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ゴルフプラネット 第38巻

【第2回】ラインが見えない

2016.10.19 | 篠原嗣典

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ラインが見えない

 

 昨年末から、実はあまりラインがよく読めていない。

 

 膝が痛いので、しゃがんだ低い姿勢になると足を変に動かしてしまうことがあり、グリーンの芝生を傷付けてしまいそうだから丁寧にラインを読むことがないせいもあるかもしれない。最初は、そういう日もある、とあまり気に止めなかった。

 

 ライン読みでクヨクヨ迷うのは、百害あって一利なしである。迷ったり、考えすぎたりして、パットが決まるのはある意味でまぐれの一種である。

 

 パットが上手い人は、決して迷わない。迷わないから、しっかりと良いストロークが出来るのだ。

 

 それを痛感しているので、強いてラインが読めなくなっても気にしていなかった。読めないほどなのだから、真っ直ぐ打ってしまえば解決する。真っ直ぐ転がって入ればラッキー、曲がってしまって入らなければ読めていないから仕方がないと諦めれば良いだけのことだ。

 

 そのうち、普通にラインは見えてくると思っていた。

 

 読めると見えるの違いは、言葉遊びようなものだが重要である。上りや下りはわかるので、傾斜はわかるのである。左右に関しても微妙な傾斜は別として、大まかにはわかる。傾斜がわかるというのは、読めているのである。

 

 その傾斜を自分のボールが自分の思った速度で転がっていく様子をイメージできることが『ラインが見える』なのである。私の場合、調子が良ければ、ボールの幅のテープが実像に半透明のようにして重なる。

 

 もう少し書けば、強く打ち出して入れるイメージはテープの幅が狭まり、ジャストタッチのラインはカップの幅ぐらいまで広がる。

 

 ラインが見えないというのは、そのテープが全く見えないことなのだ。

 

 たぶん、圧倒的に練習が不足しているのだと思う。私はこの数ヶ月、朝、練習グリーンでボールを転がさないでラウンドすることがよくあるからだ。ついでに、家でもパターマットの上でボールを転がす練習もほとんどしていない。訳があって、素振りはたくさんしているのであるが……

 

 ゴルフの神様は、そういう怠慢を見逃さないということだろう。

 

 パターの練習をしないことへの罪悪感もある。それがラインを見るという力に蓋をしているのかもしれない。

 

 言い訳をせずに、パットの練習をしっかりとしようと思う。パットの練習の大きな目的の一つは、打った感触と実際のボールの転がりをアジャストすることである。打ったボールが転がる様は、目を通して脳にじゃんじゃん蓄積される。それが、イメージとしてのラインを見る力の源である。

 

 素振りをたくさんしているのは、昔叔父に教えてもらった方法で、ビジネスマンの理想型だった。ボールを打たないことで、体の部位の動きに集中できるから素振りなのである。違和感が無くなるまでと素振りの練習をしているが、やっと違和感がなくなってきた。

 

 パットは練習するほど上手くなるのである。

(2009年1月29日)

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