【第6回】綱右衛門(1) | マイナビブックス

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【第3回】綱右衛門(1)


もう五十年も前になりますが、その頃、私は小さな映画館の経営をまかされていました。早くに亭主を失った叔母が土地持ちで、東京の郊外の駅にわりと近く、野菜をつくらせているより、映画館をつくったほうがはるかに収入になると考えたようです。
たしかに、当時は、どんな街にも映画館の一つや二つはあり、それがそれぞれ結構はやっていたものでした。テレビが登場する前のことで、都心の映画館などは、大ヒットした外国映画ともなると、観客が満員でスクリーンが見えず、やむなく座席に立ち上がって見るうちに、その重みで椅子がこわれ怪我人が出たという話もあるくらいでした。

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