怨
本日の勤務は早番だった。朝の7時から夜勤者と一緒に三人で朝食の介助をする。
だがその前に磯村さんのオムツを替えなくてはならない。他の利用者さんのオムツは食事前に夜勤者が替えたのだが、この磯村さんは介護抵抗が激しく、一人では交換ができない。二人でならなんとかできるのだが、今日のように便を失禁されているときは収拾がつかない。一人は手を、一人は足を押さえ、そしてもう一人の職員がオムツを交換する。
そうしなければ汚物をぶちまける可能性が非常に高い。
「さ、磯村さん。オムツを交換させてくださいね。汚れているので綺麗にしましょう」
僕は彼女に声をかけた。二人の職員もそっと手足を持った。
「なにすんの! やめて! ぎゃあああ!」
彼女は手足をバタバタさせ全力で抵抗した。
磯村さんは、身体機能的には問題がない。腕も足も動くし握力もある。