【第9回】痴漢電車 | マイナビブックス

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【第9回】痴漢電車

2017.03.27 | 逢恋

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痴漢電車

 

 それは夜十一時すぎの電車だった。終電ではなかったのだが、乗客はほとんどいなかった。この車両にいるのは若い女と中年の男。二人だけだった。

 女の名は美佐子。とある会社の事務員で、いつもはもっと早い時間に帰宅するのだが今夜は女子会だった。気の置けない仲間と会社の愚痴を笑い飛ばし、おいしい酒に気分良く酔えた。

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