、どこかバランスを崩した、どこまで稼いでも満たされない人になってしまうのが特徴です。目指してほしいのは、一時の成功でなく永続的な成功、心も身体も豊かな状態なので、ブラック覚悟は途中でホワイト覚悟へ変換していくことが、必要となってきます。
 
ホワイト覚悟の一押しは、1番、2番です。親としての責任感、夫や妻として、最近ならシングルマザーやファーザーとして、弱いものを守る。愛するもののために働く、無償の愛ほど強いものはありません。ただ、これにさえ暗黒面は潜んでいます。例えば子供の手が離れた夫婦のホワイト覚悟は、新たな覚悟を決めないと成立しなくなる時があります。要するに覚悟には賞味期限があるのです。
独身であっても、大切な恋人やパートナーの為に頑張る、親や自分を育ててくれた先輩のために頑張ることは、ホワイト覚悟そのものです。しかし、ここにも暗黒面は潜んでいるのです。それは、いわゆるロスです。今年は福山ロス、ペットロスなど話題になりましたが、誰かのために働くということも、その人がいなくなったり、自分の思っていた人と違ったりすると、途端にモチベーションが下がってしまうのです。そうです、覚悟は水ものでもあるのです。ですから、例えホワイト覚悟であっても、常により強いものに強化していかねばなりません。
 
覚悟がしっかりしていれば、正しい目標設定――目標が自分に見合った大きさなのかも大切になってきます。つまり、山を登ったら一度は下山しても、また次の山を見つけなければ、結局平地に戻ってしまうのに似ています。これは、家を買ったり、ある程度人のうらやむような成功を納めた人が、陥るパターンです。こういう人に足りないのは、新しい山と次なる自分に相応しい山を見つけ、登り切る新しい覚悟なのです。
自分に相応しい山が高尾山なのか? 富士山なのか? エベレストなのか? これは人が決めることではありませんし、自分の心の声に耳を澄ますしかないと思います。そして山には、個人で登るものと集団やチームで登るものもあり、営業なのかマネージャーなのかで変わるものなのです。特にチームで登るためには、目標の強い共有が不可欠となり、直接自分が動く営業より、難しい面があります。

続きをご覧いただくには、会員登録の上、ログインが必要です。
すでにマイナビブックスにて会員登録がお済みの方は下記の「ログイン」ボタンからログインページへお進みください。

  • 会員登録
  • ログイン