【第0回】はしがき | マイナビブックス

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 今も昔も、教育現場では、大なり小なりの問題が常に起きています。それは一人の先生が大勢の子どもを見ている現実を考えれば、誰にでも分かることです。先生は神様ではありません。一人の人間です。先生方が努力することによって問題の発生数を減らすことはできても、「ゼロ」にすることは不可能です。

 では、どうすれば良いのでしょうか?

 大切なことは、問題が起きることを前提にした「危機管理」に対する考え方と、問題が起きたあとの保護者の方への「対処の仕方」です。これを間違えてしまうと、「学校のやることはいつもこうだ!」と保護者の方の中に不信感が生まれ、教育委員会などの公的機関への厳しい抗議につながり、問題が大きくなってしまうことにもなりかねません。

 そうならないために必要なことは何でしょうか?

 それは日頃からの「保護者と学校の信頼関係」の構築です。保護者の方と先生方との間に強い信頼関係を築くことです。しかし、その方法を間違えると良い結果にはつながりません。

 残念なことに、現在の教育現場では、学校が保護者の方の要求を丸飲みして、その要望にすべて応えることが信頼関係作りであると考えている傾向が見受けられます。出来ないことを引き受けたり、信念のない譲歩やその場しのぎの軽い謝罪を繰り返してしまうことも珍しくありません。

 これは大きな誤りであり、大変危険なことです。厳しい言い方になりますが、このようなやり方では、どんなに問題処理に奔走しても、真の意味での「信頼関係」の構築には結びつかないのです。

 正しい信頼関係は、保護者の方と先生の双方が対等な立場にあってこそ育つのです。また、学校は子どもたちの「生活の場」でもあります。その「場」を脅かす「危機」から子どもたちを守るためにも、先生方が積極的にリードして保護者の方との間の信頼関係を構築することが大切です。

 教育現場の第一線に立つ先生方のために、この「危機管理」と「信頼関係の構築」の具体的な方法をこれからお話しします。

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