【第5回】八百留の話(3) | マイナビブックス

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迷宮へようこそ ~ホロ苦く、滑稽で、奇妙な七つの物語~

【第5回】八百留の話(3)

2016.08.30 | 武山博

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【第2回】八百留の話(3)


無論、女房殿に気づかれないよう、それは気をつかったものさ。家庭を壊しちゃ、なんにもならないし、それじゃ男の風上にもおけないからね。だから、時によっちゃ配達と同時におっぺして、二十分位でことをすませ、とんで帰ったようなこともあったね。
よくもったもんだ? まったくだ。つくづく思うね、今になってみると。まあ、若かったんだなあ。男冥利につきる? フッフフフ……太陽が黄色く見えるというが、本当か? まだ若い人が、年寄りにそんなこと聞いちゃいけないや。それに、あたしら忙しくって空なんぞ見上げたことないからねえ。

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